プラハ!の紹介:2001年チェコ映画。プラハの春が起きる年、高校を卒業する少女たちは町にやって来た青年たちと恋に落ちる。混乱と青春のチェコミュージカル。
監督:フィリプ・レンチ 出演:ズザナ・ノリソヴァー(テレザ)、ヤン・レーヴァイ(シモン)、ヤロミール・ノセク(ボブ)、アンナ・ヴェセラー(ユルチャ)、ルボシュ・コステルニー(エマン)、ほか
映画「プラハ!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「プラハ!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「プラハ!」解説
この解説記事には映画「プラハ!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
プラハ!のネタバレあらすじ:起・1968年、その時の若者たち
軍の基地から脱走したシモン、エマン、ボブは、アメリカを夢見ながら列車に乗り込んだ。卒業試験を控えた、女子高生三人。前休み一週間に遊び歩かないようと校長先生から注意をされる。テレザは同級生の自分に思いを寄せるオルダからバイクで帰ろうと言う誘いを断り、いつもの電車に乗るとそこで窓から顔を出したシモンを見つけた。オルダはバイクで列車を追っってくるが途中で鳥小屋に突っ込んでしまった。テレザの降りた駅でシモン達も下車し、二人は一目で恋に落ちた。 テレザの父はチェコスロバキアではめずらしくレストランを個人経営している。規律の乱れを指摘されても気にしない彼に、一目置く女性客もいた。シモン達は、その店でビールを箱で買い、彫刻の修復工と称して町に滞在しながら隠れ家で英語の勉強を始めた。恋に落ちたシモンに他の二人は、今はそんな場合じゃないと釘を刺した。シモンに恋したテレザ、男の子に興味津々のブギナ、本に夢中なユルチャは、町の教会で神父に修復工の事を聞くと、そんな予定はなく、テレザは雨の中一人帰宅した。
プラハ!のネタバレあらすじ:承・1968年、未来の始まり
シモン達はこの町から先へ行くために、貨物列車が通るのを待っていた。試験勉強をしているテレザに、男友達が来ている父親が声をかけると、彼女はシモンだと思い、おしゃれをして降りて行くと、いたのはオルダで、卒業したらソ連に行かないかと誘われた。テレザはそれを断ったが、オルダは彼女を諦めきれなかった。うまくいかないテレザの恋をよそに、父親は店のお客と恋人になった。卒業試験の日、駅で待っていたシモンと、テレザは三時に教会でと約束をした。卒業試験は誰も落ちることなく、1968は皆さんの未来の始まりだと教員は言葉を送った。 約束の時間にテレザ達が待っていると、シモンが教会のオルガンを弾いて迎えた。ユルチャはエマンに一目惚れし、ブギナは移動遊園地の射的で見せたボブの腕前に恋に落ちた。シモン達た彼女達をパーティーに誘っていると、オルダ達がやって来て女の子の取り合いになるが、警察の姿が見えると、脱走兵のシモン達は逃げた。隠れ家でエマンはトロッコを見つけ、それに彼女達を乗せてパーティーの準備のしてある隠れ家まで連れて行った。テレザはシモンに嘘をついているんでしょうととうが、シモンは言えないことがあると答えるだけだった。テレザは追ってきたオルダが隠れ家の中を見ているのに気づいていた。
プラハ!のネタバレあらすじ:転・1968年、彼らの秘密
ユルチャはエマンと一晩を過ごし、ブギナは処女は面倒だと振られ、テレザはシモンに寝かしつけられた。翌朝、ボブは貨物車が止まっているのを見つけ、他の二人起こすが間に合わず、正体もバレてしまう。 朝帰りをしたテレザは、「アメリカの声」というラジオを聞きながら釣りをしている父に、西側へ行きたいと零した。同じ頃、オルダはテレビでシモン達が脱走兵であることを知ってしまう。隠れ家では警察の捜索がおよび三人は逃げ出した。テレザがシモンもう一度会おうと隠れ家訪れるとそこはもぬけの空。オルダが密告したのだと疑い殴ったが、密告者は車掌だった。
プラハ!の結末:1968年、それぞれの岐路
その夜、テレザの家をシモンが訪れた。父親は娘を信じ黙って彼女を行かせた。彼らは駅舎に隠れていて、テレザはシモンと夜を過ごし幸せな未来を夢見た。朝起きると駅舎に軍人が一人訪れた。脱走兵とは気づいておらず、彼らは徐行している貨物列車に飛び乗り、テレザに別れを言いたいシモンは二人にサンフランシスコの親戚の住所を託し、残った。通り過ぎる貨物列車を遠目に見たテレザは、シモンの帽子をかぶったボブを、シモンだと思い絶望した。そして、テレザの家のレストランを訪れたシモンがビールを飲みながらテレザを待っていると、飲みにやって来た警察に見つかり逮捕されてしまった。テレザはシモンの叔父の神父を訪ねたが連絡は何も入っていなかった。いつものように釣りに行こうとしたテレザの父は、森でソ連軍と戦車とすれ違った。ラジオからはチェコスロバキアへ東側諸国が侵攻のニュースが流れ始めた。父親はレストランを閉店し、テレザと恋人を連れ車に乗り込み国境へ向かった。テレザは通りすがったオルダに誤解を謝った。三人は国境を越え無事に外国へ、シモンは一人、刑務所で空を見上げた。
以上、映画プラハ!のあらすじと結末でした。
プラハ!のレビュー・考察:激動と言われる場所の、市民の生活
ここに描かれているのはあくまでも青春のただなかの男女、片方は脱走兵という立場ではあるものの、テレザの描く夢はいわゆる教会で結婚式を挙げ、子供を授かり家庭を切り盛りする未来で当時年頃の女の子の鉄板。西側への憧れはありつつも、他の二人ほどではない。東側の体制に反目することもなく平穏に過ごしながら恋に落ちた彼女に視点を置いているからこそ、終盤の衝撃は一層強烈に感じる。
この映画の感想を投稿する