シング・ストリート 未来へのうたの紹介:2015年アイルランド,イギリス,アメリカ映画。「ONCE ダブリンの街角で」や「はじまりのうた」のジョン・カーニー監督が、80年代のアイルランド・ダブリンを舞台に描く、半自伝的な青春ストーリー。両親の離婚や学校でのいじめに悩む高校生コナーが、友人たちとロック・バンドを組むことで成長していく。劇中で演奏されるバンドの楽曲をはじめ、デュラン・デュラン、ザ・キュアー、ザ・ジャムなど、当時のヒット・ナンバーが満載。マルーン5のアダム・レヴィーンが歌う挿入歌も、大きな話題となった。
監督:ジョン・カーニー 出演者:フェルディア・ウォルシュ=ピーロ(コナー)、ルーシー・ボイントン(ラフィーナ)、ジャック・レイナー(ブレンダン)、マーク・マッケンナ(エイモン)、ベン・キャロラン(ダーレン)、パーシー・チャンブルカ(ンギグ)、エイダン・ギレン(ロバート)ほか
映画「シング・ストリート 未来へのうた」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シング・ストリート 未来へのうた」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
シング・ストリート 未来へのうたの予告編 動画
映画「シング・ストリート 未来へのうた」解説
この解説記事には映画「シング・ストリート 未来へのうた」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シング・ストリート 未来へのうたのネタバレあらすじ:起
1985年、アイルランドのダブリン。大恐慌による不況の波は、高校生コナーの家にも押し寄せていました。父親は失業し、母親も週3回のパート勤めのみ。コナーは、今よりも学費の安いカトリック系高校への転校を余儀なくされます。転校先となったシング・ストリート高校は、煙草や飲酒、いじめもはびこる劣悪な環境でした。登校1日目にしてコナーは不良のバリーから目をつけられ、いやがらせを受けてしまいます。家では、毎日のように両親がいがみ合っています。そんなコナーの唯一の楽しみは、大学中退で今は引きこもりという兄ブレンダンと一緒に、音楽番組「トップ・オブ・ザ・ポップス」を見ることでした。お気に入りのデュラン・デュランを見ながら、ブレンダンの音楽論に耳を傾けるコナー。翌日、独裁的なバクスター校長から靴の色を注意されたコナーは、下校まで裸足でいるという罰を受けます。さらにカフェではバリーに殴られ、顔に痣を作ります。そんなコナーに話しかけてきたのは、赤毛の同級生ダーレン。この学校で初めてできた友人です。その日、2人で一緒に校門を出ると、向かいの建物の前に1人の少女が立っていました。コナーはたちまち彼女に一目ぼれ。勇気を出して話しかけると、名前はラフィーナで16才。ロンドンでモデルをするつもりだと言います。なんとかしてラフィーナの気を引きたいコナー。「僕のバンドのビデオに出ない?」と誘い、彼女の電話番号をゲットすることに成功します。コナーはダーレンに言います。「バンドを組むぞ!」
シング・ストリート 未来へのうたのネタバレあらすじ:承
2人は、バンドのメンバー探しを開始します。ギターには、ペットのウサギを何より愛しているエイモン。バンドマンの父親の影響で、どんな楽器も演奏できて曲も作れます。キーボードには、「黒人がいるとカッコいい」という理由で選ばれたンギグ。そして、メンバー募集のチラシを見て来たベースのギャリーとドラムのラリー。バンド名は、学校の名前をもじった「シング・ストリート」に決定しました。マネージャーはダーレンです。5人はさっそくデュラン・デュランの曲をカバーしますが、録音テープを聞いたブレンダンは、「他人の曲をやるな。ロックには覚悟がいるんだ」と一蹴します。コナーはラフィーナを想って歌詞を書き、エイモンとメロディを仕上げて「モデルの謎」という曲にします。曲が気に入ったラフィーナは、コナーたちのミュージック・ビデオに出演します。その夜、コナーはラフィーナを家まで送ります。ところがそこへ、彼女の年上の彼氏エヴァンが現れます。2人が去った後、コナーは、ラフィーナの住居が児童施設であることに気づきます。帰宅すると、今度はブレンダンから母親が不倫しているようだと聞かされ、さらに落ち込んでしまうコナー。ラフィーナは、モデルの夢を叶えるためにエヴァンとロンドンへ発つつもりでした。そんな中、コナーたちは電車で遠出し、海辺で次のミュージック・ビデオを撮影します。そこでコナーとラフィーナは初めてキスをし、2人の心の距離はどんどん近づいていくのでした。
シング・ストリート 未来へのうたのネタバレあらすじ:転
コナーたちを悩ませる、中間試験が終わりました。シング・ストリートは、校内で行われるディスコ・パーティでライブをすることになります。ある日、コナーは祖父のモーターボートを借りて、ラフィーナと小島へピクニックに出かけます。次のミュージック・ビデオにも出てほしいと言うコナーに、ラフィーナは複雑な表情を見せるのでした。そんな中、コナーの両親はついに別居することになります。家も売ることにしたと言う両親の身勝手さに、怒りを爆発させたブレンダン。コナーに対しても、鬱積した思いをぶちまけます。「愛のない親のもとで俺はずっと1人だった。末っ子のお前は、俺が切り開いた道を歩いてきたんだ。なのに俺だけが落ちこぼれの笑いものだ!」。初めて聞く兄の悲痛な叫びに衝撃を受けたコナーは、部屋を出て1人、声を殺して泣きます。後日、学校でライブ・リハーサルが始まりました。歌うコナーの妄想の中では、両親も兄もラフィーナも、全員がライブに来て楽しんでいます。バクスター校長ですら、シング・ストリートの演奏にノリノリのダンスを始めます。しかし、コナーの歌が終わると、現実だけが残ります。家族の姿はもちろんなく、ラフィーナも現れません。彼女は、すでにロンドンへ発ったあとでした。ところが数日後、コナーはラフィーナとばったり出会います。ロンドンへ行ったもののコネもなく、エヴァンとケンカ別れして帰ってきたのでした。「これが私の人生よ。15才の高校生とつるむだけ」。ラフィーナの心ない言葉に傷ついたコナーは、足早にその場を立ち去ります。
シング・ストリート 未来へのうたの結末
コナーは、諦めきれないラフィーナへの想いを糧に、エイモンと曲作りに励みます。エイモンは、「お前が彼女をロンドンに連れて行け。向こうでレコード契約を取って、俺たちをここから救い出してくれ」と言います。完成した曲のテープを、ラフィーナの家のポストに入れるコナー。その後、彼はブレンダンにも謝ります。ブレンダンは、いつも通りの優しい兄でした。そしてもう1つ、コナーには気がかりがありました。それはバリーのことです。コナーとダーレンは、バリーのアパートを訪ねます。酔っぱらいの親と暮らす彼に、ダーレンは言います。「君と僕らには共通点がある。どちらもはみ出し者だ」。コナーたちはバリーに、バンドのローディになってほしいと頼んだのです。バリーはOKし、彼らはようやく和解しました。そして、ついにライブの夜が来ました。コナーのテープを聴き、感動してステージを見に来たラフィーナ。彼女の姿を見つけたコナーはヒートアップし、ライブは最後まで大盛り上がりを見せます。ライブが終わり、余韻の残る会場を飛び出した2人。コナーはラフィーナを家に連れて行き、ブレンダンに紹介しました。そして、祖父のボートでイギリスへ渡るつもりだから、車で港まで送ってほしいと頼みます。ブレンダンは驚きますが、快く承知します。荷物をまとめ、母親の寝顔に別れをつげると、3人は車で港まで走ります。朝日がのぼるころ、ボートに乗り込むコナーとラフィーナ。ブレンダンは、「いつか曲をつけてくれ」と、自作の歌詞をコナーに託します。兄弟は固く抱き合いました。離れて行くボートに、ブレンダンが大きく手を振ります。しだいに空が曇り、激しい雨が打ちつけますが、2人が乗ったボートは、未来へと進んで行きます。
以上、映画「シング・ストリート 未来へのうた」のあらすじと結末でした。
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