最高の花婿の紹介:2014年フランス映画。別題:ヴェルヌイユ家の結婚狂騒曲。フランスを代表する俳優クリスチャン・クラヴィエのユーモアあふれる演技が際立つヒューマン・コメディ。美しい4人の娘を育て上げたフランス人夫婦。上の3人は結婚したが、夫はアラブ人、ユダヤ人、中国人となぜか全て外国人。異なる文化と宗教と思考に混乱を極める夫婦の前に現れた、四女の婿候補。それはコートジボワールから来た黒人青年だった。本国フランスで2014年興行成績第1位を記録。上映時のタイトルは「ヴェルヌイユ家の結婚協奏曲」だったが後に「最高の花婿」に変更された。
監督:フィリップ・ドゥ・ショーブロン 出演者:クリスチャン・クラヴィエ(クロード・ヴェルヌイユ)、シャンタル・ロビー(マリー・ヴェルヌイユ)、メディ・サドゥン(ラシッド・ベナセム)、アリ・アビタン(ダヴィド・ヴェニシュ)、フレデリック・チョウ(シャオ・リン)ほか
映画「最高の花婿」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「最高の花婿」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
最高の花婿の予告編 動画
映画「最高の花婿」解説
この解説記事には映画「最高の花婿」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
最高の花婿のネタバレあらすじ:起
フランス中部・ロワール地方のシノンに暮らす、クロード(クリスチャン・クラヴィエ)とマリー(シャンタル・ロビー)のヴェルヌイユ夫妻。彼らには4人の娘がいますが、上の3人は伴侶を見つけて次々と結婚していました。本来ならおめでたいはずが、シノン市役所で結婚の誓いを交わす娘達を見るたびにクロードとマリーの顔に浮かぶ複雑な表情。なぜなら娘達が選んだ相手は全員が外国人。長女イザベルはアラブ人のラシッド(メディ・サドゥン)と、次女オディルはユダヤ人のダヴィド(アリ・アビタン)と、三女セゴレーヌは中国人のシャオ(フレデリック・チョウ)と結ばれたのです。自分は決して差別主義者ではないと言い切るクロードですが、やはり同じ文化や宗教のフランス人を選んでほしかったというのが本音。クロードより寛大なマリーでさえ、娘達にはカトリック教会で結婚式を挙げてほしかったと密かに思っています。ダヴィドの息子の割礼式やシャオが作る中国料理など、カルチャーショックの連続に夫婦は戸惑うばかり。おまけに娘婿3人の仲も決して良いとはいえず、顔を合わせれば互いの国をけなし偏見に満ちた口論を始めるため、娘達も困り果てています。親族で集まるのはもう沢山だと距離を置くクロードと違い、娘や孫が恋しいマリーは寂しさのあまり病院でうつ病と診断されます。マリーに懇願されたクロードは、しぶしぶクリスマスに娘家族全員を招待します。夫婦の最後の希望は、唯一の独身である四女のロール(エロディー・フォンタン)。あの娘ならきっとカトリック教徒のフランス人と結婚してくれるはずだと、2人は希望を抱くのでした。
最高の花婿のネタバレあらすじ:承
クリスマスの準備に張り切るマリーは、娘婿達のために七面鳥を三種類も用意します。クロードも、画家であるセゴレーヌの絵を玄関に飾ります。情緒不安定なセゴレーヌの描く絵はあまりにも陰気なため、普段は屋根裏に置いてあるのです。一方ロールは、1年前から同棲している恋人と結婚話が出ていました。しかし両親にどう切り出そうかと悩んでいます。彼女が選んだ将来の伴侶は、コートジボワール出身の黒人シャルル(ヌーム・ディアワラ)だったのです。そうとは知らないクロードとマリーは、娘家族達が集合したクリスマスを上機嫌で過ごします。普段は一発触発の娘婿達も、雪だるまを作ったりフランス国家を斉唱したりで次第に打ち解けていきます。教会へのミサにも全員が出掛け、ようやく家族が1つになったと夫婦も娘達も感動します。残る問題はロールの結婚相手だけだと考えたクロードは、知人の息子のグザビエをロールに引き合わせます。しかしクロードの思惑は外れ、ロールは全く興味を示しません。同じ頃、クリスマス休暇でコートジボワールの実家に戻っていたシャルルは、両親にフランス人と結婚すると告げて父親アンドレ(パスカル・ソゾンジ)を激怒させます。ロールもようやく両親に結婚したい人がいると打ち明けますが、名前がシャルルでカトリック信者だと聞いたクロードとマリーは勝手にフランス人だと勘違いして大喜び。レストランでシャルル本人と対面し、驚きのあまりしどろもどろになります。その話を聞いた3人の娘婿達は、ロールの結婚を阻止するためシャルルの素行を調査。彼が女性とホテルに入る現場を押さえた証拠をロールにつきつけます。ところがその女性はシャルルの妹。義兄達のとった行動にロールは深く傷つきます。
最高の花婿のネタバレあらすじ:転
ヴェルヌイユ家にやって来たシャルルは、テレビ電話でコートジボワールの両親を紹介します。しかしクロードとアンドレは、結婚式のスタイルや費用で意見がかみ合わず初対面から大ゲンカ。和解しないまま挙式3日前を迎え、シャルルの両親と妹が飛行機でシノンへやって来ます。マリーとシャルルの母親はすぐに打ち解けますが、それすら面白くないクロードは、自分の事務所を同僚に任せて世界一周の旅に出ると宣言。娘達は両親が離婚するのだと思いショックを受けます。その一方で3人の娘婿達はビジネス面で団結。失業中のダヴィドと銀行員のシャオと弁護士のラシッドが知恵を出し合い、高級ハラル料理を開発販売することにしたのです。結婚式の前日。釣りに出掛けようとしたクロードにアンドレが話したいと言い、2人は車で湖に向かいます。口論を続けているとクロードの竿に大きな魚がかかり、2人は協力して釣り上げます。ところがアンドレが魚に手を噛まれてしまい、慌てたクロードがハンカチで手当てします。その後レストランで酒を酌み交わして語り合う2人。どうやって結婚式をつぶすか相談しているうちに意気投合し、泥酔したまま通りに出て警察に逮捕されます。一向に釣りから戻らない2人を家族は心配し、シャルルとロールが湖へ向かいます。そこでクロードが落とした血まみれのハンカチを見つけ、青ざめるロール。警察からの知らせで父親達が留置所にいると聞き、責任を感じて結婚式を取りやめるとシャルルに告げます。
最高の花婿の結末
一晩明けて挙式当日。釈放されて家に戻ったクロードとアンドレは、失望したロールがパリに帰るため家を出たと知ります。激怒しているマリーから挙式が始まる前に教会に連れ戻してとどやされ、2人は大急ぎで駅に向かいます。シャルルが止めるのも聞かず動く列車に飛び乗ったロールは、涙をこらえて窓の外を見ていました。そこへ同じく列車に乗り込んでいたクロードとアンドレが現れます。驚くロールに「私達は親友だ」と言いながらがっつり抱き合う父親達。しかしこの列車はパリまで止まりません。そうと知ったアンドレはいきなり卒倒したふりをして座席に倒れ込み、クロードが急病人だと大騒ぎして列車を急停止させました。教会では家族一同と招待客がまだかまだかと不安を募らせています。そこへ扉が開き、ウエディングドレス姿のロールをエスコートしてクロードとアンドレが登場。シャルルも微笑んで迎え、無事に結婚式が始まりました。式が終わり、アンドレは息子の結婚を心から祝福するとスピーチ。クロードはマリーに二度目のハネムーンに出掛けようと言います。世界一周はマリーとの旅であり、娘婿達をより理解するために中国、アルジェリア、イスラエル、そしてコートジボワールを訪ねたいと言うのです。娘家族一同が笑顔になります。賑やかな披露パーティは夜になっても続きました。
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