アンヴィル!夢を諦めきれない男たちの紹介:2009年アメリカ映画。1970年代にカナダで結成されたベヴィメタルバンド「アンヴィル」。ブレイクすることなく時代の流れに取り残されツアー動員にも苦戦するバンドが、決して諦めることなく自分たちの音楽に邁進していく姿を、彼らに影響された大物アーティストのインタビューを交えながら描いたドキュメンタリー。
監督:サーシャ・ガヴァシ 出演:スティーヴ・リップス・クドロー(アンヴィル)、ロブ・ライナー(アンヴィル)、ラーズ・ウルリッヒ(メタリカ)、スラッシュ(ガンズ・アンド・ローゼス)、レミー・キルミスター(モーターヘッド)ほか
映画「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち」解説
この解説記事には映画「アンヴィル!夢を諦めきれない男たち」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アンヴィル!夢を諦めきれない男たちの予告編 動画
アンヴィル!夢を諦めきれない男たちのネタバレあらすじ:起
1973年、カナダでヴォーカル兼ギターのスティーヴ・”リップス”・クドローとドラムスのロブ・ライナーを中心に結成されたハヴィ・メタル・バンド「アンヴィル」。彼らは1984年に日本・西武球場にて行われた「スーパー・ロック・フェスティバル」に参加すべく来日します。このフェスティバルに出演したボン・ジョヴィやホワイトスネイク、スコーピオンズなどはやがて世界的なビッグバンドにのし上がっていきましたが、出演バンドの中で唯一ブレイクすることがなかったのはアンヴィルでした。メタリカのラーズ・ウルリッヒやガンズ・アンド・ローゼスのスラッシュなど大物ミュージシャンに影響を与え、モーターヘッドのレミー・キルミスターなど大ベテランに一目置かれながらも、アンヴィルはこれといったヒット曲に恵まれず、その後約30年間に渡って地元カナダを中心に細々と活動を続けていました。
アンヴィル!夢を諦めきれない男たちのネタバレあらすじ:承
アンヴィルのメンバーは音楽活動だけでは食べていけず、給食センターに勤めるリップスは市内各地の学校に車で給食を運搬する日々を送り、ロブは大工仕事や工事現場で生計を立てていました。地元のライブハウスで常連客を相手に定期的にライブを行う日々を送っていたアンヴィルの元に、マネジャーからヨーロッパでのライブツアーの話を持ち掛けられます。これぞチャンスと期待を膨らませてヨーロッパに降り立ったメンバーを待ち受けていたのは、閑古鳥が鳴く各地の会場とマネジャーやライブハウス側の不手際によるトラブルの数々でした。ツアー序盤こそ有名バンドとの対バンでそこそこ動員を稼いではいましたが、次第に客足は減っていき、1万人収容の会場ではわずか200人にも満たない不入りを記録したこともありました。ツアー中、リップスはかつて同じフェスティバルに出演していた世界的ギタリストのマイケル・シェンカーと再会しますが、マイケルはアンヴィルのことをすっかり忘れてしまっていました。道を間違えて遅刻してしまい、ライブハウスのオーナーとギャラを巡って対立するなど、結局このヨーロッパツアーで得たものは何ひとつもありませんでした。
アンヴィル!夢を諦めきれない男たちのネタバレあらすじ:転
失意のうちにカナダに帰国したアンヴィルは、人気が出ないのは今まで発表してきたアルバムの出来にあると考え、次回作は一発奮起して大物プロデューサーと組もうと計画します。白羽の矢を立てたのは、かつてアンヴィルのデビュー作をプロデュースしたこともあり、ジューダス・プリーストやゲイリー・ムーアなど大物アーティストのプロデュースを手掛けてきたクリス・タンガリーディスです。アルバム制作には多額の製作費がかかるため、リップスは姉から金を借りるべく訪ねます。リップスの姉は弟の成功を願い、涙ながらに製作費を貸す決断をします。ようやく製作費を工面したメンバーはクリスの住むイギリスに渡り、クリスが所有するスタジオでレコーディングに入ります。アルバム制作は難航を極め、時には音楽の方向性を巡ってメンバー同士が衝突、レコーディングが一時中断する事態にもなりました。難産の末にようやくアルバム「This Is Thirteen」が完成、カナダに帰国したメンバーはレコード会社やラジオ局に売り込みを展開するも、世間の関心は相変わらず低いものでした。
アンヴィル!夢を諦めきれない男たちの結末
ある日、リップスの元に一本の電話が入りました。受話器の向こうの声の主は日本のコンサートプロモーターで、数万人規模動員のロックフェスティバル「LOUDPARK(ラウドパーク)」への出演依頼でした。かくして約四半世紀ぶりに日本の土を踏むこととなったメンバーの胸中には期待と不安が入り混じっていました。アンヴィルの出演はフェスティバル初日のしかもトップバッターである事を告げられ、益々不安と緊張が募ります。そしてライブ当日、メンバーを待ち構えていたものは、熱狂的に出迎えてくれた大観衆の万雷のような歓声でした。売れなくても一度も解散することなく、ひたむきに音楽に向き合ってきたメンバーの努力と苦労がようやく実を結ぼうとしていました。
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