ヒッチコックの ファミリー・プロットの紹介:1976年アメリカ映画。ふた組の男女が紡ぐ犯罪サスペンスで、アルフレッド・ヒッチコック監督の遺作ともなった作品。イカサマ霊能力者ブランチとその相棒ジョージは、大富豪の老婦人から甥を捜し出すよう依頼される。高額の謝礼金に目がくらんだ2人は調査を開始するが、甥は営利誘拐を繰り返す犯罪者になっていた。
監督:アルフレッド・ヒッチコック 出演者:カレン・ブラック(フラン)、ブルース・ダーン(ジョージ・ラムレイ)、バーバラ・ハリス(ブランチ・タイラー)、ウィリアム・ディヴェイン(アーサー・アダムソン)、エド・ローター(ジョセフ・P・マロニー)ほか
映画「ヒッチコックの ファミリー・プロット」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ヒッチコックの ファミリー・プロット」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ヒッチコックの ファミリー・プロット」解説
この解説記事には映画「ヒッチコックの ファミリー・プロット」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ヒッチコックの ファミリー・プロットのネタバレあらすじ:詐欺師と誘拐犯
舞台は1970年代のアメリカ。大富豪レインバード家に招かれた霊能力者ブランチ・タイラーは、当主ジュリアから人捜しを依頼されました。捜す対象は、40年前ジュリアの妹が未婚のまま出産した男児。ジュリアはスキャンダルを恐れ、赤ん坊を勝手に養子に出してしまったのです。そして高齢となった今、罪悪感から甥を捜し出し、レインバード家の財産を譲ろうと考えているのでした。謝礼金として1万ドルを提示されたブランチは甥捜しを承諾します。レインバード家から出たブランチは相棒ジョージ・ラムレイが待つタクシーに乗り込み依頼について話しました。「いいカモだわ」と笑うブランチ。実は彼女はインチキ霊能力者で、ジョージが事前に集めた情報を元にそれらしく振舞い、礼金を受け取る詐欺師だったのです。同時刻、2人の近くである事件が起こっていました。宝石商アーサー・アダムソンがパートナーのフランと共に、営利誘拐を繰り返していたのです。この夜も人質と交換で大きなダイヤを手に入れた2人。帰宅したアダムソン達は人質を閉じ込めていた隠し部屋を掃除し、ダイヤをシャンデリアの装飾の中に紛れ込ませます。
ヒッチコックの ファミリー・プロットのネタバレあらすじ:墓石の謎
ジョージはかつてレインバード家で運転手をしていた男の娘ハナガンに目を付け、彼女の勤め先に出向きます。そしてハナガンの父が生前親しくしていたシューブリッジ夫妻のことを聞き出しました。夫妻は田舎に移住した際、男の子を養子に迎えたそうです。しかし一家は25年前火事で全員死亡していました。墓地へ行ってみると、シューブリッジ夫妻の墓の隣には、エドワードと名の刻まれた墓石がありました。エドワードこそが捜していたジュリアの甥です。一度は落胆するジョージでしたが、エドワードの墓石がまだ新しいことに気付き郡庁舎を訪ねます。そしてエドワードの死亡証明書が無いこと、以前申請されたものの却下されていること、申請者はジョセフ・P・マロニーという男だと突き止めます。ジョージはマロニーに直接会い、彼の口ぶりからエドワードが生存していると確信。マロニーはジョージが乗ってきた車のナンバーをこっそりメモして所有者を調べ、ブランチの名前と住所を手に入れます。
ヒッチコックの ファミリー・プロットのネタバレあらすじ:交錯する思惑
アダムソンの宝石店にやって来たマロニーは、ジョージとブランチについて報告しました。実はアダムソンこそがジュリアの甥エドワードだったのです。彼は25年前、マロニーと共謀して義理の両親を焼死させ、自分も死亡したように見せかけていました。ジョージ達が自分の過去を嗅ぎ回る理由を知らないアダムソンは警戒します。そんな中、ブランチの元にジュリアから新たな情報が入りました。エドワードに洗礼を施したウッド司教が何か知っているかも知れないそうです。早速ジョージは司教を訪ねますが、彼はアダムソンとフランによって営利目的で誘拐されてしまいます。そしてマロニーはブランチとジョージに電話し、エドワードの情報を売るので山の上のカフェに来いと指定しました。怪しみつつカフェへ向かった2人でしたが、マロニーは姿を見せません。落胆した2人は車で帰ろうとします。ところが車には細工が施され、ブレーキが効かない状態になっていました。犯人はもちろんマロニーです。山の下り坂を猛スピードで走りながら、ジョージは何とか路肩の斜面に突っ込んで車を止めることに成功。計画が失敗したマロニーは2人を車で轢き殺そうとしますが、ハンドル操作を誤り崖から転落して死亡します。マロニーの死を知ったアダムソンはジョージ達を危険だと判断し殺害することにしました。
ヒッチコックの ファミリー・プロットのネタバレあらすじ:明らかになる真実
マロニーの葬儀に出向いたジョージは、彼の妻からエドワードが現在「アーサー・アダムソン」と名乗っていると聞き出します。仕事を抜けられないジョージに代わり、ブランチが街中の「アダムソン」を訪ね歩きました。夜になり、ついにアダムソン宝石店へたどり着いたブランチ。アダムソンは既に退社していましたが、従業員から彼の住所を教えて貰い車で向かいます。アダムソンとフランは司教を麻酔で眠らせ取引現場に向かおうとしていましたが、そこへちょうどブランチがやって来ました。自分がエドワードであることを認めるアダムソンに、ブランチはジュリアのことを話します。予想外の理由に驚くアダムソン。しかし司教の姿を目撃されてしまったので、抵抗するブランチに無理やり麻酔を注射し隠し部屋に運びました。そしてフランと共に取引現場へ向かいます。
ヒッチコックの ファミリー・プロットの結末:反撃
ジョージはアダムソン家の前にブランチの車があるのを見つけ不審に思います。地下室の窓から侵入し家の中を捜していると、取引を終えたアダムソン達が帰って来ました。隠し部屋を開けブランチがまだ眠っていることを確認したアダムソンは、ドアを開けたまま一旦その場を離れます。その隙にジョージが部屋へ入りブランチに声をかけると、狸寝入りをしていた彼女は得意げに笑いました。自殺に見せかけてブランチを殺害するため、アダムソンとフランは彼女を車に運ぼうとします。その瞬間ブランチは跳ね起きドアまで走りました。そして隠れていたジョージが外側からドアを閉め、アダムソンとフランを閉じ込めることに成功します。その時、唐突にブランチの様子がおかしくなりました。フラフラと階段を上がりシャンデリアを指差します。そこにはダイヤが隠されていました。我に返ったブランチに、「君は本物だ」と喜ぶジョージ。ブランチが最後にウィンクをして、この映画も終わりを迎えます。
以上、映画ヒッチコックの ファミリー・プロットのあらすじと結末でした。
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