狼の時刻の紹介:1966年スウェーデン映画。巨匠ベルイマン監督の実験的な作品のひとつ。「鏡の中にある如く」同様、孤絶された島で精神を病んでいく人間を扱っている。スティーブン・キングはこの作品をホラーと見なし、好きなホラー映画の1本に選出している。
監督:イングマール・ベルイマン 出演:マックス・フォン・シドー(ユーハン)、リヴ・ウルマン(アルマ)、イングリット・チューリン(ヴェロニカ・フォーグレル)、エルランド・ヨセフソン(男爵)
映画「狼の時刻」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「狼の時刻」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「狼の時刻」解説
この解説記事には映画「狼の時刻」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
狼の時刻のネタバレあらすじ:起
ドイツのバルトルム島に住むスウェーデン人の画家・ユーハンがある日行方不明に。そこに至るまでの詳細を彼の妻・アルマが語ります。画業がうまくゆかないユーハンは、仕事中も奇妙な幻に話しかけられ、悩んでいました。彼はその幻たちに”鳥人間”や”人食い人種”などと名前をつけ、まるで実在の人物のように語ります。不眠症もひどくなり、精神的に追い詰めらてゆくユーハンに対し、アルマはそばで慰めるしか出来ません。
狼の時刻のネタバレあらすじ:承
ある日、洗濯を始めたアルマの前に1人の見知らぬ貴婦人が現れ、ユーハンの日記の場所を教え、「読みなさい」と命じます。その命令通り日記を読んだアルマは、ユーハンが”鳥人間”たちばかりでなく、以前の恋人・ヴェロニカ・フォーグレルの幻も見ていることを知るのです。やがて、2人はバルトルム島の所有者だという男爵から招待を受け、その城を訪れます。男爵の一族と食事を取った後、男爵夫人は自分が購入したというユーハンの絵を2人に見せます。それはヴェロニカ・フォーグレルを描いたものでした。城からの帰路、アルマはヴェロニカへの嫉妬で泣き出し、ユーハンを責め始めます。
狼の時刻のネタバレあらすじ:転
それからしばらく経ち、眠れないままにユーハンは自分の過去の経験をアルマに告げます。海岸で釣りをしていた彼はある少年と出会い、ちょっとしたいさかいからその少年を殺してしまったというのです。アルマはその話にショックを受けますが、それが本当かどうかはハッキリしません。そして男爵の一族のひとりがユーハンの家にやってきて、またパーティに誘います。出席者の中にはヴェロニカ・フォーグレルも含まれると告げ、なぜかピストルを残して去っていきます。
狼の時刻の結末
ヴェロニカのことで喧嘩になるユーハンとアルマ。ユーハンは手に持ったピストルでアルマを撃ちます。そのままユーハンは男爵の城へゆき、化粧を施されて全裸で横たわったヴェロニカに再会。しかし、彼女を抱きしめた彼は男爵の一族に笑われ、侮蔑の対象となるのです。一方、撃たれたもののかすり傷しか負わなかったアルマはユーハンを探して森の中へ。そこでぼんやり座り込んでいた夫を見つけ、抱きしめます。しかし、そこへまた男爵の一族が襲ってきて、ユーハンは姿を消します。一体何が現実で何が幻なのか分かりません。「夫と長年暮らしてきたせいで自分も幻を見たのだろうか?」と問いかけ、アルマは話を終えます。
この映画の感想を投稿する