狼たちの午後の紹介:1975年アメリカ映画。実際に起こった銀行強盗事件をもとに、全編ロケーションによって撮影されたシドニー・ルメット監督の傑作。「ゴッドファーザー」で兄弟を演じたアル・パチーノとジョン・カザールが再び共演している。
監督:シドニー・ルメット 出演:アル・パチーノ(ソニー)、ジョン・カザール(サル)、クリス・サランドン(レオン)、チャールズ・ダーニング(ユージーン・モレッティ)
映画「狼たちの午後」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「狼たちの午後」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「狼たちの午後」解説
この解説記事には映画「狼たちの午後」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
狼たちの午後のネタバレあらすじ:起
ある真夏日、ファースト・ブルックリン貯蓄銀行の前に1台の車が止まっています。中から出てきたのはソニー、サル、スティーヴの3人。彼らはこれから銀行強盗をやるつもりです。しかし、この種の犯罪に経験のない彼らの計画は初っ端からつまづきます。まず、銀行に入ってサルが銃を取り出すと、スティーヴが怖気づいて逃走。支店長を脅して金庫室に入りますが、預金の大部分はすでに運び出されており、わずか1100ドルしか残っていません。ソニーは代わりにトラベラーズチェックを持ち帰ろうとしてその記録を店内のゴミ箱で燃やし、そのせいで向かいのビルの人間に不審がられます。
狼たちの午後のネタバレあらすじ:承
やがてソニーのもとに電話がかかります。警察でした。もう銀行の周りをすっかり固められています。こうなるともう立てこもりしか道はありません。銀行員たちが人質になります。FBIもやってきて交渉を始めますが、自棄になったソニーたちは言う事を聞きません。人質のひとりだった警備員が喘息の発作を起こし、仕方なくソニーは彼を解放。
やがて、人質を盾に外の様子を見に来たソニーは刑事と話を始め、警察を挑発。それを聞いていた周りの群衆はソニーの言うことに賛同し、歓声をあげます。
狼たちの午後のネタバレあらすじ:転
簡単には逃げ出せないと知ったソニーは、ヘリコプターを銀行の屋上へ着陸させる事を要求。着陸が無理だと警察に言われ、代わりに車を銀行前に乗り付けろと命令します。その車で空港へゆき、外国に逃亡するつもりなのです。さらにソニーは妻を銀行前に連れてきて話をさせろと要求。驚いたことにレオンというその妻は男でした。その”妻”によると、ソニーが銀行強盗をやろうとしたのも、妻の女性への性転換手術の費用を捻出するためなのです。
狼たちの午後の結末
ソニーとの関係を絶とうと自殺未遂までしていたレオンは彼に会うことを拒否。警察はソニーの母親を現場に連れてきますが、それでも彼は投降しません。要求通りに警察が車を手配、ソニーとサルは人質を連れて乗り込みます。しかし、FBI捜査官がサルを射殺。そしてソニーも銃を向けられ、逮捕されます。変わった立てこもり事件はこうして終わったのです。
クライムものというべきか、ピカレスクというべきか、分類はともかく、特別に難しい設定や込み入った事情もなく、ただ単なる銀行強盗が立てこもる話なのですが、名優アル・パチーノと個性派脇役のジョン・カザールが組み、シドニー・ルメットが監督をすると、これだけ緊迫感があり、迫力のある映画になるというのがすごいです。