オーロラの紹介:2006年フランス映画。踊りを禁じられた国で踊りを愛した姫の恋物語を、パリ・オペラ座のエトワールとオペラ座付属学校の新星で綴る。
監督:ニルス・タヴェルニエ 出演:マルゴ・シャトリエ(オーロラ姫)、ニコラ・ル・リッシュ(画家)、キャロル・ブーケ(王妃)、フランソワ・ベルレアン(王)、カデル・ベラルビ(アブダラ王子)、ほか
映画「オーロラ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「オーロラ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「オーロラ」解説
この解説記事には映画「オーロラ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
オーロラのネタバレあらすじ:踊りを禁止した国の姫
とある踊りを禁止した国の姫オーロラはダンスをするのが好きで、弟のソラルも姉がダンスをするのを見るのが好きだった。ある日、二人は罠にかかった白い鷲を逃がし、オーロラが庭で踊っているのを城から双眼鏡で見ていた王は、王妃にやめさせるよう苦言するように言うと、王妃はそろそろ踊る事の禁を解いてもいいのではと返ってきた。側近の一人が王に、この国の財政が厳しい、干ばつと洪水で農民から税が取れず、売る財宝も残っていない、若者はみんなこの国から出て行って踊り呆けている。頭を抱える王に、姫を政略結婚させてはどうかと持ち掛る。しかし、いい縁談がないという王は、舞踏会を開こうと決めた。金庫番の側近は財政的に二回なら開けると答えた。踊った罰に夕飯を抜かれた姉のために弟のソラルは調理場から料理を運んだ。オーロラは、今度は見つからないように森で踊ると言った。次の朝、王妃は舞踏会が開かれる事ことを話した。そこで踊るのはメヌエットで、早速踊りを教わるオーロラだったが彼女にメヌエットは簡単で教師は教えることは何もない、昔の王妃の才能を受け継いでいると言った。舞踏会に呼ぶ王子へ送る肖像画を描くためにドレスを着つけている間、姫は昔の話をする侍女にどうして舞踏会がなくなったのか聞いたが答えはなかった。画家のバンジャマンは、踊りが好きゆえに椅子に座っていられない姫のために、線だけ描き色はあとでいいからと姫を解放した。姫が色を覚えていられるのか尋ねると、目の色や髪の色を細かく答え画家は帰っていった。王は準備が進むにつれ、政略結婚で娘を売るような真似はできないと再び側近に相談した。しかし税を上げるわけにもいかず、残る手立ては戦争で他の国の富を奪う事。しかし中立国であるのでそれもできず、舞踏会を開き、姫を結婚させると言う道しか残っていなかった。
オーロラのネタバレあらすじ:結婚相手探しのための舞踏会
一回目の舞踏会に招かれたのはアブダラ王子。彼の連れた踊り子たちはアラビア風の踊りを披露したあと、姫とメヌエットを踊っている最中に自国の事を話すが、姫は興味が持てず途中で退席してしまった。王子はその無礼を怒った。そのころ姫は弟にきついドレスを脱がしてもらい、森の中でさっき見た踊り子たちの踊りをまねて踊り、弟と泉に入った。それを画家のバンジャマンは見ていた。 城から望遠鏡で姫の様子を見ていた王は、王妃に姫の踊り好きは遺伝かと怒った。王妃は舞踏会で姫の結婚が決まらなかったことを怒る王に、政略結婚のための舞踏会だったと気づき、姫には好きな人と結婚させたいそうでなければ王の計画を阻止すると決めた。そして、姫に、舞踏会を催すのは踊りをして恋をするためなのだと説いた。一方金庫番の側近は、自分の計画の邪魔者を消すための毒薬を手に入れ、王妃が食べるブドウに振りかけた。次の舞踏会のために再び肖像画を描くことになると、本当の自分を示すために姫は画家の前で踊った。王妃がそれを外から見ていることに気づいた弟は、城まで一緒に帰る時に自分は画家になりたいと王妃に打ち明けた。しかし王妃は毒が回り具合が悪くなってしまう。王妃は王を部屋に呼び、愛のない結婚はさせないでと頼んだ。しかし王は金持ちの王子の所に嫁がせると言って譲らなかった。画家の気持ちに気づいていた弟は、画家には舞踏会に出る資格がないと言う彼に、仮面をつけて出るように進言した。二人は城の屋根裏にめぼしい洋服を探しに行くとそこで踊り子の衣装を見つけた。そして、王妃が臥せったまま、次の舞踏会が開かれた。 二回目に招かれたのはジパンゴからの王子。彼の連れた踊り子たちは動く石膏像の様なモダンな踊りを披露し、姫を嫁にもらえるなら富の半分を差し出すと言われる。やはり途中で退出した姫は、広間の隅で仮面をした画家と王子に出会う。そして、そのまま、王妃の下へ行き、結婚は嫌だと嘆いた。王妃は姫に、愛する人の前でつけなさいきっと添い遂げられるからと、思い出のネックレスを渡し、悲しい時も踊る事を忘れないこと、弟ソラルの事を遺言に残し息を引き取った。
オーロラのネタバレあらすじ:今は亡き王妃の血を継いだ姫
王妃の死に打ちひしがれる王に、側近はもう金庫は空、ヌシャトーの王子と結婚させるのが最後のチャンスだと進言した。 侍女は姫に、なんでも踊りこなしていた母が王に見初められ、踊り子は王妃になれても、王妃は踊り子になれないと言う事を理由に、踊りの誘惑をなくすために舞踏会を禁じ、王妃はそれを愛の証として受け入れ、自分の衣装を捨てたと話した。 それを聞いていた弟は姫を屋根裏に連れてゆき、隠されていた衣装と靴を取り出す。そして画家の前に現れた姫は、母のトウシューズで踊った。それを見ていた側近は、王と兵を連れてアトリエへ入り姫は部屋へ、画家は牢獄に入れるように王は言った。しかし、そこに残された踊り子の衣装を、王は捨てることはできなかった。 最後の舞踏会が開かれる前に、姫は弟に画家のとらえられている先を見つけるようにと言いつけ、ヌシャトーの王子の踊り子たちが踊り終わると、呼びに来たソラルとともに中座した。地下牢で王子が牢番の気を引いている間に、画家のいる牢獄の前で姫が形見のネックスをつけると、牢の扉が開いた。しかしそこにやってきた王に見つかってしまう。結婚を迫られていた姫はヌシャトーの王子に、「私は別の人のものです」と答えた。怒った王は、画家は明日処刑すると決めた。結婚がことごとく失敗に終わった所で、側近は自分には貯えがと言って自ら姫との結婚を申し出た。
オーロラの結末:空の上で踊るのは三度まで
その夜、画家は森へ逃げるが、バルコニーから姫が見守っていると、息絶えた彼を乗せた馬が帰ってきた。絶望していた姫は、明け方、雲の上に吸い込まれていった。そこには画家がいて、二人は雲の上で踊った。その話を弟に話すと、その夜、以前助けた鳥の妖精がやってきて、雲の上へ三回行ったらもう戻れなくなってしまうと姫に忠告した。母親の遺言で弟が成長するまでと決めた姫は、次の夜もう一度雲の上へ行くと、それからは雲の上へ行くことを我慢した。 ある夜、妖精がやってきて側近が横領をして姫と結婚する気だという事、そして軍を買収して国を乗っ取るつもりだという事を姫と弟に話した。それを聞いた王は側近のいなくなった金庫で毒の瓶を見つけた。王が側近を森の中で追い詰めると、首を絞められてしまう。その側近に姫が火をつけると、彼は森の奥へ逃げて行った。 平和が訪れた王国で、姫の弟は絵の練習をし、王に自分の王国を見つけに行くといって、一枚の絵を渡した。それは踊る在りし日の王妃の姿だった。そして弟を踊りながら見送った姫はやがて雲の上へ上っていく。王は望遠鏡でそれを見守った。
オーロラのレビュー・感想:映画作品として、バレエ作品として。
この作品は話の筋は、舞踏会などダンスメインのパート、主人公カップルが踊るパート、いわゆる白いバレエ(ロマンチックバレエ)を思わせる白を基調とした舞台など、バレエの伝統を保ちつつ、屋外やフランスの古城を使ったロケや、セリフ劇のパートなど映画的な要も同時に持ち合わせている。そして、舞踏会の場面では古典的なダンス、異国のダンス、そしてジパンゴの国のダンスではモダンと、まるでオペラ座のレパートリーをそのまま見ている気分になる。
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