エゴン・シーレ 死と乙女の紹介:2016年オーストリア,ルクセンブルク映画。28歳で夭折した天才画家エゴン・シーレの生涯を描いた、実話に基づく映画。とりわけ名作『死と乙女』のモデルになったヴァリと画家との関係に焦点が合わされる。
監督:ディータ・ベルナー 出演者:ノア・サーベトラ(エゴン・シーレ)、マレシ・リーグナー(ゲルティ)、ラリッサ・アイミー・ブレイドバッハ(モア)、フェレリエ・ペヒナー(ヴァリ)
映画「エゴン・シーレ 死と乙女」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エゴン・シーレ 死と乙女」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
エゴン・シーレ 死と乙女の予告編 動画
映画「エゴン・シーレ 死と乙女」解説
この解説記事には映画「エゴン・シーレ 死と乙女」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エゴン・シーレ 死と乙女のネタバレあらすじ:起:兄と妹
1918年、第一次世界大戦末期のウィーン。ゲルティは、身重の妻が風邪で苦しんでいる兄エゴン・シーレの家を夫と子供たちと共に石炭をもって見舞う。しかし兄も風邪で既に危険な状態だった。部屋の大きな鏡を見てゲルティは8年前を思い出す。エゴンとゲルティは叔母の鏡をもって階段を上っていく。エゴンのアトリエに置いて、モデルを映して絵を描くのに使うためだ。アトリエでは16歳のゲルティが服を脱いで兄のために裸体画のモデルになる。兄妹は、精神に異常を来した父が有価証券を燃やして死んで以来、叔父の元に身を寄せいていたが、エゴンは後見人の叔父に告げずに美術アカデミーを退学していた。そして、友人たちと新しい画家のグループを作ろうとしていた。エゴンは場末の演芸場でヌードを披露していた、フランス語を話し褐色の肌のモアと知り合う。演芸場ともめ事を起こしたモアはエゴンたちの仲間になりエゴンの裸体画のモデルをするようになる。田舎町でエゴンと二人の友人、モアは共同生活を始め、ゲルティは同じ町のホテルの一室を借りる。奔放なモアが今やエゴンのインスピレーションの源になる。兄がもう自分の絵を描かなくなったのが寂しいゲルティは、兄の友人の一人アントンと愛し合うようになる。エゴンは妹がろくに絵に取り組まないアントンとベッドを共にしたことに怒る。ゲルティは、兄が好き放題に遊んでいながら妹の素行を問題にすることに抗議する。叔父から兄妹の後見人をやめるという手紙が来て、今やエゴンがゲルティの後見人になっていた。
エゴン・シーレ 死と乙女のネタバレあらすじ:承:ヴァリとの生活
エゴンは森の側の家で生活を始める。妹のアントンとの結婚を妹の若さゆえに許していなかった。エゴンは敬愛するグスタフ・クリムトを訪問する。エゴンの才能を愛するクリムトは寛大にもエゴンと絵を交換し、彼の若いモデル、ヴァリを譲ってくれた。しかし彼は、シーレが少女を裸体画のモデルにつかうことに危惧を覚えていた。エゴンとヴァリは愛し合うようになり、同棲を始める。ヴァリは多くの名作のモデルとなった。しかし、実際は家出した少女をヴァリといっしょにウィーンに連れて行っただけだったのに、少女を誘拐したという嫌疑がエゴンにかかり逮捕される。ヴァリの努力のおかげでその嫌疑は裁判で晴らされるが、エゴンが描いた絵がことごとくわいせつ画像として燃やされるという憂き目に会う。
エゴン・シーレ 死と乙女のネタバレあらすじ:転:ヴァリとの別れ
ヴァリとエゴンはウィーンに移り住んだ。第一次世界大戦が勃発していた。兵士として応召していたアントンとの結婚をゲルティはやっと兄に認めてもらえる。ヴァリたちわずかな参列者によりささやか結婚式が行われた。アデーレとエディットの姉妹にとって、向かいに越してきたヴァリとエゴンは気になるご近所さんだった。やがて彼らは親しくなり、皆で映画に行くようになる。映画館ではモアの出演する映画がかかっていた。映画館を出ると雪。皆で雪遊びをするのだった。エゴンもついに軍隊に入らなければならなくなる。入隊前にエゴンは結婚することにする。向かいの姉妹のうち彼はエディトを選ぶ。結婚は絶対しないという誓約をかつて立てたヴァリであっても、これはショックだった。そして、エディトはヴァリとの関係の清算をエゴンに望んでいた。結婚式の前日、カフェでエゴンはヴァリに一年に一回休暇を共に過ごす契約を持ち出す。つまり愛人でいてくれということだが、これはヴァリに受け入れられることはなかった。 軍隊に入隊したエゴンだが、休暇は駐屯地近くのホテルで妻と過ごし、妻が用意した画材で絵を描ける。しかしエディトは、裸体画にこだわり、エディトの恥ずかしいポーズを描いてしまうエゴンに不満だった。
エゴン・シーレ 死と乙女の結末:成功と死
1918年、ウィーンでエゴンの絵の大規模な展覧会が開かれ大成功を収める。ゲルティも家族と共に会場に兄を祝いに行く。だが、エゴンは従軍看護婦になっていたヴァリの病死の知らせを受け取ったところだった。彼女は緊急時の連絡先をエゴンにしていたのだった。目録のヴァリをモデルに描いた最後の絵のタイトルを『男と乙女』から『死と乙女』に改めるエゴンだった。ゲルティは、エゴンにはエディトの死を知らせずに、エゴンをエディトの実家に引き取ってもらう。ゲルティはかつてモアが出ていた劇場に行く。今やそこは闇市である。エゴンの風邪に効く薬はそこでしか手に入らないが、宝石でないと取り替えてくれない。しかし、エディトの母から宝石をもらって薬と取り換えたときはエゴンももう手遅れだった。エゴンの部屋で遺品の整理が行われる。叔母は鏡を見て、必要がなくなったら返してもらう約束だったとゲルティに言う。そしておびただしい数の絵やスケッチが残されていた。
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