ビッケと神々の秘宝の紹介:2011年ドイツ映画。スウェーデンの作家ルーネル・ヨンソンの有名な児童文学を実写化した『小さなバイキング ビッケ』(2010年)の続編となるファミリー・冒険ファンタジー映画です。「神話の謎を解き、バイキングの秘宝を探し出せ!」というキャッチで、ビッケたちがライバルの海賊長に誘拐された父ハルバルの救出と、神々の秘宝を探す冒険の旅の様子をコミカルに描いた物語です。
監督:クリスティアン・ベッカー 出演:ビッケ(ヨナス・ハンメルレ)、スベンニャ(ヴァレリア・アイゼンバルト)、ハルバル(ワルデマー・コブス)、スノーレ(クリスティアン・A・コッフ)、ほか
映画「ビッケと神々の秘宝」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ビッケと神々の秘宝」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ビッケと神々の秘宝の予告編 動画
映画「ビッケと神々の秘宝」解説
この解説記事には映画「ビッケと神々の秘宝」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ビッケと神々の秘宝のネタバレあらすじ:1.一冊の本
スウェーデンのフラーケに住むバイキングの族長ハルバルとその仲間たちと共に、ビッケはある島に上陸しました。その島には見知らぬ盗賊たちが眠りこけていました。ビッケの父ハルバルは、ビッケに盗賊たちから宝を略奪しろと命じました。見つかったときは、バイキングらしく勇敢に戦えとハルバルはビッケに教えますが、賢くてできるだけ戦いを避けたいビッケは、お宝が入っていると思われる馬車の鍵だけを盗もうとしました。しかし、逆にビッケは盗賊たちに捕まってしまい、見知らぬ子供たちが囚われた檻の中に入れられてしまいました。そこへ、父ハルバル達が助けに現れましたが、混乱の中、ビッケの檻は馬に引かれて、林の中へと疾走していきました。
混乱する子供たちの中、ビッケは頭を働かし、檻から脱出するための妙案を思いつきました。ビッケはその案を見事に実行し、グリーンランドから拉致された子供たちと、間一髪のところで脱出することに成功しました。その中の一人の少年ヨギは、ビッケはお礼を言うと、立ち去って行きました。ヨギは別れ際、一冊の本を落として行きました。ビッケはヨギに「忘れ物だよ」と叫びましたが、ヨギの姿はもう見えませんでした。仕方なくビッケは、その本を持ち帰りました。その様子をひっそりとお宝を狙う謎の少女が見つめていました。
ビッケと神々の秘宝のネタバレあらすじ:2.旅立ち
その島でのお宝は既に宿敵のライバルであるバイキングのスベンが、かっさらった後でした。目だった戦利品を何も得られないまま、ハルバルとビッケたちは故郷フラーケの自分の村に帰りました。戦利品がないと知ったハルバルの妻(ビッケの母)や他の女性たちは、ハルバルや仲間たちを叱り飛ばしました。海の上では無敵のバイキングも、村では恐妻家でした。そこにあの謎の少女がひょっこり現れました。船の樽の中に隠れていたのでした。少女はビッケが見つけたあの本を奪って逃げようとしました。ビッケは取り返そうとしましたが、逆に倒されてしまいました。ビッケは村の子供たちから笑われました。その少女に不審を抱きながらも、ハルバルはその少女を家の使用人としました。
笑われて落ち込むビッケを、幼馴染でビッケに恋心を抱くチチが「力は弱いけど、頭は一番いいんだから」と励ましました。ビッケはチチにあの本を見せ、じっくりと読みました。それは伝説の神々の秘宝の在り処が書かれた航海日誌のようでした。そこには父ハルバルが、祖父の代から大切に受け継いできたハンマーのお守りの絵が描かれていました。そのハンマーのお守りは神々の秘宝の扉を開ける鍵でした。それを聞いたハルバルは、仲間たちと共に直ぐにその秘宝を手に入れるため、氷で覆われたグリーンランドまで旅立つことにしました。
そして、その出港前夜、ハルバルは村中で決起の宴をしました。高らかに乾杯をした直後、みんな強烈な睡魔に襲われ、眠り込んでしまいました。夜が明けると、父ハルバルの姿が消えていました。ライバルのスベンによってさらわれたのでした。族長がいなくなったバイキングたちは大混乱に陥りました。長老は古のしきたりに従い、族長をビッケに任命しました。戸惑いながらも、さらわれた父の救出と秘宝を見つけ出すため、勇気を奮いビッケは族長となりました。ビッケは仲間のバイキングと共に、再び海に出ました。
ビッケと神々の秘宝のネタバレあらすじ:3.潜入
ビッケと仲間たちは、まずハルバルを救出するため、意地悪スベンの城へと向かいました。ある日の夜、ビッケたちは大嵐に見舞われました。ビッケは決意し、大嵐の中を突っ切ることにしました。翌朝、何とか謎の少女スベンニャの勇敢な助けで、大嵐を乗り切ったビッケたちは、大嵐で行方不明になった部下スノーレを探すため、ある島に辿りつきました。しかし、その島はなんとスレンダーなビキニ姿の美女ばかりが住んでいました。ビッケたちは美女の大群に奇襲をかけられ、囚われて谷から落とされかけましたが、ビッケが父の救出と秘宝を手に入れるため、スベンの所に行く途中だと話すと、美女たちはビッケたちを解放してくれました。「あの秘宝がスベンの手に渡してはダメ。渡れば世界は滅びる」と言い、美女たちはスベンの城への行き方と、自分たちの纏っていた衣をビッケたちに提供してくれました。ビッケたちはその布で、大嵐で大破した帆を修理し、その島を後にしました。
そして、数日後の夜、美しい夜空に光るオーロラを目指し、ビッケは船の舵を切りました。すると、スベンのアジトがあるオーディンの谷が見えました。その谷は異様な絶壁の谷で、過去に大勢の船乗りが挑んでいきましたが、生きて還った者はいないと言われる谷でした。そして、その谷の上にはスベンの城が聳え立っていました。
ビッケと仲間たちは道化師に化けて、スベンの城に潜入しました。ビッケたちはスベンニャの案内で父ハルバルが囚われている牢獄に行きつけました。久しぶりの再会に喜び、脱出しようとするハルバルとビッケたちでしたが、牢獄の扉が突如、閉じられました。そこにいたのはスベンニャでした。なんとスベンニャは意地悪スベンの娘だったのでした。村の宴で飲み物に眠り薬を入れたのもスベンニャの仕業でした。スベンニャはいつの間にかビッケから秘宝の在り処の本を盗んでいました。ビッケは落胆しました。スベンニャも哀しそうな瞳でビッケを見つめていました。
ビッケと神々の秘宝のネタバレあらすじ:4.脱出
翌朝、スベンは神々の秘宝を手に入れるため、出航するとハルバルたちに告げました。何とかそれまでにこの牢獄から脱出しなければなりません。ビッケは牢獄にある窓を見つけました。しかし、それは到底一人では届かない高い所にありましたが、ビッケは父と仲間たちとで人間梯子を作ってもらい、そこからビッケは脱出することに成功しました。しかし、父や仲間たちを助けることはできませんでした。ビッケは単身牢獄の鍵を奪いに、スベンの寝床に潜入し、牢獄の鍵と父のハンマーのお守りを奪い取りました。ビッケは牢獄を開け、ハルバルと仲間たちと共に脱出しようとしましたが、それに気づいたスベンは部下たちに包囲されてしまいました。逃げ場を閉ざされたビッケは知恵を巡らせ、いい方法を思いつきました。ビッケたちは飾ってあった騎士の鎧を身に纏い、人形の振りをし、何とか城から奪取することに成功しました。
ビッケたちは船に乗り、オーディンの谷に向かって逃げました。その後を追い、スベンの船が追ってきました。スベンの船はビッケの船に横付けすると、乗り込んで襲ってきました。ビッケたちは必死で格闘しました。その中で、スベンはハルバルからハンマーのお守りを奪い取りましたが、ビッケはスベンニャから秘宝の在り処の本を奪い返しました。そんなこんなの大乱闘の中、二隻の船はオーディンの谷の強烈な潮流に飲み込まれそうになりました。スベンはいち早く、自分の船に戻り、舵を切って安全な潮流に乗りました。ビッケの船は激烈な渦の巻く潮流に乗ってしまい、その渦の中に飲み込まれてしまいました。しかし、その潮流は偶然にも秘宝のある氷の宮殿への近道でした。しかし、防寒具を持っていないビッケたちはその寒さに凍てつき、まともに動けない状況に陥りました。ビッケの父ハルバルは初めてビッケに「俺はお前のように賢くなりたい。御頭失格だ」と弱音を吐きました。そんな父にビッケは「お父さんは一番勇敢で一番強い。お父さんのようになりたい。…僕の考える力は誰から受け継いだの」と言い、励ましました。
ビッケと神々の秘宝のネタバレあらすじ:5.神々の秘宝
翌朝、何とか一晩を過ごしたビッケたちの目の前に現れたのは、なんとビッケが助けた少年ヨギとその仲間たちでした。イヌイットのヨギはビッケにスベンから神々の秘宝を守ってほしいと託し、毛皮などの防寒具を与えました。ビッケたちは秘宝が眠る氷の宮殿に辿り着きましたが、既にそこにはスベンたちがやって来ていました。しかし、スベンたちは秘宝への通路で立ち往生していました。それは間違った岩を踏むと天井から鋭い氷柱が落ちてくるという通路でした。そこでビッケたちはまたしてもスベンに捕らわれてしまいました。スベンは、秘宝の在り処の本を持った賢いビッケに、秘宝へ通じる岩を見つけるように命じました。父を人質に捕られたビッケでしたが、見事、その仕掛けを見破り、その秘宝へ通じる岩を見つけ出し、ビッケは秘宝を発見しました。秘宝は氷漬けにされていたハンマーでした。
直ぐさま、ビッケの後を追い、スベンニャがやって来ました。スベンニャはハンマーを取りに行きましたが、その通路は薄氷でできた橋でした。スベンニャの足元の氷にヒビが入り、彼女はもう一歩も動けない状況に陥りました。氷の橋が崩れ、谷底に落ちそうになるスベンニャを、何とかビッケは助け出しました。そこに上で格闘していたハルバルとスベンが落ちてきました。スベンはいち早く秘宝のハンマーを手に入れ、その強大な力を見せつけました。有頂天になったスベンはハンマーの力で、氷の宮殿内に太陽の光を呼び込みました。宮殿内の氷が急速に溶け始めました。阻止しようとするハルバルから思わぬ反撃を受けたスベンは、自ら作った穴から落ちそうになりました。父スベンを助けようとするスベンニャに、スベンは「ハンマーを取れ。神々の力を解き放ち、奴らを消し去れ」と命じました。スベンニャはハンマーを手に取ると、ハンマーを谷底に放り捨てました。スベンニャは「神々の秘宝は人間が持つものではない。何が正しいかは自分で判断するわ」と父スベンに言い放ちました。
ハルバルはスベンを助ける代わりに、取り引きをしました。武闘派ハルバルにとっては、初めての取り引きでした。取り引きに応じたスベンをハルバルは助け出し、ビッケとスベンニャと共に、宮殿内から脱出しました。宮殿は崩壊し、神々の秘宝も氷の中へと消えました。まさに間一髪のところでした。
ビッケと神々の秘宝の結末:6.帰路
ハルバルはスベンたちバイキングを、途中で助けてくれたヨギに、お礼の使用人として引き渡しました。ハルバルたちは取り引きの通り、スベンの船から積み荷を全て奪い取りました。スベンニャは父スベンのもとにいたいと言い、ヨギのもとにいることにしました。いつしかスベンニャとビッケの間には、深い友情が芽生えていました。「お前は自慢の息子だ」と父ハルバルから褒められたビッケたちは、故郷への帰路につきました。
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