ターキー・パニックの紹介:2018年アメリカ映画。大統領に忠誠を誓う「愛国者宣誓」をめぐって世論が分断されるアメリカ。対立は暴動に発展。感謝祭を祝うクリスの家にも分断がもちこまれ、ブラックフライデーの朝に状況は一挙にバイオレントに。監督・脚本・主演のアイク・バリンホルツがトランプ大統領選出後の感謝祭の際に構想したブラックコメディ。
監督:アイク・バリンホルツ 出演者:アイク・バリンホルツ(クリス)、ティファニー・ハディッシュ(カイ)、ノーラ・ダン(母・エレノア)、クリス・エリス(父・ハンク)、ジョン・バリンホルツ(パット)、メレディス・ハグナー(アビー)、キャリー・ブラウンスタイン(アリス)、ビリー・マグヌッセン(メイソン)、ジョン・チョー(ピーター)ほか
映画「ターキー・パニック」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ターキー・パニック」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ターキー・パニックの予告編 動画
映画「ターキー・パニック」解説
この解説記事には映画「ターキー・パニック」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ターキー・パニックのネタバレあらすじ:起
10か月前。
アメリカ政府は国民に、大統領と政府への忠誠を誓う「愛国者宣誓」を提案した。国民を選別しようとする提案に対して抗議運動が激しくなる。
ホワイトハウス報道官によると、愛国心の強制はできないから署名は任意だが、署名した愛国者は税金の優遇措置を得られる。報道官は愛国者たちが進んで署名すると自信たっぷり。
テレビでそれを見ていた白人のクリスと黒人のカイの夫婦は、娘ハーディの未来のため、宣誓署名反対のために何かしなければということで意見が一致する。署名期日は感謝祭の翌日、ブラックフライデーだ。
ターキー・パニックのネタバレあらすじ:承
10か月が経った。
署名の期日まであと5日。署名反対運動は各地で暴動に発展していた。カイはクリスに「いっしょに署名反対デモをした仲間が、署名することにした」と言う。クリスは国土安全保障省の一部局であるCPU(市民保護団)による署名反対活動家拉致の噂に恐怖していた。
今年はクリスの家に彼の両親やきょうだいが集まって感謝祭を祝う。カイは、リベラル派のクリスが保守派の親族と政治談議でエキサイトしてしまうのを心配していた。
月曜日はまずクリスの両親がやってきた。母親も「政治の話をするな」とクリスに注意する。
火曜日。
クリスの弟パットがガールフレンドのアビーとやって来る。だがクリスはいきなり、アビーの名をパットの前のガールフレンドの名と間違えてしまった。パットに輪をかけて右派なアビーの言動にイラつくクリスを、カイが落ち着かせなければならなかった。
ターキー・パニックのネタバレあらすじ:転
水曜日。
クリスの姉アリスが、夫のクラークや子供たちを連れてやってくるが、クラークは体調不良で寝込んでしまう。夕食の宅配ピザを分けようとしていると、署名反対派リーダーである下院議員が拘束されたというニュースが飛び込む。またもクリスとパットの口論が始まる。
アリスとクリスは外でおしゃべり。クリス同様リベラルなアリスは、きまりが悪そうに自分も署名したことを認める。クラークが会社から圧力を受けて署名せざるを得なかったのだ。
感謝祭の木曜日。
七面鳥などの料理の準備でクリスとお母さんが忙しく動き回った。ディナーが平和に済むように皆努力するが、署名反対者が殺害されたというニュースをクリスが携帯で読み、パットやアビーとの口論に火がつき止まらない。
ディナーをぶち壊しにする夫の傲慢な態度にとうとうカイが怒り、秘密を告白する。実はカイも宣誓に署名していたのだ。娘のハーディを守るためだった。怒ったクリスは自動車の中で夜を過ごす。
ターキー・パニックの結末
金曜日。
朝になってもクリスとカイはいがみあっていた。ところがCPUの二人の男、アジア系のピーターと白人のメイソンが家に入ってくる。他人が署名しようとするのをクリスが妨害していると嘘の通報があったのだ。
「CPUの人間が令状をもっていないのなら何も答えることはない」とクリスが主張すると、ピーターは納得して帰ろうとするが、右派丸出しのメイソンがピーターの制止をきかず、クリスを挑発し続ける。クリスに体を押されると肘で殴ってお返しをし、カイにも暴力を振るう。
事態を治めようとするピーターの後頭部を、クリスの父が暖炉のスコップで叩いてしまったために、いっそうややこしくなる。ピーターは気を失い、父に拳銃を向けたメイソンの頭をクリスが殴って、メイソンを縛る。
脳震とうで意識がとぎれとぎれのピーターは、自分たちの落ち度も認め穏便に解決を図ろうとするが、メイソンは攻撃的で、ピーターの提案により縛りを解かれると、直ちに拳銃でクリスとパットを殴る。スタンガンを使ってメイソンを倒して再び縛ったが、メイソンとクリスがもみ合っているうちに発射された銃弾がピーターの足に命中してしまった。
カイに説得されて、クリスはピーターとメイソンを解放しなければと考えたが、「生きて出られたらお前たちの子供を襲ってやる」とメイソンがしゃべったために、空気が一変する。クリスといがみ合っていたアビーも含めて、ピーターをのぞくその場の全員がメイソンを殺さなければならないという気持ちで一致する。
今まさにメイソンをクリスが撃ち殺そうというときに、ずっと寝ていたアリスの夫クラークが起きてきて、テレビをつけさせる。ニュースが大統領の辞職を報じた。
副大統領から大統領になったホーガンは兵士を街から引き上げること、愛国者宣誓の署名の一時的保留、CPUによる調査の中断をテレビカメラの前で語った。
クリスとパットは、ピーターとおとなしくなったメイソンとを自動車で病院に送る。ピーターは、メイソンが実は容疑者をケガさせたために停職中だったことを話す。メイソンはクリスに別れ際に、「いい家族だ」とほめる。
土曜の早朝。
平和が戻った家で、クリスとカイは手をつないでアップルパイを食べるのだった。
以上、映画「ターキー・パニック」のあらすじと結末でした。
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