センチュリアンの紹介:1972年アメリカ映画。センチュリアンとは古代ローマの平和を維持した「百人隊」。新たなセンチュリアンであるロサンゼルス市警察制服警官たちの家庭を犠牲にしながら危険に身をさらす日常を全てロケーション撮影でリアルに描く。現職警官のまま作家デビューし、映画製作時も職にとどまっていたジョセフ・ウォンボーの原作を『トラ・トラ・トラ!』等のリチャード・フライシャーが監督。製作は『いちご白書』等のアーウィン・ウィンクラー、ロバート・チャートフ。
監督:リチャード・フライシャー 出演:ジョージ・C・スコット(アンディ・キルヴィンスキー)、ステイシー・キーチ(ロイ・フェーラー)、ジェーン・アレクサンダー(ドロシー)、スコット・ウィルソン(ガス)、ロザリンド・キャッシュ(ロリー)、エリック・エストラーダ(セルジオ)、ほか
映画「センチュリアン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「センチュリアン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
センチュリアンの予告編 動画
映画「センチュリアン」解説
この解説記事には映画「センチュリアン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
センチュリアンのネタバレあらすじ:最初のパトロール
ロサンゼルス市警の犯罪の多発する地域を管轄する署に、ポリスアカデミーの訓練に耐えた3人の新人警官が配属され、先輩と組んで夜の街のパトロールを始める。
ロイ・フェーラーは法律家を目指しているが、大学の学費を稼ぎ家族を養うために警官になった。既に3人の子持ちのまじめなガスはただ良い警官になることが目標である。地元出身でヒスパニックのセルジオは相棒から「2,3年前だったらお前を逮捕していたかも」と言われて「おそらく逮捕したことがあります」と答える。
初めての勤務を終えて帰ったロイを妻ドロシーが迎える。幼い一人娘ベッキーはパパが帰るまで起きていようとがんばったが、それは果たせず眠ってしまっていた。
センチュリアンのネタバレあらすじ:キルヴィンスキーの法則
ロイは相棒の大ベテラン、キルヴィンスキーの仕事ぶりに魅了される。勤続23年で身に着けた犯罪者を見抜く勘。そしていくつかの「キルヴィンスキーの法則」に従って独自のやり方で街の秩序を守り、困っている人を助けていた。例えば、護送車に売春婦たちを乗せて酒を与えて一夜街を走れば、彼女たちは商売ができない。朝になれば彼女たちは解放される。
一方、ガスには試練が訪れる。黒人の経営する商店に強盗が入り、ガスが犯人を追うが、やはり犯人を追っていた、通報者の父親を犯人と勘違いして射殺してしまった。息子に「豚」とののしられ住民の冷たい視線を浴びながらパトカーに戻って目に涙をためるガスを相棒のホワイティは俺でも同じようにしたと慰める。
センチュリアンのネタバレあらすじ:勤務中の負傷
ある朝、ロイが夜勤を終えて帰宅すると、秘書の仕事のために出勤するところだったドロシーが、すれ違い生活、そして学業への意欲を失った夫への不満を爆発させる。しかしロイは仕事にやりがいを感じ、パトロールする危険な街に愛着を感じるようになっていた。キルヴィンスキーも良い弟子ができたことを喜ぶ。
夜、パトロール中にキルヴィンスキーが酒屋の様子を不審に思う。強盗が仕事をしている最中だった。ロイは酒屋の表側で応援を待っていたが、車中でキスをしているカップルを心配してドアを開けると、車内の男が発砲する。腹を撃たれて運ばれた病院でドロシーはキルヴィンスキーに、警官をやめるように夫に言ってほしいと泣いて訴えるが、キルヴィンスキーは、それはロイが決めることだと言う。
センチュリアンのネタバレあらすじ:キルヴィンスキーとの別れ
デスクワークを経てパトロールに復帰したロイは銀行強盗に遭遇。人質を取って男が駐車場に逃げるが、キルヴィンスキーたちが集まり、銃撃戦の末に男を逮捕する。ロイを気遣うキルヴィンスキーにロイは「怖くない」と答える。そしてキルヴィンスキーの退職の日が来る。同僚に祝福され、フロリダで娘や孫と暮らすと言って、惜しまれながら去っていく。
ロイは風紀犯罪取締班に異動になるが、大物逮捕の手がかりがないかとゴミ箱あさりをするなど仕事は華々しくない。仕事で散々な目にあって帰宅した夜、サンフランシスコの母親の家にベッキーを連れて行っていたはずのドロシーが家にいるが、それは離婚の意志を伝えるためだった。ドロシーはロイのことを心配することもなくなってしまったと言う。
ロイが元の部署に戻ってから、ある日キルヴィンスキーが警察署を訪れる。結局、フロリダで生活できずにこの街に戻って来たのだ。ある早朝、キルヴィンスキーはロイに電話をかけてくる。電話を終えた後キルヴィンスキーは自分の口に向けて拳銃の引き金を引く。
センチュリアンの結末:人生をやり直す
尊敬するキルヴィンスキーの死のショックから、ロイは方々に酒を隠して勤務中に飲むようになる。酔って勤務をしていた晩、自動車の中にいる売春婦を逮捕しようとロイが近づくが、女はそれを拒んでロイがドアにつかまったまま自動車をスタートさせ、ずっとロイを引きずった後にやっと振り落とす。制服もぼろぼろのロイが助けを求めたのは、空き巣の通報があって訪れたばかりの、ロリーという黒人のナースの部屋だった。彼女はロイが腹を撃たれて入院した病院の人だった。
停職3週間の処分を受けたロイは彼女と交際を始める。処分が解けて復職した日も彼女がご馳走を用意してくれた。ロイは、キルヴィンスキーにあこがれ警察官であることが人生の全てであった過去のロイとは別人になった。今やロリーの方が仕事よりも大切だった。
ある夜、暴動の最中に発砲した男とその仲間をロイ、ガス、セルジオが追跡した。朝、仕事を終えて署に戻ろうとする彼らのパトカーに女が立ちふさがり夫に暴力をふるわれたと言う。女のアパートの階段を上るロイを、扉の陰から出てきた男がいきなり撃つ。「今は困る。やっとわかりはじめたのに」と言いながらロイはガスの腕の中で息を引き取る。
以上、映画「センチュリアン」のあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する