らせん階段の紹介:1945年アメリカ映画。エセル・リナ・ホワイトの小説を映画化。サイコロジカル・ホラーの古典で、ロバート・シオドマク監督の代表作のひとつ。ドイツ表現主義の影響を受けた撮影が効果を上げている。1975年と2000年にリメイクされた。
監督:ロバート・シオドマク 出演:ドロシー・マクガイア(ヘレン)、ジョージ・ブレント(ウォーレン教授)、エセル・バリモア(ウォーレン夫人)、ケント・スミス(パリー医師)、ロンダ・フレミング(ブランチ)、ゴードン・オリヴァー(スティーヴン・ウォーレン)、エルザ・ランチェスター(オーツ夫人)
映画「らせん階段」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「らせん階段」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「らせん階段」解説
この解説記事には映画「らせん階段」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
らせん階段のネタバレあらすじ:起
1906年、アメリカのバーモント州のとある田舎町――。ホテルのロビー脇の一室で無声映画の上映が行われています。ちょうど「The End」と出て部屋が明るくなった時です。真上の部屋から何か床に落ちる音とガラスが割れる音が聞こえてきました。慌てて2階に駆け上がる支配人。9号室に入ってみると、若い女性が殺されています。実は最近この付近で殺人事件が連続して起きており、どうやら彼女もその犠牲者となったようです。被害者はいずれも身体障害者なのですが、この若い女性も片足が不自由でした。早速警察が呼ばれますが、手がかりはありません。
らせん階段のネタバレあらすじ:承
大騒ぎしていた映画の観客たちも帰路につきますが、そのひとりにヘレンという若い女性がいます。町から2マイル離れたウォーレン一家の屋敷に住み込んでいるメイドです。彼女は幼い頃に家が火事になり、両親が焼け死ぬのを見て以来、口がきけません。一人で寂しい道を歩いていく彼女を心配し、若い医師・パリーが自分の馬車に乗せてやります。ふたりは恋人同士でした。パリーは屋敷まで送っていくつもりでしたが、急患のためにやむなく町へ戻ります。再びひとりで歩き出したヘレンの跡をつける男の影――。雨が降り出し、男はヘレンが走ってウォーレン家の屋敷に入っていくのを木陰から見つめます。
家の女主人ウォーレン夫人は寝たきりで、かなりのかんしゃく持ちでしたが、ヘレンだけは大変なお気に入り。帰ってくるなりすぐウォーレン夫人の寝室に向かったヘレンは、彼女からいきなり「今夜だけは家を離れなさい」と忠告されます。また、先程殺人現場にいた警官がわざわざウォーレン家を訪問。対応に出た夫人の長男・ウォーレン教授に「犯人がこの辺りで姿を消したようです」と注意を促します。ウォーレン一家にはさらにパリから帰国したばかりの次男・スティーヴンがいて、教授の女秘書のブランチと男女の関係にありました。
らせん階段のネタバレあらすじ:転
雨はさらに激しくなり、やがて嵐に。その中をパリーが屋敷にやってきます。ウォーレン夫人の調子が悪く、容態を診てもらうためです。パリーは夫人のすすめもあって、その夜にヘレンを連れて帰るつもりになります。以前から彼女のトラウマを癒やしたいと考えていたので良い機会でした。ところが再び急患が出て、パリーはそのまま患者の家へ。ヘレンは自分の持ち物を片付け始めます。またスティーヴンとの関係を精算したいブランチも彼女と一緒に屋敷を離れる気になり、荷物を置いてある地下室へ。薄暗いロウソクの光を頼りに棚からトランクを下ろしたブランチ。そこに人影が近づき、彼女を殺してしまいます。ヘレンは教授の言いつけでブランチを呼びに行きますが、部屋にはいません。ヘレンもまた地下室へ。そこでブランチの死体を発見します。恐怖に怯える彼女の側へ再び人影が――。スティーブンでした。彼は死体のそばにかがみ込み、その様子を調べます。「死体の処理は僕がやる。このことは忘れるんだ」とスティーブンはヘレンに言いますが、彼が犯人だと思い込んだヘレンはすきを見てスティーブンを倉庫に閉じ込めます。
らせん階段の結末
1階に上がった彼女は教授にメモで事情を説明。ところが実は教授こそが連続殺人事件の犯人でした。彼は身体障害者を殺すことで世界が完璧になると信じ込んでいたのです。ヘレンは何とかウォーレン夫人の寝室に逃げ込みます。しかし夫人は眠り込んでいて助けになりません。廊下に出たヘレンは地下室にいってスティーブンに頼ろうとしますが、途中で教授が待ち構えていました。階段をまた駆け上がるヘレン。するといつの間にか寝室から出てきたウォーレン夫人が銃を構えています。夫人はヘレンを追ってきた教授を射殺。夫人は教授の異常さに薄々気づいていて、いつか決着をつけようと考えていたのでした。使命を果たして倒れ込んだ夫人のために、ヘレンは電話でパリーを呼び出します。この事件のショックによって、彼女は声を取り戻していました。
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