映画「赤い靴」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
赤い靴の紹介：1948年イギリス映画。アンデルセン童話『赤い靴』をモチーフに、愛とバレエの狭間で苦しむ女性の葛藤を描く。バレエ団を率いるレルモントフは、渋々参加したパーティーで才能豊かな少女ヴィッキーと出会う。彼女を主役に抜擢したバレエ「赤い靴」は各方面から絶賛された。しかしヴィッキーは作曲家クラスターと愛を育み始め、愛を否定するレルモントフは怒り狂う。両者の間で苦しむヴィッキーは、やがて童話の『赤い靴』の通りに悲劇的な道を辿っていく。
監督：マイケル・パウエル、エメリック・プレスバーガー 出演者：モイラ・シアラー（ヴィクトリア・ペイジ）、アントン・ウォルブルック（ボリス・レルモントフ）、マリウス・ゴーリング（ジュリアン・クラスター）、レオニード・マシーン（グリシャ・リュボフ）、リュドミラ・チェリーナ（イリナ・ボロンスカヤ）ほか
この解説記事には映画「赤い靴」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
舞台はイギリス、ロンドン。高名なプロデューサーボリス・レルモントフ率いるバレエ団の公演を見るために、大勢の人が劇場に押しかけます。作曲を担当したパルマー教授の教え子ジュリアン・クラスターも席に着きますが、教授に自分の曲を盗まれたと気づきショックを受けます。終演後、ネストン伯爵家のパーティーに招かれたレルモントフ。そこで伯爵家の姪でバレエダンサーのヴィクトリア・ペイジ（愛称ヴィッキー）と出会います。バレエへの情熱を見せる少女に興味を持ったレルモントフは、自身のバレエ団で彼女を雇うことにしました。翌日、クラスターがホテルに宿泊するレルモントフを訪ねます。クラスターがパルマー教授の教え子だと知ったレルモントフは試しにピアノを弾かせ、バレエ団のオーケストラ指導係として彼をスカウトしました。
レルモントフ・バレエ団に所属したヴィッキーとクラスターでしたが、なかなか活躍の場を見つけられません。熱意が空回りするだけの日々を送る２人。ところが、「白鳥の湖」の主役を任されたことでヴィッキーに転機が訪れます。ヴィッキーの実力を認めたレルモントフは、彼女をパリに同行させることにしました。パリに移ったレルモントフはクラスターを呼び出し、新しい演目「赤い靴」の楽曲作りを指示します。「赤い靴」はアンデルセン童話をモチーフにしたバレエで、死ぬまで赤い靴を履いて踊り続けた少女の物語です。舞い込んだチャンスにクラスターは意気込みました。その後バレエ団のプリマ、イリナ・ボロンスカヤが婚約を発表。団員は皆祝福しますが、愛に頼るのは二流のダンサーだと信じるレルモントフは苦々しい顔をします。「もう彼女に興味はない」と言い切ったレルモントフはボロンスカヤを解雇し、団員と共にモンテカルロへ向かいました。
レルモントフはヴィッキーを「赤い靴」の主役に抜擢します。興奮で眠れないヴィッキーがバルコニーで夜風に当たっていると、仕事に励むクラスターも現れました。２人は健闘を誓い握手します。「赤い靴」の公演初日は２週間後に迫っていましたが、ヴィッキーの踊りと音楽がなかなか合いません。クラスターはレルモントフの指示で、ヴィッキーの食事中「赤い靴」の楽曲をピアノで奏でることになります。「僕の音楽が君を救うよ」と励ますクラスター。ついにやって来た公演初日、緊張でパニック寸前のヴィッキーをレルモントフが優しく勇気づけます。落ち着きを取り戻したヴィッキーは素晴らしい踊りを見せ、クラスターの音楽も絶賛されます。そして「赤い靴」の初日公演は大成功に終わったのでした。
「赤い靴」の成功で一躍時の人となったヴィッキーとクラスター。ヴィッキーを部屋に呼び出したレルモントフは、「君を偉大なバレリーナにする」と宣言します。ヴィッキーは多くの演目で主役を務め、レルモントフの読み通り一流ダンサーへの道を駆け上がっていきました。ところがある日、レルモントフはヴィッキーとクラスターが恋仲だと知り怒り狂います。ヴィッキーをバレエに集中させるためクラスターを解雇したレルモントフ。しかしそれを知ったヴィッキーもレルモントフ・バレエ団を去り、後日クラスターと結婚します。ヴィッキーを失ったレルモントフは偶然を装ってボロンスカヤと再会し、彼女を再び雇います。ヴィッキーはクラスターと幸せに暮らしていましたが、踊りへの満たされない欲求を抱えていました。
そんなある日、ヴィッキーがモンテカルロにやって来ると情報を得たレルモントフは、列車内で彼女と再会します。ヴィッキーのバレリーナとしての欲求不満を見抜き、もう一度「赤い靴」を踊るよう誘うレルモントフ。ヴィッキーは迷いながらも、クラスターに内緒で舞台に出ることにしました。しかし上演直前、赤い靴を履き支度を終えたヴィッキーの楽屋にクラスターがやって来ます。こうなることを予想していた彼はヴィッキーを連れて帰ろうとしますが、そこにレルモントフが現れました。クラスターではヴィッキーを一流のダンサーには出来ないと怒鳴るレルモントフ。ヴィッキーは愛と踊りのどちらかを選ぶよう迫られます。どちらも選べず泣くヴィッキーを見てクラスターは去っていきました。泣き続ける彼女に、レルモントフは「これから先君は踊り続けるのだ」と囁きます。フラフラと楽屋を出たヴィッキーは、突然何かに操られるようにバルコニーまで走ります。気付いたクラスターが慌てて止めようとしますが、ヴィッキーはそのまま身を投げてしまいました。瀕死の彼女は血まみれでか細い息を吐きながら、駆けつけたクラスターに「赤い靴を脱がして」と頼みます。望み通りにしたクラスターは息絶える彼女の足に泣きながら縋りつきました。赤い靴は放り投げられ、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画赤い靴のあらすじと結末でした。
観ました。アンデルセンの原作を踏まえながら、独自の悲劇が展開されて、素晴らしい！