トランスアメリカの紹介:2005年アメリカ映画。ダンカン・タッカー監督の処女作である『トランスアメリカ』は、性同一性障害の男性の苦悩と、親子の絆を描いた2005年のアメリカ映画。タイトルは、主人公ブリーの「トランスジェンダー」にかけたもので、主演を務めたフェリシティ・ハフマンはゴールデングローブ賞主演女優賞を受賞するなど、高い評価を得ています。
監督:ダンカン・タッカー 出演:フェリシティ・ハフマン(ブリー)、ケヴィン・ゼガーズ(トビー)、フィオヌラ・フラナガン(エリザベス)、エリザベス・ペーニャ(マーガレット)、グレアム・グリーン(カルヴィン)、バート・ヤング(マレー)、ほか
映画「トランスアメリカ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「トランスアメリカ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「トランスアメリカ」解説
この解説記事には映画「トランスアメリカ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
トランスアメリカのネタバレあらすじ:女性として生きたいブリー
物語の舞台はLA。長いあいだ自身の性同一性障害に苦しんでいたスタンリーは、肉体的にも女性として生きることを強く望んでいました。サブリナ〈ブリー〉(フェリシティ・ハフマン)としての第一歩を踏み出そうと、性転換手術を一週間後に控えていた矢先、ニューヨークの拘置所から一本の電話がかかってきました。電話口の少年は、ブリーの息子のトビー(ケヴィン・ゼガーズ)で、万引きで逮捕され拘留中とのことでした。その少年は、ブリーが過去に一度だけ関係を持った女性との間に産まれた子供でした。大切な手術を目前に控え、気の進まないブリーでしたが、渋々ニューヨークの息子の元へ向かい保釈金を払います。
トランスアメリカのネタバレあらすじ:秘密を抱えたまま旅へ
いざトビーと対面すると、ブリーは自身の正体を明かすことができず、自分は教会から来たと嘘をつきます。トビーは、ブリーを母親の元へ送ろうとしますが、実の母親は自殺ですでに他界。ブリーは家を飛び出して男娼として一人で暮らしていました。トビーは、実の母親と、父親(男性だった頃の自分)の写真を今も大切に持っていました。心を突き動かされたブリーは、トビーと共にLAに向かうべく、車で大陸横断の旅に出ます。
トランスアメリカのネタバレあらすじ:トビーの家族と、ブリーの家族
養父がカリクーンに住んでいるという情報を聞きつけたブリーは、トビーに内緒でカリクーンへ車を走らせました。トビーを養父の元へ送り届けて、自分も帰ろうと内心思っていたのです。しかし、トビーは養父から性的虐待を受けて家出したことを知り、ショックを受けたブリーはすぐにトビーと共にカリクーンを後にしました。トビーは実の父親は成功者であると信じており、ブリーはまだ自分の正体を明かせずにいました。道中お互いの話に花を咲かせた二人は、次第に打ち解けていき、友人のように親しくなります。途中、ヒッピー風の少年に騙され、車を乗り逃げされてしまいますが、その後優しい男性に出会い、ブリーの実家まで送り届けてくれることになりました。ブリーの実家を訪れると、未だ母はブリーを変化を受け入れておらず、ブリーに対し辛く当たりました。しかし、一緒に訪れたトビーが自分の孫であるとわかると、母の態度は一変、トビーに「これからはこの家で暮らしたらいい」と言い、彼を溺愛するのでした。
トランスアメリカのネタバレあらすじ:実父であることを知ったトビー
トビーは、ブリーの実家で生活を共にするうちに、ブリーに恋心を抱き始めます。家族が寝静まった夜、トビーはブリーの寝室へ行きプロポーズをしました。思いもよらぬ事態になり、ブリーは初めて自分が実の父親であることを告げました。パニックになり怒り狂ったトビーは、ブリーに殴りかかり、ひとり家を飛び出しました。騒ぎに驚いた母が起きだし、怪我をしたブリーに寄り添います。
トランスアメリカの結末:ブリーとトビーの再会
ブリーはひとりサンフランシスコに戻り、無事に性的合手術を終えますが、トビーや家族との事で頭がいっぱい、手術の成功を喜ぶ余裕などありませんでした。その後、ブリーはレストランでウエイトレスとして働き始めました。学校へ通い教師になるという夢を胸に再出発したところへ、ある日突然ブリーの元へトビーが訪れます。トビーは明るく髪を染め、今は俳優を目指しながらポルノに出演し、生計を立てていることを打ち明けました。ブリーの部屋で、二人はビール片手に談笑し、映画は幕を閉じます。
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