映画「さざなみ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
さざなみの紹介：2015年イギリス映画。人生の長い時間を、愛し合い、支え合ってきた熟年夫婦。しかし結婚45周年を迎える直前、夫に届いた一通の手紙によって、夫婦の仲に決定的な亀裂が生じてしまう。妻の嫉妬と苦悩の行きつく先はどこにあるのか。シャーロット：ランブリングとトム・コートネイの２大名優が、第65回ベルリン国際映画祭で主演女優賞と主演男優賞をダブル受賞したという話題作。
監督：アンドリュー・ヘイ 出演者：シャーロット・ランプリング（ケイト・マーサー）、トム・コートネイ（ジェフ・マーサー）、ジェラルディン・ジェームズ（リナ）、ドリー・ウェルズ（サリー）、デヴィッド・シブリー（ジョージ）、ほか
この解説記事には映画「さざなみ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
イギリスの静かな田舎町で、夫のジェフと暮らすケイト。２人の間に子どもはなく、穏やかで平和な生活を営んでいました。ある月曜日、愛犬マックスと朝の散歩から戻ったケイトは、キッチンで一通の手紙を読んでいるジェフを見つけます。それはスイス警察からで、ジェフの昔の恋人の遺体が、50年以上も経った今ごろ雪山で発見されたという知らせでした。恋人の名前はカチャ。手紙には、カチャが凍ったままで見つかったと書かれていました。ジェフは、はるか遠い恋人との過去に思いを馳せます。ケイトは、そんな夫の姿に気分を害します。土曜日には、２人の結婚45周年記念のパーティを開く予定なのです。
パーティ会場の下見や準備に忙しい時間を過ごすケイトですが、ジェフはすっかりカチャとの思い出に捕らわれてしまいます。下見が終わったケイトは、町中から家に電話をかけますが、ジェフは出ません。家に戻ると、昔に聴いた懐かしい曲がかかっています。ジェフがカチャと付き合っていたのは、ケイトと出会う前のこと。だから全く気にしないわと笑うケイトでしたが、心の奥ではそうは思っていません。夜、ベッドに入っても、カチャとの最後の別れをえんえんケイトに語って聞かせるジェフ。彼は、カチャとさまよった山、美しい景色、そして死ぬ直前の彼女の悲鳴を、鮮明に覚えていたのです。ケイトは聞きます。「彼女はブロンド？」。そして、疲れたわと眠りにつきます。
火曜日、ジェフが珍しく図書館へ行きます。氷河期のことを勉強したいと言うのです。ケイトは、女友達とパーティのドレス探しに向かいますが、ちっとも気分は晴れません。その夜、ジェフとケイトは昔話に花を咲かせ、ダンスをしてふざけあい、ベッドで愛し合います。真夜中、ケイトが目覚めるとジェフの姿がありません。彼は屋根裏にこもり、カチャの写真を探していたのです。怒りと嫉妬がケイトを襲います。水曜日、ジェフが煙草を吸うようになり、翌日に控えた職場のOB会にも行きたくなさそうです。その夜、ベッドの中でケイトはジェフに問いかけます。「彼女が死ななかったら、私と結婚した？」。ジェフは答えました。「彼女と結婚していた」。
木曜日、ジェフがOB会に出掛けて留守のあいだ、ケイトは迷った挙句に屋根裏に上がります。そして、カチャがまっすぐこちらを見つめている写真を何枚も見つけます。その夜もまた、ジェフは屋根裏に消えました。金曜日、ケイトが目覚めると、「町へ行く」とメモを残してジェフの姿がありません。ケイトは、町の中で夫の姿を探して回ります。ふと思いついて入ったのは、過去に使った旅行会社。ケイトの予想通り、ジェフはスイスへ行こうとしていました。帰宅したジェフを、ケイトが責めます。「彼女の匂いが家をとりまいてるわ！」。ジェフは誤解だよとうろたえます。そして翌日。立派な会場で大勢の友人知人が、ジェフとケイトの45周年を祝います。ジェフは「君と結婚できたことは、人生で最高の決断だ。愛してる」とスピーチします。微笑むケイト。夫婦は、結婚式で流した曲に合わせて、みんなの前でダンスをします。寄り添い揺れる２人。しかし曲が終わった時、ジェフの笑顔とは反対に、ケイトはつないだ手をふりほどいたのでした。
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