アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場の紹介:2017年フィンランド映画。第二次世界大戦下でフィンランドとソ連が戦った「継続戦争」を題材とするヴァイノ・リンナの小説「無名戦士」を映画化、フィンランド映画としては最大のヒットとなった戦争ドラマです。領土を奪われたフィンランドが強大なソ連相手に3年2ヶ月に渡って戦い抜いた軌跡を、最前線で戦う名もなき兵士たちの視点から描きあげました。
監督:アク・ロウヒミエス 出演者:エーロ・アホ(ロッカ)、ヨハンネス・ホロパイネン(カリオルト)、ジュシ・ヴァタネン(コスケラ)、アク・ヒルヴィニエミ(ヒエタネン)、ハンネス・スオミ(ヴァンハラ)ほか
映画「アンノウンソルジャー 英雄なき戦場」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アンノウンソルジャー 英雄なき戦場」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場の予告編 動画
映画「アンノウンソルジャー 英雄なき戦場」解説
この解説記事には映画「アンノウンソルジャー 英雄なき戦場」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アンノウンソルジャー英雄なき戦場のネタバレあらすじ:起
1940年、北欧のフィンランドは大国ソ連を相手に“冬戦争”を繰り広げていました。そして同年3月に冬戦争は終結、フィンランドは独立こそ認められながらもカレリア地峡を含む国土の10分の1をソ連に占領されることとなりました。
翌1941年6月、フィンランドはソ連への侵攻を目論むナチス・ドイツと手を組み、失った領地を取り戻そうと“継続戦争”を開始しました。戦場にはカレリア地峡に土地を持つ経験豊富なロッカ伍長(エーロ・アホ)や恋人を首都ヘルシンキに残した若手将校のカリオルト少尉(ヨハンネス・ホロパイネン)らの姿がありました。ロッカやカリオルトは機関銃中隊に配属され、そこでヒエタネン(アク・ヒルヴィニエミ)やヴァンハラ(ハンネス・スオミ)ら同僚たちと出会いました。
ロッカはコスケラ中尉(ジュシ・ヴァタネン)率いる小隊に配属され、友人であるスシ(アーツ・カピュライネン)、と同じ分隊に配属するよう要求しました。将校に対しても物怖じないロッカの態度にカリオルトは違和感を覚えました。
アンノウンソルジャー英雄なき戦場のネタバレあらすじ:承
ロッカらの機関銃中隊はフィンランド東部から国境付近へと移動を命じられ、ボートで川を移動して対岸の敵陣に攻撃を仕掛けましたが、敵の反撃により数々の犠牲者を重ねていきました。そんな激戦の中でもロッカとカリオルトは次第に互いの理解を深めて信頼関係を築き上げていきました。
1941年10月、フィンランド軍は苦闘の末にカレリア地方の首都ペトロザヴォーツクを占領しました。機関銃中隊はそのままペトロザヴォーツクに駐留しますが、ロッカはそこでも上司の命令に反発しました。ロッカやヴァンハラと共に街に繰り出したヒエタネンは現地の若い女性と出逢い惹かれあっていきますが、戦争の現実は残酷であり、ヒエタネンは彼女と離れて次の最前線に向かわなければなりませんでした。
アンノウンソルジャー英雄なき戦場のネタバレあらすじ:転
1942年1月。機関銃中隊は真冬の最前線に展開、ロッカは自ら短機関銃を手にして次々と敵兵たちを倒していきました。ロッカは戦功により特別休暇を与えられ、家族の待つ農場で束の間の一時を過ごしました。
夏になり、ロッカは若い兵士に対し最前線で生き残る術を教えながら戦っていました。しかし、若い兵士は不用意な行動が元で敵兵に射殺されてしまいました。
束の間のクリスマス休暇が終わり、年が明けた1943年の夏。ロッカは相変わらず上官に反抗的な態度を取り続けていましたが、味方の塹壕内に侵入したソ連兵と交戦し、敵の大尉を捕虜にしました。ロッカは手柄を盾に2週間の休暇を要求、再び家族の元に戻りました。ロッカの妻は新たな命を授かっており、ロッカは幼い娘から戦場に戻らないでと言われながらも戦場に向かっていきました。
アンノウンソルジャー英雄なき戦場の結末
1944年6月。遂に本格的に反撃を開始したソ連軍はフィンランド南部に侵入、最前線の部隊も後方への撤退を余儀なくされ、ロッカの妻子も農場を離れて疎開せざるを得なくなるほどに戦況は悪化していきました。そんななか、カリオルトは一時的に首都ヘルシンキに戻り、恋人と結婚式を挙げましたが、妻の心配をよそにカリオルトは最前線で戦い続ける道を選びました。
カリオルトが機関銃中隊に戻ると戦況は非常に悪化しており、コスケラ中尉はもう希望は持てない、希望など戦争が始まった時点でなかったと諦めの表情で呟きました。
司令部から現在の拠点を死守せよと厳命されるなか、ヒエタネンは負傷兵を助けようとして命を落とし、そしてカリオルトもまた無謀な作戦の末に命を落としました。
コスケラ中尉は遂に撤退を決断、ロッカや負傷兵たちと共に辛うじて味方の陣地へと引き上げましたが、上官はコスケラの隊の作戦失敗を責めて戦い続けることを強要しました。コスケラはソ連軍の戦車部隊との死闘の末に命を落としました。
1944年7月。ソ連軍はフィンランド軍の最終防衛線にまで迫り、機関銃中隊の兵力もロッカらわずかしか残っていませんでした。今やカレリア地峡もロッカの農場も敵の手に落ちていました。中隊は退却を命じられますが、途中の橋が爆破され、ロッカは先に若い兵士を脱出させると、親友と共に傷つきながらもようやく向こう岸まで辿り着きました。
1944年9月4日、フィンランドとソ連は休戦協定を結び、ようやく戦争に終わりが訪れました。ロッカは疎開先の妻子の元へと向かい、静かに再会を果たしました。
以上、映画「アンノウン・ソルジャー 英雄なき戦場」のあらすじと結末でした。
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