ラースと、その彼女の紹介:2007年アメリカ映画。アメリカの田舎町に住む、純粋な青年ラース。町のみんなから愛されている彼が、ある日、ネットで注文したリアルドールを「恋人」だと紹介し出したことから騒動が持ち上がる。出演作が次々とヒットしている、若手人気No.1のライアン・ゴズリング主演。共演は、「シャッター・アイランド」や「ヒューゴの不思議な発明」の実力派女優エミリー・モーティマー。
監督: クレイグ・ガレスビー 出演者:ライアン・ゴズリング(ラース)、エミリー・モーティマー(カリン)、ポール・シュナイダー(ガス)、パトリシア・クラ―クソン(バーマン医師)、ケリ・ガーナ―(マーゴ)、ナンシー・ベッティー(グル―ナー夫人)ほか
映画「ラースと、その彼女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ラースと、その彼女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ラースと、その彼女」解説
この解説記事には映画「ラースと、その彼女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ラースと、その彼女のネタバレあらすじ:起
都会から離れた、田舎の保守的な町に住む27才のラース。心優しい静かな青年ですが、恋人もなく、家と職場を往復するだけの毎日を送っています。職場の同僚マーゴはラースに好意を持っていて、教会で会うたびに積極的に話しかけます。しかし内気なラースはいつも、返事もそこそこに立ち去ってしまいます。同じ敷地内に住む兄夫婦は、いつもラースを気にかけています。特に義姉のカリンは、不器用で人付き合いの苦手なラースのことが心配でなりません。兄のガスも、同じ家で一緒に暮らそうと何度もラースに申し出ますが、いつも返事はノーでした。そんなラースがある日突然、ガスとカリンに「会わせたい人がいる」と言います。ついに恋人を連れてきた!とカリンは大興奮。慌ててディナーの用意をし、わくわくして恋人の登場を待ちました。ところが、ラースが連れてきた“彼女”を見たガスとカリンは、あまりのことに言葉を失くします。ラースが恋人だと紹介したのは、ネットで注文したリアルな女性の人形だったのです。
ラースと、その彼女のネタバレあらすじ:承
ラースは、ガスとカリンに“彼女”の身の上を語ります。ネットを通じて知り合った女性で、名前はビアンカというブラジル人。修道院で育ち、とても内気な性格。職業は宣教師。車椅子に乗っているが、空港で荷物と一緒に盗まれてしまった…。あまりにも幸せそうに話すラースに、何も言えなくなってしまうガスとカリン。その夜ガスは、弟の頭がおかしくなってしまったとパニックになり、病院で診てもらわなければと大騒ぎします。相談を受けた女医のバーマンは、ラースの妄想には何か理由があるはずだから、みんなでラースに調子を合せて様子を見ましょうと提案します。困り果てたガスとカリンは、教会の年配者たちにもラースのことを打ち明けました。彼らは、誰もがラースのことを好きだから、みんなで理解してあげようという結論に達します。こうして町の住民たちは、ビアンカをラースの恋人として扱うことになります。ラースは、ビアンカを同僚の誕生パーティに連れて行き、友人たちに紹介します。そして、2人きりの時には本を読んであげたり、歌を歌ってあげたり、両親の墓に案内したりと、大切な恋人と共に満たされた日々を過ごします。
ラースと、その彼女のネタバレあらすじ:転
ガスとカリンの不安は、幸せそうなラースを見るたびに大きくなっていきます。心優しい町の女性たちは、ビアンカを病院のボランティアに参加させたり、美容院へ連れていったりと、まるで友人のように接しています。「弟は一生あのままだ」と悲しむガス。マーゴも、ビアンカに夢中なラースを複雑な思いで見つめていました。ある日、ビアンカが町の女性たちと過ごす時間が増えたことで、自分はないがしろにされたと感じたラース。「誰も僕のことを気にかけてくれない」と、腹立たしさを表に出します。その言葉を聞いたカリンの怒りが、ついに爆発します。「みんな、あなたのことが心配だから、あなたのことが好きだからやっているのよ!」。怒って去っていくカリンに、ショックを受けたラースは涙を流します。ラースはガスに、大人になることへの不安な思いを打ち明け、ガスもまた、弟の孤独な気持ちを理解します。一方、マーゴは、勇気を出してラースをボーリングに誘います。ガスの職場の仲間たちも途中から参加して楽しい時間を過ごしますが、帰り道でラースは「ビアンカを裏切れない」とマーゴに言います。マーゴは平気なふりをしますが、内心は傷ついています。ラースが手を差出し、2人は握手をして別れました。
ラースと、その彼女の結末
ある日、ラースはバーマン医師のもとを訪れます。「ビアンカにプロポーズしたのに、何も言ってくれない」と言うのです。翌朝、ビアンカが意識不明に陥ったと、うろたえ大騒ぎするラース。驚いたガスとカリンは、救急車を呼んでビアンカを病院へ搬送します。バーマン医師が「ビアンカは重症よ」と伝えると、ラースは打ちひしがれます。どうすればいいのか途方にくれるガスとカリンに、「これは全てラースの判断よ」と言うバーマン医師。ラースは、ビアンカのベッドに付き添います。その後、ガスとカリンは、退院したビアンカを連れて、湖にピクニックへ行こうとラースを誘います。湖でビアンカと2人きりになったラースは、泣きながら彼女にキスをします。ガスとカリンが心配してラースのもとに駆けつけた時には、ビアンカはすでに亡くなっていました。町の人々は、教会でビアンカの葬儀を行います。式が終了し、ビアンカは墓に埋葬されました。ガスはようやく「あいつを見直したよ」と心から安堵します。ビアンカの墓の前に佇むラース。バーマン医師は、ラースの隣にマーゴがいることに気づき、ホッとした表情で離れていきます。ラースはマーゴに言います。「悲しみは時が癒してくれる」。マーゴも静かに頷きました。
この映画の感想を投稿する