キューブ:ホワイトの紹介:2018年イギリス映画。英国が政府側と解放軍に分裂した近未来を舞台に、白い立方体の部屋に閉じ込められた3人の男女の顛末を描いたイギリス発のサスペンス・スリラーです。白い部屋に囚われた女性は室内で拷問を受けながらも、徐々にこの部屋に隠された真実を解き明かしていきます。
監督:ポール・ラシッド 出演者:ショーナ・マクドナルド(エル・クライスラー博士/“ルース”)、オデッド・フェール(ダラン・ザカリアン/ナレク・ザカリアン(二役))、ニコラス・ファレル(エドガー・クライスラー博士)、アムリタ・アチャリア(ルース)、シャロン・モーン(サンドラ)ほか
映画「キューブ:ホワイト」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「キューブ:ホワイト」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
キューブ:ホワイトの予告編 動画
映画「キューブ:ホワイト」解説
この解説記事には映画「キューブ:ホワイト」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
キューブ:ホワイトのネタバレあらすじ:起
英国政府の腐敗に抵抗すべく“英国解放軍(UKLA)”が反乱を起こした近未来。出口もない白いキューブ型の部屋に“ルース”(ショーナ・マクドナルド)と名乗る女性が閉じ込められていました。手首にタトゥーを入れ、左のこめかみに傷を負っている“ルース”はなぜ自分がここに囚われているのか理解できておらず、与えられたチョコレートを口にしながら“謎の声”からの質問に答えていました。
2ヶ月前に総務の仕事に就いた“ルース”は書類を届けようとしたところで意識を失ったと主張、書類の中身まではわからないと答えましたが、“謎の声”は室内の温度をチョコレートが溶けるほどの高温にまで上げたかと思えば極端に温度を下げてきました。
“ルース”が何も答えられずにいると、今度はブレスレットと腕時計の付いた、切り落とされた何者かの手首が送り付けられてきました。それでも何も知らないと答える“ルース”に、次は超音波による聴覚への拷問が加えられました。
“ルース”が事情を話すと告げると、壁のスクリーンに英国解放軍のリーダーであるナレク・ザカリアン将軍(オデッド・フェール)が映し出されました。“ルース”はザカリアン将軍が革命の名のもとに罪なき人々を虐殺していると非難、再び超音波の拷問を受けました。ザカリアン将軍は“ルース”が国家の軍事機密を兵器開発の主任技術者であるエドガー・クライスラー博士(ニコラス・ファレル)に渡そうとしていたことを指摘、“ルース”も宛先がエドガー博士であることを認めるもそれ以上は話しませんでした。
今度は“ルース”は電気ショックの拷問を受け、天井から滴り落ちてきた強酸に焼かれそうになりました。すると部屋の壁のひとつが鏡のように変化、鏡は透明化したかと思うと向こう側から顔が爛れて発狂した女が現れて“ルース”に襲いかかってきました。女もまた“ルース”と同じような拷問を受けた模様で、“ルース”は女の手からもげた指で目を刺して倒しました。
キューブ:ホワイトのネタバレあらすじ:承
この5日前(1日目)。化学兵器開発チームの研究所に総務課からルース(アムリタ・アチャリア)という女性が新たな助手として配属されてきました。実は冒頭で拷問を受けていた“ルース”の正体は開発チームの一員であるエル・クライスラー博士(ショーナ・マクドナルド)であり、ルースの名を騙って白エルの父であり、開発チームのリーダーであるエドガー博士は極度のナッツアレルギーであり、ルースが誤って渡したナッツで危うく発作を起こしかけました。
この研究所ではクライスラー親子と古参の助手サンドラ(シャロン・モーン)、そしてルースで決して口外してはならぬトップシークレットの研究を行っており、研究所内にある白いキューブ型の部屋にはザカリアンが閉じ込められていました。ザカリアンは開発チームの上層部である国家安全保障会議から被験者として研究所に送り込まれたのであり、エルは自ら開発した新薬“アルゴ”をザカリアンに投与する実験を行っており、新入りのルースに様々な薬品や覚醒剤などを説明しました。
“アルゴ”とは精神を高揚させると共に痛覚を鈍感にさせる効果があり、エルは服用した者を人間兵器に変える実験を行っているのです。ザカリアンは“アルゴ”を何度も投与され、常軌を逸した精神状況に追い込まれていました。
2日目。ザカリアンは痛覚の知覚領域を上昇させる実験を受けていました。電気ショックを与えられたザカリアンはエルのことを知っていると口走り、エルは思わずショックの電圧を上げていきました。エドガーは電気ショックの電源を切り、ルースに事情を説明しました。エルは英国政府と解放軍の内乱により、英国軍に入隊した弟と解放軍側についた夫を失っており、解放軍に恨みを持っているのです。
キューブ:ホワイトのネタバレあらすじ:転
3日目。ザカリアンはもはや食事もまともに採れないほどになっていました。国家安全保障会議に呼び出されたエルは新たな被験者を与えられましたが、それはザカリアンの恋人であるアニャ(キャンディス・ネルゴール)でした。ザガリアンの隣の部屋に入れられたアニャは“アルゴ”を投与されたあげく痛覚を検査するために酸で体を焼かれ、その様子を目の当たりにしたザカリアンは怒りを露わにしました。
4日目、そして5日目。エルから報告を受けた国家安全保障会議は満足し、研究を続行するよう命じましたが、ルースは常軌を逸した人体実験に疑問を抱くようになっていました。エルはザカリアンに夫と弟を死なせたことを責め立てると、ザカリアンは死んだ部下のことは覚えていると語り、政府は誰も気にかけてはいないと返しました。“アルゴ”の中毒に陥ったアニャは発狂しており、自分の指をも噛み千切るようになっていました。ザカリアンはエルたちへの復讐を誓いました。
キューブ:ホワイトの結末
エルは“アルゴ”を完成させ、これにて開発チームの実験は一段落を迎えようとしていました。その時、突如としてルースが反旗を翻し、ザカリアンとアニャを安楽死させたうえでこの凄惨な人体実験の全貌を世間に公表すると言い出し、エルのやっていることは復讐だと言い放ちました。激昂したエル博士は手にしたメスでルースの腹を刺してしまいました。
茫然とするエルをよそに、エドガーとサンドラはルースの手当てと後始末をしようとしたところ、ルースは最後の力を振り絞って白い部屋からザカリアンを解放しました。ザカリアンは研究所の“アルゴ”を摂取するとエルに襲いかかり、警護兵を呼ぼうとしたサンドラは殴り倒されました。
エドガーはザカリアンを止めようと後ろから首筋を刺しましたが、痛みを感じないザカリアンは逆にエドガーに噛みついて殺害しました。その時、研究所に解放軍の兵士たちが突入、首筋を刺されていたザカリアンはそのまま息絶えました。
解放軍を率いているのは何と本物のナレク・ザカリアンであり、研究所に被験者として送り込まれたのはナレクの双子の弟であるダラン(オデッド・フェール)でした。アニャは解放軍にとっては邪魔な存在だったということでした。
物語は冒頭に戻り、“ルース”になりすましていたエルは全てを白状して部屋の外に出ました。末期の肺ガンを患うナレクはエルに“アルゴ”を作るよう命じ、父と同じナッツアレルギーであるエルにナッツをちらつかせて研究所を後にしました。解放軍への復讐を誓うエルは“アルゴ”を作るフリをしつつ劇薬を手に取りました。
以上、映画「キューブ:ホワイト」のあらすじと結末でした。
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