人生は小説よりも奇なりの紹介:2014年アメリカ映画。同性婚が合法となった、2011年のニューヨーク州。教会で結婚式を挙げ、長年の同棲生活からついに本物の“カップル”となった、画家のベンと音楽教師のジョージ。幸せなスタートを切ったように見えたが、同性愛への偏見からジョージが仕事を解雇されてしまう。さらに、経済的問題でマンハッタンの住居も売却せざるを得なくなり、2人はそれぞれ別の家族と同居するハメになるが…。自身もゲイをカミングアウトしているアイラ・サックスの監督・脚本作品。ショパンやベートーベンといったクラシックの名曲にのせて、恋人や夫婦、家族であることの難しさと尊さを描く。
監督:アイラ・サックス 出演者:ジョン・リスゴー(ベン)、アルフレッド・モリ―ナ(ジョージ)、マリサ・トメイ(ケイト)、ダーレン・バロウズ(エリオット)、チャーリー・ターハン(ジョーイ)、シャイアン・ジャクソン(テッド)ほか
映画「人生は小説よりも奇なり」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「人生は小説よりも奇なり」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
人生は小説よりも奇なりの予告編 動画
映画「人生は小説よりも奇なり」解説
この解説記事には映画「人生は小説よりも奇なり」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
人生は小説よりも奇なりのネタバレあらすじ:起
画家のベンと、音楽教師のジョージ。ニューヨークに住む2人は、39年も人生を共にしてきたゲイのカップルです。同性婚が法律で認められた2011年、念願だった結婚式を教会で挙げた彼らは、親族や友人の祝福を受けて幸せの絶頂にいました。
ところが、2人の結婚を知ったジョージの勤務先の音楽学校は、同性愛への偏見から彼を解雇してしまいます。ジョージの収入がなければ、マンハッタンの家を維持することは困難。彼らは、家を売って新たな住居を探さなければならない状況へと追いつめられます。
家の買い手はなんとか見つかりましたが、2人の住む場所が見つかりません。彼らは運転ができず、郊外に住むことは不可能です。なんとか助けになりたいと思う親族と友人達でしたが、いざ自分の家に泊めるとなると全員が躊躇し始めます。
結局、ベンはブルックリンにある甥のエリオットの家へ、そしてジョージは友人の警官テッドの家へ、それぞれ居候することになります。
人生は小説よりも奇なりのネタバレあらすじ:承
ベンの甥エリオットには、作家の妻ケイトと息子のジョーイがいます。ケイトはしょっちゅう話しかけてくるベンのおかげで仕事に集中できず、ジョーイは自室の二段ベッドをベンとシェアさせられて、次第に苛立ちを募らせていきます。毎晩仕事で帰宅が遅いエリオットは、妻子のイライラには気づきません。
一方ジョージは、テッドが毎晩友達を呼んで大騒ぎすることが耐えられません。2人は電話で苦しみを分かち合います。「誰かと暮らすのは大変だ。見たくない部分も見える」。早く新居を見つけなければと不動産業者に頼み込みますが、71才というベンの年齢から、高齢福祉課に相談するようアドバイスされてしまいます。
ある日のこと、エリオットのアパートの屋上で絵を描いていたベンは、遊びに来ていたジョーイの友人、ヴラッドにモデルを頼みます。快く応じるヴラッドでしたが、それを知ったジョーイは「ゲイみたいだ」と暴言を吐きます。
ジョージもまた、テッドとの同居が耐えきれず、エリオットの家にやって来てベンに泣きついてしまいます。ベンは、そんなジョージを優しく抱きしめるのでした。
人生は小説よりも奇なりのネタバレあらすじ:転
ある晩、ベンは二段ベッドの下から、上で寝ているジョーイに尋ねます。「人を愛したことは?」。ジョーイは、近所に住んでいる名前も知らない少女のことを打ち明けます。一度も声を掛けたことがないと言うジョーイに、ベンは「声をかけるべきだ」と助言します。
その後、屋上で絵を描いていたベンは、階段から落下して病院に運ばれます。医者は、肩の腱板が断裂状態で、二度と絵筆を持つことはできないと宣告。ジョージとエリオット達はショックを受けます。ケイトの介助を受けることになったベンは、ますます家にいるのが辛い状況に陥ります。
そんな時、ジョーイが部屋に隠し持っていたフランス文学の本が、実は図書館から盗まれたものだと判明。ジョーイはヴラッドから渡されたと言いますが、エリオットは激怒。さらにケイトの教育法にも異議を唱えたことで今度はケイトの怒りが爆発。ついに彼女は、ベンが来てからどれだけ生活が厄介になったかをベンの目の前でぶちまけてしまいます。
人生は小説よりも奇なりの結末
ジョージは、テッドの家のパーティでイアンという青年と知り合います。仕事のためメキシコに引っ越すことになった彼は、恋人と住んでいたアパートを引き払うつもりだと言うのです。
イアンの部屋を見せてもらい、ひと目で気に入ったジョージ。ようやく、ベンと共に暮らせる新しい住居が見つかりました。2人は、バーで祝杯をあげます。共に歩んできた思い出を懐かしげに語り合い、今後の明るい人生に思いを馳せます。
そして数カ月後。イアンから譲られたアパートの部屋にいるのは、ジョージ1人きり。そこへジョーイが訪ねてきました。彼は、ベンの葬儀に出なかったことを詫びます。ベンは亡くなっていたのです。ジョーイが欠席したのは、葬儀をベンの最後の思い出にしたくなかったからでした。ジョージは彼の気持ちを理解します。
ジョーイは、ベンが残した一枚の絵を持ってきていました。それは、ヴラッドが描かれたあの作品です。2人はその絵を壁に掛けます。ベンの最後の作品を見つめるジョージ。彼の家を出たジョーイは1人、涙します。しかし、涙をふいて街をスケートボードで滑る彼の隣には、同じくボードに乗った1人の少女が。ベンが助言した通り、ジョーイはようやく少女に声を掛けたのでした。
以上、映画「人生は小説よりも奇なり」のあらすじと結末でした。
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