W/ダブルの紹介:1987年アメリカ映画。理想の家庭を求め殺戮を繰り返す男と、彼に立ち向かう母娘の戦いを描いたサスペンス作品。秩序ある家庭を渇望するジェリーは、一人娘ステファニーを持つシングルマザーのスーザンと結婚した。しかしステファニーは自分に全く懐かず、スーザンもそんな娘を庇うばかり。失望したジェリーは2人を殺害することにした。彼の正体は、家族が自分の理想から外れると容赦なく全員殺し、次の家庭に潜り込む異常な殺人鬼だったのだ。別題は「W/ダブル ステップファーザー」。2009年に「ステップファーザー 殺人鬼の棲む家」としてリメイクされた。
監督:ジョセフ・ルーベン 出演者:テリー・オクィン(ジェリー・ブレイク)、シェリー・ハック(スーザン・メイン)、ジル・シュエレン(ステファニー・メイン)、スティーヴン・シェレン(ジム・オグリヴィー)、チャールズ・レイニャー(ボンデュラント博士)ほか
映画「W/ダブル」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「W/ダブル」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
W/ダブルの予告編 動画
映画「W/ダブル」解説
この解説記事には映画「W/ダブル」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
W/ダブルのネタバレあらすじ:新しい家族
舞台はアメリカのとある田舎町。男が1人、2階で血を洗い流しています。彼の名はモリスン。髪型を変え、髭を剃り、メガネを外して別人のようになった彼は口笛混じりに家を出ていきました。家の中には、彼にメッタ刺しにされた妻子の遺体が横たわっています。
1年後。ジェリー・ブレイクという名の別人になりすましたモリスンは、不動産会社でセールスマンとして働いていました。新しい妻スーザン・メインと、その娘で16歳のステファニーと一緒に暮らしています。スーザンは優しいジェリーを愛していましたが、ステファニーは何か不気味なものを感じ、継父から距離を取り続けていました。
ストレスを溜め込んだ彼女は学校で再三問題行動を起こし、ついに退学処分になってしまいます。ステファニーはこれを好機と考え、ジェリーから逃げるため寮のある学校に入る計画を立てました。しかしジェリーは、家族は一緒に暮らさなければならないと信じ、断固として許しません。
W/ダブルのネタバレあらすじ:不気味な継父
一方、1人の男がジェリーの行方を追っていました。彼の名前はジム・オグリヴィー。ジェリーがモリスンの名で結婚し、殺害した妻の弟です。ジムの調べによると、モリスンは事件の3週間前に退職していました。しかし家族には告げず、出勤しているように見せかけていたようです。モリスンは3週間で新しい生活の準備を整え、妻子を殺害して逃亡したと考えられました。ジムは知人の新聞記者に、もう一度事件を扱って欲しいと頼みます。
数日後、ホームパーティーの席で新聞記事を見たジェリーは僅かに動揺します。動機を推測するパーティー参加者に、ジェリーは静かに「失望させたんだ」と呟きました。その様子を見ていたステファニーは、スーザンに頼まれて地下室へアイスクリームを取りに行きます。するとジェリーが荒々しく降りて来て、「必要なのは秩序だ 秩序!」と叫んで暴れ出しました。どうやらステファニーには気付いていないようです。
怯えるステファニーを見つけたジェリーは、ストレスを発散しているだけだと誤魔化しました。ステファニーは、モリスンとジェリーは同一人物だと考え事件を調べることにします。そこで新聞社からモリスンの顔写真を取り寄せますが、封筒は一足先にジェリーの手に渡ってしまいました。怒り狂って暴れたジェリーは、封筒に別人の顔写真を入れておきます。写真を見たステファニーは考えが外れて落胆しました。
W/ダブルのネタバレあらすじ:ジェリーの企み
ジムは警察にも足を運び、捜査の進捗状況を尋ねていました。犯罪心理学者によると、モリスンはジムの姉の家庭に入り、そこで気に入らないことが起きたので家族を抹殺したそうです。そして別の家庭に潜り込み、同じことを繰り返すだろうと。しかし名前も含め一切の素性が偽装されていたため、手がかりは何一つ無い状況でした。
その頃、ジェリーは自分の「理想の家族」を作るため努力を続けていました。まずステファニーを家に縛り付けるため、学校に掛け合って退学処分を撤回させます。ステファニーから相談を受けていたボンデュラント博士は、客を装ってジェリーと接触。売り家の内見をしながら情報を引き出そうとします。しかしボンデュラントが独身であり、「家庭なんてものは犬のクソだよ」と発言するとジェリーは態度を豹変させました。木材でボンデュラントを撲殺し、車ごと炎上させて事故死に見せかけます。
親しい博士の突然の死に、ステファニーは強いショックを受けました。ジェリーは彼女を優しく慰め、ニヤリと笑います。ボンデュラントの件をきっかけに、ステファニーは次第にジェリーに心を開くようになっていました。ジェリーにとって幸福な時間が流れます。ところが、ステファニーとその恋人のキスを目撃したジェリーは怒りを爆発させました。ステファニーはこれまで以上にジェリーを拒絶し、スーザンもジェリーの理不尽な怒りに腹を立てます。家族の溝が決定的なものになると、ジェリーは修復を諦めまた別の「理想の家族」を作ることにしました。
W/ダブルのネタバレあらすじ:本性を現したジェリー
ジェリーは不動産会社を辞め、名前と容姿を変えて別の町に向かいました。そこで生活の基盤を作り、新たなシングルマザーに目をつけます。ジェリーが帰宅すると厳しい顔をしたスーザンが待っていました。彼女は不動産会社に電話し、偶然ジェリーの退職を知ってしまったのです。何かの間違いだと言うジェリーは、「待てよ 俺は今 誰だ?」と呟きました。困惑したスーザンがジェリーを呼びます。すると彼は突然スーザンを殴り飛ばしました。逃げようとするスーザンは地下室に落下し意識を失います。
ジェリーはナイフを用意し、次にステファニーを襲うことにしました。そこへ現れたのは、近所で手当たり次第に聞き込みをしていたジムです。やっとジェリーを見つけたジムでしたが、ナイフの一撃を食らって死亡してしまいました。ステファニーは本性を現したジェリーを前に悲鳴を上げ、家の中を逃げ惑います。
W/ダブルのネタバレあらすじ:母娘の反撃
階段付近で、ついにジェリーに捕まってしまったステファニー。すると地下室から這って来たスーザンがジェリーに向かって発砲しました。2発の銃弾を食らっても尚倒れないジェリーは、執念でステファニーを殺害しようとします。
ステファニーはジェリーが落としたナイフを必死に掴みました。「刺すのよ!」と叫ぶスーザン。ステファニーはナイフを高く振り上げ、ジェリーの胸に深々と突き刺しました。ジェリーは呆然としながら「愛してる」と呟き、階段を転げ落ちて絶命します。
ステファニーが座り込み、恐怖は続編「ステップファーザー2/危険な絆(1989年)」へと継承されていきます。
以上、映画「W/ダブル」のあらすじと結末でした。
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