奇蹟がくれた数式の紹介:2015年イギリス映画。女神に導かれて公式を直観する天才インド人青年ラマヌジャン。彼を見出したケンブリッジ大学の無神論者の数学者ハーディ。第一次世界大戦を背景に二人の葛藤と友情を描く、事実に基づく物語。
監督:マシュー・ブラウン 出演者:デヴ・パテル (ラマヌジャン)、 ジェレミー・アイアンズ(G・H・ハーディ)、デヴィカ・ビセ(ジャナキ)、トビー・ジョーンズ(ジョン・リトルウッド)
映画「奇蹟がくれた数式」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「奇蹟がくれた数式」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
奇蹟がくれた数式の予告編 動画
映画「奇蹟がくれた数式」解説
この解説記事には映画「奇蹟がくれた数式」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
奇蹟がくれた数式のネタバレあらすじ:1.マドラスからの手紙
インドのマドラスでラマヌジャン青年は就職活動をしていたが、独学で数学を学んだノートを見せても学位がないので皆相手にしてくれない。新婚の妻ジャナキを養わなければならないのに。でも、ようやく港湾事務員の仕事にありつきマドラスに母と妻を呼び寄せることができた。そして上司の勧めでラマヌジャンはマドラスの外の人たちに彼の数学の研究を見せることにする。 ラマヌジャンからの手紙を受け取った一人、ケンブリッジ大学トリニティ・カレッジの数学者G・H・ハーディは最初、共同で研究するジョン・リトルウッドが自分をかついでこんな手紙を作ったのだと思った。だがそうでないことがわかるとラマヌジャンの発見に驚き、彼をトリニティ・カレッジへ招聘する手紙を書く。バラモン階級の人間は海を渡ってはいけない。母はイギリス行きに反対するが、お祈りを忘れないことを誓ってラマヌジャンは旅立つ。妻には後で彼女を呼び寄せることを約束した。
奇蹟がくれた数式のネタバレあらすじ:2.ケンブリッジへ
誰しも戦争を予感していた1914年、ラマヌジャンは初めて訪れたカレッジの門でリトルウッドに出くわす。カレッジの威容を前に立ち止まるラマヌジャンにリトルウッドは、怖気づくことはないと励ます。だがハーディはリトルウッドと違い気難しく、ラマヌジャンと短い挨拶を交わして翌朝研究室で会う約束をするばかりだった。祈りと研究の日々。加えて厳格な菜食主義者のラマヌジャンは自炊を余儀なくされる。偏見を抱く教員の無理解にも耐えなければならない。ハーディはラマヌジャンに証明の義務について説明するが、直感で新しい公式が閃くラマヌジャンにとってそれを理解するのは困難だった。でも、ハーディの助けでラマヌジャン名義の論文がロンドン数学会の会報に載ると小躍りして喜ぶラマヌジャンだった。一方、マドラスでは妻のジャナキが「早く私を呼び寄せて欲しい」という手紙を代筆してもらってラマヌジャンの母に投函を頼むが、母はその手紙を隠してしまうのだった。
奇蹟がくれた数式のネタバレあらすじ:3.戦争
戦争が始まり、リトルウッドは軍の仕事をするためにカレッジを離れる。ハーディら反戦グループは大学上層部から弾圧を受ける。やがて、カレッジ内にも負傷兵を収容するテントが立つ。野菜が配給に回されラマヌジャンは食事に困るようになる。さらに、兵役につく学生から「俺たちは戦地へ行くのに」と暴力を振るわれる。その暴力によるあざにも気を留めないハーディ。ラマヌジャンに証明の大切さを説き続ける。ある日、リトルウッドからの手紙を引いてラマヌジャンの直観を否定したとき、ラマヌジャンの忍耐は限界を超える。「信仰もない、家族の写真もない。先生は何者ですか?」とハーディに詰め寄る。しかし翌朝ラマヌジャンは証明を仕上げひとまず和解する。だが、病気が彼の体を蝕む。結核と診断されたラマヌジャンはハーディに言わないように友人に口止めする。その時ドイツの飛行船による爆撃に遭遇する。ラマヌジャンの目の前に女性の死体が。私は罰を受けているのだろうか。
奇蹟がくれた数式のネタバレあらすじ:4.和解
ついにラマヌジャンは負傷兵たちのテントで倒れてしまう。結核でもう長くはないという診断に絶望して地下鉄線路に飛び込む。運転士が早く気付き命は助かるが、病院へ駆けつけたハーディもラマヌジャンの病状を知ることとなる。ジャナキからの「あなたから手紙が来ない。あなたに見捨てられたので私は兄の元にいる」という手紙にラマヌジャンは絶望を深めるが病室でハーディとの研究は続けられる。ラマヌジャンの天才を世に示すためにハーディは努力を続ける。マドラスでは、母が手紙を隠していたことをジャナキがようやく知る。ジャナキがイギリスに行ったらもう息子は帰ってこないのではと母は恐れていたのだ。そして二人の数学者はようやく打ち解ける。ハーディはラマヌジャンにどうやって公式を発見するのかとたずねる。「ナマギーリ女神が教えてくれるのです」。かつて却下されたトリニティ・カレッジのフェロー(研究員)へのラマヌジャンの推薦を再びハーディは行う。味方を増やすために軍服姿のリトルウッドも会議に呼び寄せる。ついにラマヌジャンはフェローに迎えられる。ようやく戦争が終わる。ラマヌジャンは帰国することになる。一年後にまた会おうと言ってハーディはラマヌジャンを送り出す。その一年後、ハーディはラマヌジャンの死を告げる手紙を受け取る。カレッジで追悼スピーチをするハーディ。彼はラマヌジャンとの仕事を誇らしく思う。
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