酔いどれ詩人になるまえにの紹介:2005年アメリカ,ノルウェー映画。作家とは名ばかりのチナスキーは、解雇を繰り返し、昼から酒に浸る。そんな彼が唯一続けている事、それは週に数本の短編を新聞社に送る事だった。
監督:ベント・ハーメル 出演:マット・ディロン(ヘンリー・チナスキー)、リリ・テイラー(ジャン)、マリサ・トメイ(ローラ)、フィッシャー・スティーヴンス、ディディエ・フラマン、エイドリアン・シェリー、カレン・ヤング、ほか
映画「酔いどれ詩人になるまえに」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「酔いどれ詩人になるまえに」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「酔いどれ詩人になるまえに」解説
この解説記事には映画「酔いどれ詩人になるまえに」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
『酔いどれ詩人になるまえに』のネタバレあらすじ:チナスキーは今日も酒をあおる
物書きをしているチナスキーは、ドライバーの就業中に酒場で酒を飲みその日のうちに解雇された。新しく部屋を借りなおした彼は、大家の婦人に仕事を聞かれると、自営業、作家だと答えた。夜は机に向かい書くことを怠らない。そんなチナスキーは昼間はタクシーの運転手をしようと試みたが、過去の飲酒運転による逮捕歴を隠していたことがバレ、採用ならず、ピクルス工場で働くことにした。彼は、編集者や世間に流される作家はダメだと言う自戒を持ち、夜には机に向かい、週に3、4本の短編を新聞社に送っていた。ピクルス工場の社長は彼が作家だと知ると、知り合いのジェントリー氏に合わせたがった。けれど、いい身なりをして葉巻をふかしている彼らに生返事をするだけだった、しかし、そんな彼も、自分が良い服を着て、葉巻をふかす想像をし、欧州旅行に行きたいとも思っていた。工場での仕事中に再び飲みたがったチナスキー懲りずに解雇。その夜バーで出会ったジャンという女性に出会い、三日後には彼女の家に転がり込んだ。それからは、昼から飲みながら書くようになった。
『酔いどれ詩人になるまえに』のネタバレあらすじ:転職、そして競馬狂へ
自転車問屋に就職したチナスキーは、同僚と競馬に出かけ、その予想が的中するようになり、競馬で儲けたお金で、高級な服と靴を買った。しかしジャンは貧乏な頃のチナスキーの方が好きだったと小金持ちになった彼をなじった。競馬で稼ぐようになってから問屋の仕事をさぼっていたチナスキーひと月でクビになった。働かず、競馬にもいかなくなると、ジャンは上機嫌になった。チナスキーは、ジャンと競馬場へ行き、観覧席の事で揉めた男と仲良くするジャンが気に入らず、その不動産屋を名乗る男の首を絞め殴った。翌日、気分が悪いと言う彼は、愛がなくてもいいから何かで成功したいと、ジャンが止めるのも聞かず、持ち金の半分を彼女に渡し、出て行った。書く衝動をため込むことのできない彼は、ライバルはあくまでも自分自身で、昼は喫茶店で書き、夜はバーへ行った。そこで出会ったローラの家にまた転がり込んだ。彼女はピエールという紳士に囲われた愛人で、他にもグレースのジェリーを紹介された。しばらくして、ピエールが亡くなると、ローラとも別れ、他の女性たちとも別れた。
『酔いどれ詩人になるまえに』のネタバレあらすじ:実家に顔を出してみれば父親の小言
行く場所の亡くなったチナスキーが実家に帰ると、母親は笑顔で彼を迎えた。しかし父親は、野心も気力もないのにこれからどうやって暮らしていくのかと彼を叱咤し、チナスキーはそんな父親を煽り、家から出ていった。再び新しい職場を決めたチナスキーは、ホテルの掃除係をしているジャンと再会した。するとある夜彼が帰宅すると、彼女が部屋にやってきていてそのまま同棲が始まった。再び解雇されたチナスキーは、今まで原稿を送っていた新聞社を直接訪れた。すると、後日、採用の電話がかかってくる。しかしそれは記者としてではなく、掃除夫としてで、社説を書かせてもらえない事に嫌気がさした彼は、一日目にして仕事中の飲酒が見つかりクビになった。しかし一日分の給料の小切手を取りに連日訪れると、別室に通された。そこで再び記者に雇ってもらえないか交渉するがダメだった。
『酔いどれ詩人になるまえに』の結末:すべてを失った先に
二人は別れ、ジャンは金持ちの所に転がり込んだ。チナスキーは書き続け、家賃滞納で追い出された。今は豪邸に住むジャンに、住所不定じゃどこも雇ってもらえないと愚痴るものの、しまいには何とかなると言って別れ、日雇い仕事のあっせん所へ向かった。そこで同じく職の口を待っていた男性に酒を勧められうっかり飲んでしまうと、ここはバーじゃないと言われて追い出されてしまった。そんなチナスキーの以前住んでいたアパートに郵便物が届く。大家さんはそれを預かった。それは今まで送った現行の返却と、そのうちの一本が採用されたと言う知らせだった。
以上、映画酔いどれ詩人になるまえにのあらすじと結末でした。
『酔いどれ詩人になるまえに』のレビュー・感想:徹底的にやれ
主人公チナスキーの手元に最後に残るのは、常に書く事。職がなかろうが、住む場所に困ろうが、女といようが、彼は常に書き、週に何本か新聞社に送ると言う習慣はやめない。この継続すると言う事は難しい。そして彼のライバルはあくまでも自分自身で、世間の流行りや編集からのアドバイスには一切耳を貸さず、あくまでも自分のやり方を貫き通す。この彼の姿勢は、作家たるものこうあるべきという彼の主張というよりは、彼がプライドと根性だけで書き続け最後に一つ掲載を勝ち取ると言う成功に至ったゆえんだと思う。
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