ザリガニの鳴くところの紹介:2021年アメリカ映画。1969年、ノースカロライナ州の湿地帯で、地元の裕福な家庭に育ち将来を期待されていた青年チェイスの死体が発見される。容疑をかけられたのは、湿地帯にたったひとりで暮らす少女カイアだった。町の人々から“湿地の少女”と呼ばれた彼女は、自然から生きる術を学びながらひとりで生き抜いてきた。そんな彼女の前に、同じく自然を愛するテイトという心優しい少年が現れる。彼女の静かで穏やかな生活は、テイトとの出会いをきっかけに大きく変わっていく…。原作は全世界で1500万部を突破する大ベストセラーミステリー。著者ディーリア・オーエンズは優れたノンフィクションの書き手として知られた動物学者。70歳にして初のフィクション作品として書いた本作は、殺人事件の謎と疑惑が描かれたミステリーであるが、同時に家族や大切な人との別れをいくつも経験しながら自然を生きる少女の成長物語でもある。
監督:オリヴィア・ニューマン 出演:デイジー・エドガー=ジョーンズ(カイア)、テイラー・ジョン・スミス(テイト)、ハリス・ディキンソン(チェイス)、マイケル・ハイアット(メイベル)、スターリング・メイサー・Jr.(ジャンピン)、デヴィッド・ストラザーン(トミ・ミルトン)ほか
映画「ザリガニの鳴くところ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ザリガニの鳴くところ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ザリガニの鳴くところ」解説
この解説記事には映画「ザリガニの鳴くところ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ザリガニの鳴くところのネタバレあらすじ:起
1969年、ノースカロライナ州のバークレー・コーヴ。
湿地帯に建てられた櫓の下で、裕福な家庭に育ち将来を期待されていた地元の青年チェイスの死体が発見されました。
殺人の容疑をかけられたのは、“ザリガニが鳴く”と言われているこの湿地帯にたったひとりで生活する少女カイアでした。人々は彼女を“湿地の少女”と呼び、学校にも行かずに人知れず苦労している彼女を誰ひとりとして助けようとしませんでした。
そんな彼女に手を差し出した弁護士トム・ミルトン。カイアは想像を絶する自身の半生を少しずつ語っていきました。
時はさかのぼり1953年。
カイアは兄姉と両親と共に湿地帯の奥に建てられた質素な小屋に住んでいました。しかし、家族に暴力を振るう父に耐えられず、母親、そして兄姉たちも次々に家を出ていってしまいました。父と2人で暮らすことになったカイアでしたが、その父も母から届いた手紙に激怒し、家を出て行ったきり二度と戻ることはありませんでした。
その後、街で商店を営む心優しい黒人のジャンピンと妻メイベルに陰ながら助けてもらいカイアはたったひとり、湿地の自然から生きる術を学び、なんとか生き抜いてきました。
ザリガニの鳴くところのネタバレあらすじ:承
カイアは森に生息する鳥類や豊かな自然に関心を持ち、その生態をもくもくと調べるようになっていきました。
そんなある日、彼女の元に同じく湿地帯の自然を愛するテイトという少年が訪ねてきました。最初は警戒していたカイアでしたが、読み書きを教え、様々な本を持ってきてくれるテイトの優しさに触れ、次第に心を許していきます。やがて2人は恋人同士となりましたが、幸せは長く続きませんでした。テイトが大学進学のため町を去らなくてはいけなくなったからです。独立記念日に戻ると約束しカイアの元を去ったテイトが約束の日に、カイアの前に姿を現すことはありませんでした。
再び孤独になるカイア。
しかし、ある日、ハンサムで地元の人気者チェイスに声をかけられたことをきっかけに交際をはじめます。カイアには彼を心から愛しているのか自分でも分かりませんでした。ただ、ひとりで居たくなかったのです。やがてチェイスはカイアにプロポーズし、その答えとして彼女は珍しい貝殻で作ったネックレスを彼へ贈りました。
しかし、再びカイアの目の前にテイトが現れました。彼は大学でこの湿地帯の生態系を研究するという夢を叶えたい一心で全てを捨てて学業に励んでいました。しかし、いつも自分の中心にカイアがいることに気付き、後悔して心からの謝罪をします。
その後、カイアは町で見かけたチェイスが他の女性と婚約していたことを知ってしまいます。激怒したカイアはチェイスへ別れを叩きつけ去っていきました。
ザリガニの鳴くところのネタバレあらすじ:転
カイアは昔から描きためていた生き物や植物のイラストを出版社へ送りました。細かい洞察に感動した編集者の目にとまり出版が決定。父親が滞納していた税金も納め、カイアはこれまで住んでいた家の所有権を得ることができました。
そして、本からカイアの存在を知った兄のジョディが突然訪ねてきて、嬉しい再会を果たしました。彼は姉たちとは疎遠になり、母親は父へ手紙で子供を引き取りたいと伝えると近づくなと脅されて、探すことを断念していたとのこと。そして母は再び子どもたちに会うことなく亡くなったことを知らされました。ジョディは、これからできる限りカイアに会いにくることを約束し別れました。
一方、カイアによってプライドを傷つけられたチェイスは復讐するために彼女の家へやってきます。チェイスは逃げ回るカイアを追いかけて性的暴行をくわえようとします。カイアはなんとか逃げ出すことができましたが、チェイスは腹いせに彼女の家をめちゃめちゃにして去っていきました。
チェイスの死体が見つかったのはその数日後。
捜査の結果、そばに建てられた櫓から落下した際、頭部を強く打ったことが死因とのこと。しかし犯人に直接つながる証拠はありませんでした。
裁判が開かれ、弁護士ミルトンはカイアに当日のアリバイがあることを主張しました。出版社との会合のために、事件現場からはるか離れた街へ泊まりがけで行っていたのです。しかし、検察側も引きません。その気になれば夜行バスで戻り、チェイス殺害後にホテルへ戻ることが可能なこと、そしてチェイスがカイアからもらって付けていた貝殻のネックレスがなくなっていることなどを述べました。ミルトンは、櫓の点検を怠った保安官の責任逃れのためにカイアへの偏見を利用していることを訴え最終弁論を終えました。
カイアは無罪を勝ち取ることができました。
ザリガニの鳴くところの結末
その後、カイアとテイトは再び結ばれ、2人は結婚しました。子どもはいませんでしたが、愛する夫と自然に囲まれた家を持ち、時々訪ねてくるジョディ家族と共に時間を過ごしました。カイアはこれまでの人生にはなかった、穏やかで尊い生活を取り戻すことができました。
月日は経ち人生の終盤を迎えたカイアは、ひとりでボートを出して子どものころから慣れ親しんだこの湿地帯に想いを巡らせていました。
するとカイアの目の前に母の幻が訪れます。
カイアがずっと湿地帯を離れなかった理由のひとつでもあった母親の存在。カイアは安心したかのようにボートで息を引き取りました。
後日、遺品を整理していたテイトはチェイスのことが書かれたカイアのノートを発見します。最後のページはくりぬかれていて、チェイスが身につけていた貝殻のネックレスが収められていました。チェイス殺しの真犯人を悟ったテイトは、ネックレスを沼へ投げ捨てカイアの秘密を葬ったのでした。
以上、映画「ザリガニの鳴くところ」のあらすじと結末でした。
「ザリガニの鳴くところ」感想・レビュー
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この上なく美しく詩的な映像。
彼女の殺人は、湿地·沼地に生きる野生の生物たちのsurviveのための掟に従った行為に過ぎない。
手元に置いて、この先何度でも見返したい映画。
とてもいい映画でした。プロデューサーがリース・ウィザースプーンなんですね ミステリーとラブストーリー、法廷ものと要素がいっぱい 湿地の自然の描写が素晴らしい