嗤う分身の紹介:2013年イギリス映画。1840年代ロシアの作家ドストエフスキーの小説「分身」を映画化した作品です。昭和の演歌をサウンドトラックに独特の映像表現でドッペルゲンガーとの遭遇を描きます。
監督:リチャード・アイオアディ 出演者:ジェシー・アイゼンバーグ(サイモン・ジェームズ/ジェームズ)、ミア・ワシコウスカ(ハナ)、ウォーレス・ショーン(パパドプロス)、ヤスミン・ペイジ(メラニー)、ノア・テイラー・(ハリス)ほか
映画「嗤う分身」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「嗤う分身」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
嗤う分身の予告編 動画
映画「嗤う分身」解説
この解説記事には映画「嗤う分身」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
嗤う分身のネタバレあらすじ:起
サイモン・ジェームズは7年も働いている会社で社長や警備にも名前と顔を覚えてもらえない、影の薄い人物です。趣味は家に帰り向かいのアパートに住む同僚のハナの生活をのぞくことです。ハナは絵を書いてはそれを破り捨てていましたが、サイモンがゴミ箱からそれらを拾い集め収集するなどしています。ある日、ハンナの部屋を覗いていたサイモンは、初老の男性がアパートから飛び降り自殺をする場面を目撃します。警察を呼んだサイモンは、やってきた刑事に自殺が町でたくさん起きるということを耳にします。初老の男は、落下地点が悪く死んでしまいます。
嗤う分身のネタバレあらすじ:承
ある日、会社に新しい従業員ジェームズがやってきます。サイモンは興味深々に彼に近づきますが、ジェームズはサイモンと瓜二つで、サイモンは気を失ってしまいます。ジェームズがサイモンと瓜二つであることに誰も気づかず、サイモンとは性格が正反対のジェームズはサイモンと入れ替わりながらうまく会社で働こうと持ちかけます。ジェームズはハンナをデートに誘い、サイモンがジェームズになりすましてデートへ行きますが失敗してしまいます。ジェームズと入れ替わったサイモンはハナとジェームズがキスをするのを目撃してしまいます。
嗤う分身のネタバレあらすじ:転
ジェームズはサイモンが教育係として教えている新人で社長の娘であるメラニーを誘惑し部屋に招き入れたのをアパートから発見します。ジェームズの部屋にハナを誘導しジェームズとハナの関係を壊すことに成功します。それに対してジェームズはメラニーとの関係をボスにサイモンの仕業として流すと脅しアパートメントの鍵を要求します。サイモンはジェームズを首にしようと社長に話しかけますが逆にジェームズに首にさせられてしまいます。精神的に不安定になったハナが自殺をはかっているのを救ったサイモンはハナに自殺をほのめかされます。
嗤う分身の結末
サイモンはジェームズを追いかけ、母親が死んでしまったことを発見します。ジェームズに殴り掛かるサイモンでしたが、ジェームズが怪我をするととサイモンも怪我をしてしまいます。ジェームズを殺してしまおうと、サイモンは寝ているジェームズに手錠をかけ部屋に閉じ込めます。そして初老の男が自殺したときとは少し場所をずらし、飛び降ります。サイモンは大怪我をし、ジェームズもサイモンのアパートメントで血だらけでたおれます。ハンナにより警察が訪れ、ジェームズは虚ろな様子で横たわり、サイモンは救急車に運ばれます。
『未来世紀ブラジル』もといジョージ・オーウェルの『1984年』的なディストピア的な世界観と、突如鳴り出す『ジャッキー吉川とブルー・コメッツ』が強烈な印象を残す。あと、主演のジェシー・アイゼンバーグの1人2役が素晴らしい。何をしているのかわからない会社で存在意義すら奪われる主人公というのは、現代社会の縮図のよう。主体性って大事だね、というお話かな。遠慮しがちな日本人としては、どこか身につまされる内容だった。