アラビアの女王 愛と宿命の日々の紹介:2015年アメリカ,モロッコ映画。20世紀初頭、アラビアの砂漠、ベドウィンの人々に魅了されたイギリス人女性ガートルード・ベル。イラク建国の立役者となった彼女の冒険と悲恋をヴェルナー・ヘルツォーク監督が二コール・キッドマン主演で描く。
監督:ヴェルナー・ヘルツォーク 出演者:ニコール・キッドマン(ガートルード・ベル)、ジェームズ・フランコ(ヘンリー・カドガン)、ロバート・パティンソン(T.E.ロレンス)、ダミアン・ルイス(リチャード・ダウティ=ワイリー)
映画「アラビアの女王 愛と宿命の日々」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「アラビアの女王 愛と宿命の日々」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
アラビアの女王 愛と宿命の日々の予告編 動画
映画「アラビアの女王 愛と宿命の日々」解説
この解説記事には映画「アラビアの女王 愛と宿命の日々」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
アラビアの女王 愛と宿命の日々のネタバレあらすじ:テヘランの恋
第一次世界大戦が始まり、中東を支配するオスマン帝国は崩壊しつつあった。チャーチル大臣を囲んでイギリスの軍人や中東専門家がオスマン帝国崩壊後の中東の領土の分配について話し合う。その一人は「アラビアのロレンス」と呼ばれることになるT.E.ロレンスだった。議論はもつれる。アラブの首長たちについて一番詳しいのは誰なのか。ガートルード・ベルという女性の名が上がる。だがマーク・サイクスは彼女をあしざまに言うのだった。鉄鋼業者の娘のガートルードはオクスフォード大学を優秀な成績で卒業した。舞踏会でも寄ってくる男たちの頭の良さをつい値踏みしてしまい男たちを怖気づかし、親の期待に反して結婚できない。やむを得ず父親は遠い外国に行きたいという彼女の望みをかなえる。場所はイランである。ガートルードはテヘラン駐在公使の叔父の元に身を寄せる。彼女と従妹のフローレンスの世話役は三等書記官ヘンリー・カドガンだった。ヘンリーとガートルードは市場を歩き、馬の遠乗りをする。そしてヘンリーからペルシア語を教わる。フローレンスからずっとヘンリーを愛しているのだけれど告白できないと打ち明けられていたガートルードだったが、ヘンリーと恋に落ちてしまう。ヘンリーはアレクサンダー大王のコインを二つに割ってガートルードと分ける。どちらかが死んだらもう一人の分のコインも所有することにする。そしてガートルードに結婚を申し込む。だが、ガートルードの父は結婚に反対する。説得のためにガートルードは帰国する。父親は安月給のヘンリーが金目当てで娘を誘惑したと疑っていた。そしてイランからヘンリーが崖から落ちて死んだという手紙とアレクサンダーのコインの片割れが届けられるのだった。
アラビアの女王 愛と宿命の日々のネタバレあらすじ:砂漠を旅する考古学者
3年後、ガートルードはラクダの背に乗りアラビアの砂漠を旅している。考古学の研究とベドウィンの研究のためである。だが政情の不安定さからアンマンの領事館で特にマーク・サイクスから旅を大反対される。しかし、彼女は旅を決行する。オスマン帝国の軍人から通行を止められるが召使のファトゥーフが通行許可証を出して切り抜ける。実は主人のために彼が偽造書類を用意していたのだ。ガートルードは遺跡の発掘調査に参加している若い考古学者T.E.ロレンスと出会う。盗掘されつくしてめぼしい発見物のない遺跡は大きな望みをもつ彼には大いに不満だった。
アラビアの女王 愛と宿命の日々のネタバレあらすじ:危険な旅
ダマスカスの領事館のリチャード・ダウティ=ワイリーはガートルードに好意的だった。妻と二人で彼女をもてなす。危険なドルーズ族の首長を訪れるというガートルードを翻意させることが無理と分かるや、ワイリーは高価な拳銃を彼女にあげるのだった。ドルーズ族と対立する部族の出身の召使はアクセントで出身がわからないようにろうあ者のふりをすることにする。それほど恐ろしいドルーズ族とついに出会う。発砲され腕にかすり傷を負うが首長との面会を許される。首長はイスタンブールやパリに旅したことがあり文学を愛する人物だった。そしてワイリーからもらった拳銃をプレゼントしておおいに歓迎された。ガートルードはヘンリーの死から未だに立ち直り切れず、ワイリーにも妻がいるが、二人は次第に愛し合うようになっていく。ワイリーは砂漠を旅するガートルードに手紙を書き続け、ガートルードはワイリーにあてて日記を書き綴る。1915年、ガートルードは大物首長のイブン・ラシードに会うべくハーイルを目指して旅立つ。各地の部族と交流を続けてきた彼女は、途中シャイフ・ハルブという首長の歓待を受ける。しかし、ハーイルから生きて帰るのは難しいともくぎをさされる。ハーイルの宮殿ではファトゥーフら召使と離されて軟禁されてしまう。そしてイブン・ラシードがとっくに死んでいてそれ以来ハーイルの政情が不安定であることを知るのだった。戦争から戻った若い首長のハーレムに入れられそうになるが自分は結婚していると嘘をついて難を逃れる。
アラビアの女王 愛と宿命の日々の結末:砂漠の女王
ガートルードはダマスカスに戻る。彼女が旅をしている間に戦争は世界全体に波及していた。精神的に不安定な妻と離婚できないワイリーは軍隊に復帰することを決めていた。1915年7月、ガートルードは英国アラブ局の東方書記官に任命される。ロレンスも上級顧問になっていた。戦後のアラビアの地図を決める仕事が課される。二人はこれをアラブ人の自立の機会にしたいと考えていた。しかし、パーティーで耳にしたワイリーの戦死のニュースにガートルードは動揺を隠すことができなかった。ガートルードは砂漠でファイサルとアブドゥラの兄弟と面会する。彼女は二人がやがて王になると言う。またファトゥーフたちとの交流を通じて彼女が育んできた砂漠の民への愛情を語るのだった。一人ラクダに乗って砂漠の彼方に去るガートルードを見送る兄弟。自分は本当に王になるのか。だが王を決めるのは彼女である。王冠がなくても彼女は砂漠の女王だった。実際ファイサルはイラクの、アブドゥラはヨルダンの王となるのだった。
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