寒い国から帰ったスパイの紹介:1965年アメリカ映画。冷戦下のドイツを舞台に、スパイ達が互いの腹の内を探り合う重厚なサスペンス作品。英国諜報部のリーマスは、管理官から東ドイツのスパイムントを排除するための極秘作戦を命じられる。計画は順調に進み無事成功するかに見えたが、思わぬ展開がリーマスを待ち受けていた。原作はジョン・ル・カレの小説『寒い国から帰ってきたスパイ』。
監督:マーティン・リット 出演者:リチャード・バートン(アレックス・リーマス)、クレア・ブルーム(ナン・ペリー)、オスカー・ウェルナー(フィードラー)、ペーター・ヴァン・アイク(ムント)、シリル・キューザック(管理官)ほか
映画「寒い国から帰ったスパイ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「寒い国から帰ったスパイ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「寒い国から帰ったスパイ」解説
この解説記事には映画「寒い国から帰ったスパイ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
寒い国から帰ったスパイのネタバレあらすじ:極秘任務
舞台は第二次世界大戦後、ドイツが東西に分断されていた時代。ベルリンに潜伏していた英国諜報部のアレックス・リーマスは、協力者リーメックが殺害された件でロンドンに呼び戻されます。リーメック殺害は東ドイツ諜報機関の実力者ムントの命令だろうと聞かされるリーマス。管理官はムントを排除するため、ベルリンを統括するスパイであるリーマスに「君には寒い国に居てほしい」と告げました。英国諜報部を解雇されたリーマスは酒に溺れ、職業安定所を頼って小さな図書館に就職します。そこで英国共産党の党員ナン・ペリーと出会ったリーマスは次第に彼女と恋仲になっていきました。しかしその後リーマスは食料品店で諍いを起こし、逮捕、投獄されてしまいます。出所したリーマスは東ドイツの協力者から声をかけられ、情報を売らないかと持ちかけられます。夜に再び会う約束をしたリーマスは、密かにイギリスのスパイであるジョージ・スマイリーの家へ向かいました。室内には管理官の姿もあります。実は解雇は芝居であり、逮捕されたのもムントをあぶり出すための作戦でした。管理官は怪しまれずムントを排除するため、ムントの右腕であるフィードラーに狙いをつけます。フィードラーにまばらな情報を与え、ムントを告発させるよう仕向けろとリーマスは命令を下されました。
寒い国から帰ったスパイのネタバレあらすじ:東ドイツへ
東ドイツの関係者と接触したリーマスは、金と引き換えに情報を流すことを約束。オランダを経て東ドイツへ連行され、軟禁状態でフィードラーから尋問を受けることになります。詳細は分からないと言いながら、以前コペンハーゲンとヘルシンキの銀行に共同口座を開設したと話すリーマス。その口座を使って何者かが英国から金を受け取っていると考えたフィードラーは銀行を調べます。そして金が引き出された日付とムントが現地に滞在していた期間が合致することから、ムントと管理官が秘密裏に通じていると推理しました。ムントはフィードラーの訴えにより逮捕され、査問会が開かれることになります。
寒い国から帰ったスパイのネタバレあらすじ:フィードラーの告発
聴取が始まり、フィードラーは自身の考えを読み上げます。ムントは1959年にロンドンに潜入した際、任務中に殺人を犯して英国から追われる身となりました。しかしその2日後、あっさりベルリンに帰還しています。これこそムントがイギリスに抱き込まれている証拠だと告発するフィードラー。リーマスの証言を挟んで行われた反対尋問には、ムントの弁護士カルデンが立ちました。カルデンはムントの無実を主張し、全ては権力欲にかられたフィードラーの捏造だと反論。カルデンはリーマスの背後関係を綿密に調べ上げており、全てはムントを失脚させるための芝居だと言い放ちます。
寒い国から帰ったスパイのネタバレあらすじ:窮地
あくまでシラを切るリーマス。そこでカルデンは証人としてナンを出廷させました。リーマスはもちろん、詳しい事情を聞かされていなかったナン自身も驚きます。リーマスを庇おうとあやふやな証言を続けるナンでしたが、カルデンの厳しい追及を受けリーマスとスマイリーの繋がりを話してしまいます。英国諜報部との繋がりが露見したリーマスは観念し、全てはムントを告発するための作戦だったと白状します。これによりフィードラーは拘束され、ムントの疑いは晴れました。リーマスとナンは逮捕されてしまいます。
寒い国から帰ったスパイの結末:スパイが帰る場所
逮捕されたリーマスとナンでしたが、ある男の手助けによって脱走に成功します。2人を助けたのはムントでした。彼の指示に従い車でベルリンの壁へ向かうリーマスとナン。状況についていけないナンに、「ムントは英国に買われたスパイだ」とリーマスは語りました。リーマスにすら知らされていなかった今回の作戦の本当の狙いは、ムントが二重スパイだと気付き始めたフィードラーを始末することであり、同時にムントの疑惑を晴らすことにありました。「汚いやり方よ」と批難するナンに、スパイとはそういうものだと反論するリーマス。協力者の指示でベルリンの壁を越えようとしますが、警備兵に見つかりナンが射殺されてしまいます。倒れた彼女の元へ戻ったリーマスも射殺され、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画寒い国から帰ったスパイのあらすじと結末でした。
後半の査問会までは少し退屈で眠くなってしまったけどラストシーンで泣いた。
作戦が入り組んでて全体像を知らされず、組織のために命を懸けても駒でしかなくて恋人まで利用されて嫌気が差したからリーマスは壁を越えなかったのかな。
ジョン・ル・カレの作品はやるせなさが残るけど、主人公が魅力的で好き。