100日間のシンプルライフの紹介:2018年ドイツ映画。スマホ依存症のパウルとコンプレックスの塊のトニーは幼馴染で、アプリ開発事業を共同で経営している。業績も順調で2人は自身の欲求を満たす多くのモノに囲まれた生活を送っていた。そんなある日、2人は些細なことから大金をかけた勝負をすることに。それはすべての家財道具を倉庫に預け裸一巻で所持品ゼロの状態から1日1つずつ必要なものを取り戻し、100日間生活をするというもの。どちらが先に脱落するか、それはとんでもない勝負だった。しかしこの勝負を通じて、次第にモノに依存していたことに気付き始める2人。100日目を迎えたときに、本当に大切なモノが見えてきた。
監督:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ 出演:フロリアン・ダーヴィト・フィッツ(パウル・コナスキー)、マティアス・シュヴァイクホファー(トノー・カッツ)、ミリアム・シュタイン(ルーシー)、ハンネローレ・エルスナー(レナーテ・コナスキー)、ヴォルフガング・シュトゥンフ(ヴォルフガング・コナスキー)、カタリナ・タルバッハ(オマ・コナスキー)、ヨハネス・アルマイヤー(ロニー)、サラ・ヴィクトリア・フリック(ベティ)、マックス・ブレトシュナイダー(マイク)、マリア・フルトヴェングラー(アントニッタ・ケルヒャー)、アルチョム・ギース(ダーヴィト・ザッカーマン)ほか
映画「100日間のシンプルライフ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「100日間のシンプルライフ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
100日間のシンプルライフの予告編 動画
映画「100日間のシンプルライフ」解説
この解説記事には映画「100日間のシンプルライフ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
100日間のシンプルライフのネタバレあらすじ:起
Day1
片時もスマホを手放すことができないパウルとコンプレックスの塊のトニー。2人は幼馴染で、小さな会社の共同経営者でもありました。現在はパウルが開発した、持ち主にマッチした人格を搭載したAIアプリ「NANA」を売り出すことに尽力していました。
アメリカ企業へのプレゼンの日。「人を幸せにする存在」と熱弁をするトニーに対し、「消費者の詳細なデータを収集できる」と、パウルに内緒で取集した彼のデータを提示しました。これまでに何も知らずにNANAが勧めた商品をすべて購入していたパウルは激怒しましたが、そのやり取りをWEBカメラで観ていたIT長者のザッカーマンが400万ユーロでNANAを購入すると申し出ました。
まさかの大勝利に薄給で働いている社員たちも大喜び。さっそく会社ではパーティが開かれましたが、買い物依存症に仕立て上げられたパウルの怒りは収まりません。2人は大喧嘩の末、「自分の所有物を全て倉庫にぶちこみ、1日1個だけ必要なものを取り出せる」という賭けをすることになってしまいました。期間は100日間。その間は何も購入することができず、先にギブアップしたほうが利益の半分を社員に譲渡するという条件です。
翌朝、何一つない部屋で目覚めた2人は激しく後悔しましたが、すでに後にひけない状態になっていました。仕方なく雪が降る街を全裸で疾走し倉庫に滑り込んだ2人。パウルはコート、トニーは寝袋を手に入れました。
2人は倉庫でミステリアスな女性に遭遇しました。
100日間のシンプルライフのネタバレあらすじ:承
Day2
朝からパウルの両親が訪ねてきました。裸にコートのパウルと寝袋から手足を出したトニーを見て驚いた母レナーテに、ことの経緯とルールを説明するパウル。レナーテはあきれて、「旅行の間おばあちゃんの様子を見に行ってほしい」と頼み事を託し、少年時代に居候していたトニーと一緒に向かいました。
Day3
パウルとトニーの出勤に社員たちから声援のエールを送られました。社員たちにとっても大金がかかっている重要な勝負です。2人はそんな応援に目もくれず真っ先に冷蔵庫へ走ります。ルールでは会社にある食料は口に入れてもOK。食料を奪い合うように食べ続けました。
Day4~6
毎夜倉庫で1つずつアイテムをピックアップする2人。トニーは4日目にシャツ、5日目にブリーフ、6日目にマットレスを手に入れ、ようやく寝袋生活から解放されて久々に深い眠りにつくことができました。一方パウルは4日目にニット帽、5日目にスニーカー、そしてついに6日目にしてスマホを持ち帰り、愛するNANAとの再会を喜びます。しかし喜んだのも束の間、すぐ充電がなくなってしまいました。
100日間のシンプルライフのネタバレあらすじ:転
Day7
レナーテから祖母オマの様子見を依頼されていた2人でしたが、勝負に没頭するあまり、すっかり忘れてしまいました。慌てて様子を見に行った2人に、祖母は無事元気な姿を見せてくれました。「恋人はいるの?」と聞く祖母に「パウルは失恋引きずっている」と答えるトニー。それがきっかけで言い合いが始まり「個性的ないい女はお前に近づかない」と言い返すパウル。夜になり、2人がいつもの通り倉庫でモノを物色していると、初日に見かけたミステリアスな美女が声をかけてきました。「デートをしないか?」と誘うトニー。それは彼女のことが気になっていたわけではなく“個性的ないい女”を射止めてパウルを見返すためでした。
Day8
トニーと謎の美女ルーシーの初デート。古いコンタクトを付けていたせいで目が真っ赤になってしまったトニーはサングラスにブリーフという姿で彼女を出迎えました。味気のない簡素な料理とワインと楽しむ2人。しかし、トニーの目は悪化。良いムードで応急処置を受けていると、パウルが慌ただしく乱入し台無しに。それでも最終的には身体を重ねることができました。
Day9~
パウルは祖母の家で昔話を聞いていました。モノがあふれていても幸せを実感できていない本音を吐露しました。
一方トニーはルーシーの倉庫に初めて入れてもらいました。そこには膨大な数のブランド服とアクセサリーが整然と陳列されていました。「もっと会いたい」とささやくトニーに、ルーシーは言いました。「互いのことを一切詮索しないという条件でなら」と。
100日間のシンプルライフの結末
Day99
ルーシーは重度の買い物依存症でした。自分のクレジットカードだけでは足りず、友人からお金を盗みほとんどの友人を失っていました。彼女をめぐる勘違いからトニーがパウルを殴ったことで2人の仲は最悪の状態になってしまいました。トニーが誤解に気付いたときにはすでにパウルは姿を消していました。しかし、油漏れのひどい彼の車の痕跡を辿っていくと、近くの湖でソロキャンプをしているだけでした。初めて本音でぶつかり合う2人は、気が済むまで言い合い、やっと本当に大切なものに気付くことができました。勝負は終わりました。
社員たちに結果報告をする2人は、共に負けを宣言しました。会社に入るお金は社員全員で分配することにしました。誰もが喜び浮かれていたそのとき、一斉に全員のスマホにニュースが入りました。なんとザッカーマンが無断でNANAをリリースしていたのです。鮮やかに出し抜かれたことに唖然とする社員一同。全てを失った2人を残し、社員たちは荷物を持って次々に会社を出ていきました。
地位も富も失った2人でしたが、心は晴れやかでした。
後日、トニーは「自分には欠点がたくさんある」とルーシーにありのままを告白し、本当の愛を手に入れました。
そして、ザッカーマンにも負けてばかりではいませんでした。パウルは商品の権利を譲渡する際にこっそりNANAを利用した全ての人に「データは収集されている。これから先は自分で判断する時代だ」とメッセージを流すようプログラムを仕組んだのでした。
そして、NANAから起動するための呼び出し音が鳴りました。
以上、映画「100日間のシンプルライフ」のあらすじと結末でした。
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