20センチュリー・ウーマンの紹介:2016年アメリカ映画。1979年の南カリフォルニア。ドロシアの息子のジェイミーが思春期を迎える。女一人の子育てに不安をもった彼女は二人の若い女性に助けを求める。進歩的で、自由に生きてきたドロシアも若者との考え方の違いやフェミニズムの台頭にとまどう。ドロシアは監督のマイク・ミルズの母親を基に作られたキャラクター。
監督:マイク・ミルズ 出演者:アネット・ベニング(ドロシア)、エル・ファニング(ジュリー)、グレタ・ガーウィグ(アビー)、ルーカス・ジェイド・ズマン(ジェイミー)、ビリー・クラダップ(ウィリアム)
映画「20センチュリー・ウーマン」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「20センチュリー・ウーマン」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
20センチュリー・ウーマンの予告編 動画
映画「20センチュリー・ウーマン」解説
この解説記事には映画「20センチュリー・ウーマン」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
20センチュリー・ウーマンのネタバレあらすじ:起
1979年のカリフォルニア州サンタバーバラ。スーパーマーケットの駐車場で古い自動車が炎上している。それは息子のジェイミーと買い物に来ていたドロシアの愛車だった。消火してくれた消防士をドロシアは自分の誕生パーティーに招待する。もっとも、火を消してもらったからといって消防士を誕生日に普通招待しはしないとジェイミーは言うのだが。ドロシアは40歳の時に産んだジェイミーと暮らしている。ジェイミーの父親とは離婚している。ある会社で製図の仕事をしている。少女のころからハンフリー・ボガートが大好きだった。そして煙草を手放せない。大きな家を手に入れたので二人の間借り人を置いている。ニューヨークで写真を学んだが子宮頸ガンが見つかって故郷のサンタバーバラに帰ってきて、でも母親と折り合いが悪くなったアビーと、ヒッピーのコミューンにいたが高学歴の仲間になじめずに去ったウィリアムだった。家の修理・改造を頑張ってくれる彼はジェイミーの父親代わりになってくれるとドロシアは期待していたが、ジェイミーは、材木にしか関心のない男とみなしてウィリアムに興味をもたなかった(実は、ウィリアムは常に女性にもててセックス相手に事欠くことのない男だった)。一方、アビーはパンクロックへの愛をジェイミーと共有していた。そして近所に住むジェイミーの年長の幼なじみジュリーが家に入り浸っていた。彼女は夜になるとこっそりジェイミーの部屋に忍び込んでジェイミーの隣に寝るのだが、彼とはけっしてセックスはしないことにしている。セラピストで、ジュリーにグループセラピーへの参加を義務付ける母親や他の家族とうまくいっていない。そして男友達と次々とセックスをしていた。
20センチュリー・ウーマンのネタバレあらすじ:承
友達の間ではやっている「気絶ごっこ」でジェイミーが意識を失ってしまう。幸い近くにジュリーがいて、ジェイミーは病院に運ばれて事なきを得る。しかし、ジェイミーのことがわからなくなってきたドロシアはアビーとジュリーを集めてジェイミーを助けてくれるように頼む。若い二人ならジェイミーのことが理解できると期待したのだ。だが、それを知ったジェイミーは気分がよくない。友人がロサンゼルスにロックコンサートに行くのにくっついていき帰りが遅くなってドロシアを心配させる。帰宅したジェイミーの部屋に例によって忍び込んだジュリーは、友達とセックスしたときに膣内に射精されてしまったから妊娠したかもしれないと心配事を話す。
20センチュリー・ウーマンのネタバレあらすじ:転
アビーの子宮頸ガンの手術後の検査の結果が出る日、ジェイミーはアビーに付き添う。ガンは見つからなかったが、子供を授かるのは難しいとアビーは医者に言われる。ジェイミーは病院待合室の雑誌で読んだ妊娠検査薬を買う。それを使ってジュリーは妊娠していないことがわかった。ドロシアは現代の世界を知るためにアビーにパンククラブに連れて行ってもらう。ある朝ジュリーがジェイミーの部屋に忍び込んでいることに気づいて、彼女を自動車の中に誘って二人だけで会話をする。また、ウィリアムからは陶芸作品を見せてもらうのだった。ジェイミーは、異性への関心と並行して、アビーに貸してもらった本を読んでフェミニズムに関心をもち始める。いっしょにスケートボードをする仲間が女性を敬わないのに腹を立てて喧嘩になってしまう。ある晩、ドロシアは友人たちを集めてディナーをする。その時アビーが「生理」ということばを皆の前で使ったのをドロシアはとがめるが、アビーはそれが気に入らず居並ぶ男たちに”menstruation”(生理)と正しいアクセントで発音させる。続いて調子に乗ったジュリーが「私の初体験は14歳の時」と口走ってしまう。
20センチュリー・ウーマンの結末
ディナーでの発言のせいでジュリーとジェイミーの関係は壊れかけるが、仲直りして二人は海岸へと旅に出る。モーテルでジェイミーはジュリーとのセックスを期待するが、ジュリーはジェイミーのことは好きでもセックスは絶対しないと言う。がっかりしたジェイミーはモーテルを出て歩き始める。ジェイミーが行方不明だという連絡を受けてドロシア、アビー、ウィリアムがモーテルに来る。幸いジェイミーは帰ってきていた。ドロシアはジェイミーと二人きりで話す。ジェイミーは、ドロシアがアビーとジュリーに助けを頼んだと聞いたときに、ドロシアが自分を育てるのを放棄したのだと彼が感じたことを言う。母子はわだかまりがとけて親密な時間を過ごす。5人は間もなく別々の人生を歩むことになる。ジュリーはニューヨーク大学に進学してドロシアやジェイミー、母親とも疎遠になる。そしてパリに移り住む。ウィリアムはアリゾナで陶芸家になる。サンタバーバラで写真家として活躍し続けるアビーは、結婚し、医師の忠告に逆らって二人の子供をもうける。ドロシアは生涯の伴侶を得て幸せになるが1999年にガンで亡くなる。その数年後に子供ができたジェイミーはおばあちゃんがどんな人だったか子供に説明するのに困ってしまう。
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