シングルスの紹介:1992年アメリカ映画。90年代初めのアメリカ、ワシントン州シアトル。グランジ・ロックが鳴り響くライブハウスで、リンダという女性に一目ぼれしたスティーヴ。そんなスティーヴの親友ジャネットは、遊び人ミュージシャンのクリフのハートを射止めるために奮闘中。そしてスティーヴやジャネットと同じアパートに住む恋多き女デビーも、恋愛には悩みがあって…。6人の男女が繰り広げるラブストーリーを、当時のシアトル・サウンドにのせて送る眩しい青春コメディ。
監督:キャメロン・クロウ 出演者:キャンベル・スコット(スティーヴ)、ブリジット・フォンダ(ジャネット)、マット・ディロン(クリフ)、キーラ・セジウィック(リンダ)、シーラ・ケリー(デビー)、ビル・プルマン(ジェームソン)、アリー・ウォーカー(パム)ほか
映画「シングルス」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「シングルス」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「シングルス」解説
この解説記事には映画「シングルス」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
シングルスのネタバレあらすじ:起
グランジ・ロックが全米を席巻する90年代初頭。ブーム発祥の地・ワシントン州シアトルの街中に、自由な若者たちが住んでいる独身専用アパートがありました。主な住民は5人。お堅い運輸省勤務で、真実の愛とは何かとつねに苦悩しているスティーヴ。スティーヴの遊び仲間で、タダ飯にありつけるからボーイになったというお調子者のベーリー。売れないグランジ・ロックバンドのリーダーで、超遊び人ミュージシャンのクリフ。そのクリフと運命の糸で結ばれていると信じて疑わない、純情一直線のウェイトレス、ジャネット。ルームメイトのパムといつも男を奪い合ってモメている、テレビ局で働くイケイケ女子のデビー。
シングルスのネタバレあらすじ:承
ある晩、ベーリーと共にライブハウスへ出かけたスティーヴ。ステージを見ていた1人の女性に一目ぼれします。気のきいたセリフで話しかけようとするスティーヴですが、何ひとつ思いつかず、意を決して「演出するのはやめて、素の自分で勝負するよ」と彼女に切り出しますが、「そう言うこと自体が演出なのよ」とあっさり言われて撃沈します。あきらめきれないスティーヴ。粘りに粘って、ようやく連絡先を手に入れることに成功しました。彼女の名はリンダ。環境保護委員会で働くキャリアウーマンですが、実は、結婚まで考えた恋人にひどい振られ方をしたばかりで、重度の男性不信に陥っていたのです。しかし出会いを重ねるうちに、次第に2人は恋人への階段を上り始めます。一方、スティーヴの親友ジャネットは、今日もまたクリフにまとわりついています。クリフから「オレには女が大勢いるんだぜ」などと言われても、くじける様子は全くありません。しかしある日のこと、クリフから「胸が小さい」と指摘されてショックを受けたジャネット。密かに豊胸手術を受けることを思案するのでした。そんなジャネットと正反対の奔放な女性デビーは、出会いを求める男女のお見合いシステムに入会。自信たっぷりの自己紹介ビデオを作成し、運命の恋人を募集します。
シングルスのネタバレあらすじ:転
ジャネットの豊胸手術の日。担当医のジェームソンは意外なことを言います。「君に手術は必要ない。彼がありのままの君を愛さないのなら、それが本当の愛なのか考え直したほうがいい」。ジェイミソンは、ジャネットのことを想っていました。心を打たれたジャネットは、「今のままの私でいくわ」と手術を取りやめます。それ以来、クリフを追いかけまわしていた自分がばかばかしく思えてきたジャネット。ようやく、本当の自分を見つけることができたのでした。ジャネットの心が自分から離れたと気づいたクリフは、せいせいするどころかさびしさを感じる自分に驚きます。おまけにバンド活動もうまくいかず、ライブをやれば地方紙で酷評されてしまい、極度に落ち込みます。ある日、スティーヴはリンダに妊娠したと告げられます。リンダは1人で育てると言いますが、リンダのことを真剣に愛しているスティーヴ。デートでチリドッグを食べながら、「結婚しよう」とプロポーズします。驚いたリンダですが、喜びは隠せずイエスと言います。その頃、デビーのもとには、自己紹介ビデオを見た男たちから次々とリアクションが届きます。しかし、どの男もかなりクセのある変人ばかり。唯一まともに見える自転車好きのアスリート、ジェイミーとレストランで待ち合わせをするデビー。ところが些細な行き違いで、ジェイミーはデビーのアパートへ。デビーが大急ぎで帰宅すると、ジェイミーはすでにルームメイトのパムと意気投合しています。「あの男は私が先に見つけたのよ!」と噛みつくデビーに、「彼が私に言いよってきたのよ!」と負けじと言い返すパム。ジェイミーを放置したまま、激しい交渉を繰り広げる2人。根負けしたデビーは言います。「わかった、80ドルと皿洗いでアンタに譲るわ!」。
シングルスの結末
ある日、リンダとスティーヴが乗る車が衝突事故に巻き込まれます。リンダは流産。「全てを忘れたい」と言い残し、仕事のプロジェクトでアラスカへと旅立ってしまいます。傷心のスティーヴはリンダを忘れられず、彼女の留守電に「やり直そう」と伝言を残します。しかし留守電の故障で、仕事から戻ったリンダはスティーヴの気持ちを知らないまま、元カレのアンディと同棲を始めます。リンダからの返事はなく、計画した鉄道開発プロジェクトも却下され、仕事まで失ったスティーヴは、失望のあまり引きこもりになってしまいます。一方デビーは、男探しがうまく行かず、気分転換に1人でメキシコ旅行へと出かけます。機上の出会いを期待したものの、隣の席に座ったのは生意気な十代の少年。うんざりするデビーでしたが、メキシコの空港に迎えに来ていた少年の父親にビビビと来ます。離婚していた父親は、デビーに一目ぼれ。めでたく2人はカップルになるのでした。その頃ジャネットは、クリフから解放されて充実した毎日を過ごしていました。後悔でいっぱいのクリフは、なんとか彼女の気を引こうとあの手この手で奮闘します。しかし、どれも空回り。ジャネットは、そんなクリフのことがだんだん可愛く見えてくるのでした。そして、スティーヴは再就職先すら見つからず、散らかった部屋の中でぼんやりと過ごす日々。リンダもまたスティーヴのことが忘れられず、ある日、ついに彼のアパートのドアをノックします。ドアを開けるスティーヴ。2人の仲は元通りになり、スティーヴはリンダと暮らすためアパートを出て行きます。ジャネットがアパートのエレベーターに乗ると、後からクリフが入ってきました。クールを装う2人。ジャネットがくしゃみをすると、クリフは優しく「お大事に」と声をかけます。ジャネットはハッとします。クリフがジャネットを気遣う言葉をかけるのは初めてのこと。ジャネットはクリフを見つめ、そのままキスをします。「みんなこんなふうに回り道するのかな」とクリフは言います。「いいえ、私たちだけよ」。ジャネットは答えました。
大人になりきれない男女6人が自分らしい恋を見つけていくラブストリー。音楽ライター出身のキャメロン・クロウが監督をしている作品とあって、劇中で流れる音楽が秀逸!6人のキャラクターも親近感があって、恋愛におけるあるあるがいっぱい詰まった作品です。