旅情の紹介:1955年イギリス映画。舞台「ウエスト・サイド物語」や映画「追憶」の脚本でも知られているアーサー・ローレンツの舞台劇をヴェネツィアロケで映画化。デヴィッド・リーンにとってはイギリス的な題材から離れた最初の作品で、「戦場にかける橋」や「アラビアのロレンス」へのステップボードになった。
監督:デヴィッド・リーン 出演:キャサリン・ヘプバーン(ジェーン・ハドソン)、ロッサノ・ブラッツィ(レナード・デ・ロッシ)、イザ・ミランダ(フィオリニ夫人)、ダーレン・マクギャヴィン(エディー)
映画「旅情」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「旅情」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「旅情」解説
この解説記事には映画「旅情」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
旅情のネタバレあらすじ:起
地中海の沿岸を走ってゆく汽車。そこに乗り込んでいる中年女性ジェーン・ハドソン。8ミリカメラを盛んに回し、観光気分を楽しんでいます。やがて列車はベニスに到着。混雑した駅舎を出ると目当てのフィオリニ荘を目指します。しかし、観光案内所で聞いても行き方が分かりません。とりあえず客引きに従って水上バスに乗り、運河から街の様子をたっぷりと見物。ようやく探し当てたフィオリニ荘は運河沿いの可愛らしいペンションでした。通された部屋も素敵で、眺めもよく、ムラーノ島が見えます。案内してくれた女主人と小さなテラスに出ながら、ジェーンはこのベニスでロマンスを期待していることを語るのです。そんな彼女に女主人は知り合いの男性を紹介しようとしますが、ジェーンは1人で出会いを求め、街に出かけます。
旅情のネタバレあらすじ:承
サン・マルコ広場ではその壮麗な建物に感激。カフェに落ち着き、また8ミリカメラを回します。そんな彼女に目をつけたハンサムな男性。ジェーンもその視線に気づき、ドギマギします。店員から無視された彼女の代わりにウェイターを呼び、男性は知り合うキッカケを作ろうとしますが、勇気のないジェーンはそのまま慌てて逃げ出してしまうのです。
ジェーンは家がないという地元の少年と知り合い、街をブラブラします。そしてベネチアングラスの店の前に来ると、店頭の真紅のゴブレットに魅了されます。驚いたことに、その店主は先程カフェで自分を眺めていた男性でした。
旅情のネタバレあらすじ:転
彼の名前はレナード。言い値のままにそのゴブレットを買おうとするジェーンに、「イタリアでの買い物では必ず値切ること」とアドバイスを与えます。ジェーンは店を出ますが、期待しながら再びカフェへ。案の定、レナードがやってきました。一緒に語り合いたかったのですが、彼はそのまま離れていきます。ガッカリして部屋へ戻るジェーン。少年と再び遊びに出ますが、うっかりして運河に落ちてしまいます。ペンションで着替えたところに、レナードがやってきます。実は少年は彼の甥で、運河に落ちた話を聞きつけたのです。
旅情の結末
彼にエスコートされ、ジェーンは夜のベニスへ。2人は抱き合ってキスをします。ロマンスの望みがかない、夢心地になるジェーンですが、彼に妻がいると分かり、ショックを受けます。しかし、その甘い言葉に負け、その夜もデートに。レナードとついにベッドで結ばれてしまうのです。その後も甘美な時間は続きますが、もう休暇は終わり。アメリカに戻らなければなりません。駅で列車に乗り込むジェーン。見送りにレナードは来ないのかとガッカリしますが、列車が動き出してからようやく姿を見せます。彼はジェーンに花を渡そうとしますが、もう無理でした。ジェーンは投げキッスをして、短いロマンスに別れを告げるのです。
ALLベネチアロケで撮影されたこちらの映画。日本人が花の都パリ!と同じ感覚でアメリカから水の都ベニス!の感覚でバケーションに訪れたキャサリンヘプバーンはとにかく格好が良くて美しい。ベニスの街並みに映える全身白のドレスや、ベル&ハウエル社の16mmのムービーカメラなど小道具まで素敵でした。ドレスを持ってサンマルコ広場でお茶したくなりました。