シャーロック・ホームズの冒険の紹介:1970年アメリカ映画。名探偵シャーロック・ホームズの活躍を描いたミステリー映画。ホームズと相棒ワトソンの元に現れた記憶喪失の女性。謎の解明に乗り出すホームズは、やがて国家規模の機密に巻き込まれていく。ホームズのほろ苦い恋愛を漂わせた、巨匠ビリー・ワイルダーによるホームズ・ストーリー。
監督:ビリー・ワイルダー 出演者:ロバート・スティーブンス(シャーロック・ホームズ)、コリン・ブレークリー(ジョン・ワトソン)、ジュヌヴィエーヴ・パージュ(ガブリエル・バラドン)、クリストファー・リー(マイクロフト・ホームズ)、モリー・モーリン(ビクトリア女王)ほか
映画「シャーロック・ホームズの冒険」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シャーロック・ホームズの冒険」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「シャーロック・ホームズの冒険」解説
この解説記事には映画「シャーロック・ホームズの冒険」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シャーロック・ホームズの冒険のネタバレあらすじ:記憶喪失の女
医師ジョン・ワトソンの死から50年。銀行に預けられていた彼の遺品が開封されるところから、この映画は始まります。遺品の中にはワトソンの友人シャーロック・ホームズが解決した事件の小説が収められていました。今回語られる事件は、公表されていなかった物語です。――1887年8月。ホームズとワトソンは、ヨークシャーからロンドンの下宿に帰って来ました。留守中ホームズへの依頼の手紙が山となって彼を待っていました。しかし、消えた6人のミゼット(※映画に準拠した表現)の捜索依頼を筆頭に、ホームズの興味をそそる依頼はありません。そんな折、ホームズはロシアバレエ団のプリマから強引に求婚されます。辟易した彼はワトソンと自分は恋仲だと嘘をついて逃げ出し、それを知ったワトソンは大激怒。ホームズはどうやら女性を信用していないようです。そんな2人の下宿に、ある夜辻馬車の御者に連れられたずぶ濡れの女性が訪ねて来ます。テムズ川で溺れていた彼女は記憶喪失に陥っており、ホームズの下宿住所のメモを持っていました。彼女は何者かに殴られた後川に落とされたようだと診断するワトソン。指輪や服装からベルギー人であること、名前はガブリエル、夫の名はエミールだと判明します。2人はひとまず彼女を引き取りました。
シャーロック・ホームズの冒険のネタバレあらすじ:ディオゲネス・クラブ
明け方、寝ぼけるガブリエルからホームズは巧みに情報を引き出します。そして彼女の荷物のありかを掴み、鞄の入手に成功。起床したワトソンと共に、記憶が明瞭になったガブリエル・バラドンから詳しい話を聞きます。彼女は行方不明の夫エミール・バラドンを探すためにロンドンにやって来ました。エミールは「ヨナ商会」に雇われていた技師でしたが、3週間前から連絡がつかなくなっていました。ガブリエルはベルギー大使館からホームズを紹介され、訪ねる道中で何者かに襲われたのです。ホームズたちはまずヨナ商会の住所に行ってみることに。そこはアッシュダウン街の空き店舗でした。侵入すると、中にはカナリアがたくさん入った籠がひとつ。手紙が配達され、車椅子の老婆が部屋に入って来ます。物陰に隠れて息を潜めていた3人は、さらにヨナ商会の関係者だと思われる男たちがカナリアを連れて行くのを目撃します。ホームズは「インバネス新報」という新聞に着目。老婆も男たちも出て行った部屋には手紙が置かれたままでした。その手紙はホームズ宛で、差出人は彼の兄マイクロフト・ホームズ。ホームズとワトソンは、マイクロフトが所属するディオゲネス・クラブに足を運びます。待ち受けていたマイクロフトはエミールの件から手を引けと忠告します。尻込みするワトソンとは対照的に俄然やる気になったホームズは、マイクロフトの口から出た「グレンナフーリック」「城」というキーワードをヒントにインバネスへと向かうのでした。
シャーロック・ホームズの冒険のネタバレあらすじ:ネス湖の怪物
ホームズとガブリエルはアッシュダウン夫妻、ワトソンはその従者と偽ってインバネスへ向かいます。移動する汽車の中で、ワトソンは「ヨナ書」を読みふける謎のトラピストたちと出会いました。インバネスに到着した3人がグレンナフーリックに向かうと、そこは墓地でした。ちょうど新しい3つの棺が埋葬されています。旅行者の父親と2人の息子がネス湖で溺死し、それはネス湖の怪物の仕業だと噂されていました。墓堀人が去った後、4人のミゼットが先ほどの墓に花を供えていきました。ホームズは捜索依頼が来ていた6人のミゼットだと考え、死亡したのは子どもではなく彼らの内の2人だと推理します。夜を待って墓を暴くと、大きな棺にはエミールの遺体が納められていました。一緒に白いカナリアが入っており、銅の指輪が緑色に変色しています。3人はネス湖近くのホテルに宿泊。指輪の変色と白いカナリアから、エミールの死因を溺死ではなく塩素ガスによる窒息死だと断定するホームズ。今度は「城」を探すことにしました。
シャーロック・ホームズの冒険のネタバレあらすじ:怪物の正体
3人は修理工事中の城を見つけます。追い返そうとするガイドに不信感を持ったホームズが調べてみると、城の中にカナリアと硫酸が運び込まれていました。夜、3人はネス湖にボートを浮かべ城を見張ります。そこで謎の物音を聞いたホームズ。大きく揺れる水面から、怪物が姿を現します。驚く3人を尻目に怪物は城の中へと消えていきます。ホテルへ帰ったホームズは、あの怪物は人工物であること、ガイドたちはディオゲネス・クラブのメンバーであると推理します。そこへ男が1人訪ねて来ます。男はホームズに1人で城へ来るよう言います。城で待っていたのはマイクロフトでした。兄を前にホームズは推理を披露します。怪物は新型の潜水艦、ミゼットたちは乗組員、そしてカナリアは硫酸ガスの検知に使われている。国家機密を言い当てたホームズに、マイクロフトは意外な真実を語ります。ガブリエル・バラドンは3週間前に殺害されていました。ホームズたちの前に現れたガブリエルは、イルゼ・フォン・ホフマンスタールというドイツのスパイだったのです。彼女はホームズを利用し、エミールが発明した新型エアポンプについて探っていたのでした。そこへビクトリア女王がやって来ます。模擬操船を見学していた女王でしたが、潜水艦は卑劣な兵器だと言って激怒し去ってしまいます。潜水艦をどうするのか聞くホームズに、マイクロフトはドイツに譲ると言い出します。そのための段取りはホームズに一任されました。
シャーロック・ホームズの冒険の結末:ほろ苦い別れ
ホテルに帰ったホームズはイルゼの正体を暴きます。ホテルの外には汽車で出会ったトラピストたちがいました。彼らはイルゼの仲間で、彼女は日傘を使ったモールス信号で指示を出していたのです。ホームズは彼女の日傘を使い、トラピストたちに潜水艦の場所を教えます。彼らが乗り込んだ潜水艦は、ボルトが意図的に緩められていたために爆発して沈んでしまいました。離れがたい雰囲気を醸しながらも避けられないイルゼとの別れ。連行されるイルゼの後ろ姿を見つめるホームズに、彼女は日傘で「また会いましょう」とメッセージを送るのでした。季節は巡り、ある冬の日にマイクロフトからホームズに手紙が届きます。それはイルゼが潜入していた日本で逮捕され、銃殺されたという知らせでした。彼女は日本で「アッシュダウン夫人」と名乗っていたそうです。ショックを受けたホームズは自室へと去ります。ワトソンは事件を書き留めるためペンを執り、この映画も終わりを告げます。
以上、映画シャーロック・ホームズの冒険のあらすじと結末でした。
11歳の時、父とこの映画見ました。当時は子どもでわからなかったことがよくわかります。ストーリーも良く練られていて傑作です。