私を忘れないでの紹介:2016年韓国映画。「私の頭の中の消しゴム」(2004)の大ヒットで日本でもブレイクを果たしたチョン・ウソンと、「彼女を信じないでください」(2004)のキム・ハヌルが初共演した話題作。交通事故に遭い、10年間の記憶が頭から抜け落ちてしまった男。記憶が戻らないまま新たな生活を始めるが、1人の女性と出会って一緒に暮し始める。しかし、幸せなはずの日々を送る男に、なぜかもう1人別の女性の微笑む光景が浮かんでくる。彼女はいったい誰なのか。驚きの結末が胸をしめつける、切ないラブ・ストーリー。
監督:イ・ユンジョン 出演者:チョン・ウソン(ヨン・ソグォン)、キム・ハヌル(キム・ジニョン)、ペ・ソンウ(オ・グォノ)、チャン・ヨンナム(キム・ヨンヒ)、チョ・イジン(ソニ)、イム・ジュウン(ボヨン)、オン・ジュワン(ドングン)ほか
映画「私を忘れないで」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「私を忘れないで」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
私を忘れないでの予告編 動画
映画「私を忘れないで」解説
この解説記事には映画「私を忘れないで」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
私を忘れないでのネタバレあらすじ:起
1人の男が、失踪届を出したいと警察へやって来ます。失踪者との関係を尋ねられた男は、「本人です」と答えます。記憶喪失になり、自分が何者かわからないヨン・ソグォン。交通事故で入院して10ヵ月後に退院したものの、ここ10年間の記憶が消えていました。自宅のマンションに戻っても暗証番号がわからずに鍵を付け替え、部屋に入っても何ひとつ思い出せません。職業は弁護士のようですが、同僚のオ・グォノと再会しても記憶は戻りません。事故に遭う直前、ソグォンの依頼人はキム・ヨンヒという女性でした。ヨンヒは夫が失踪したと主張しますが、警察はヨンヒが夫を殺害したと考えています。ソグォンの事故の後遺症を心配したヨンヒは、裁判に支障がないか医者の診断書を見せてほしいと言います。診断書をもらいに行った病院でソグォンは、自分を見つめて涙ぐんでいる女性に出会います。後日、女性が受付に置き忘れた薬を届けたことから、2人は言葉を交わします。女性はキム・ジニョンといいました。翌朝、自宅で目覚めたソグォンは、隣にジニョンが眠っているのを見て驚きます。ジニョンは、昨日はあのまま2人で飲みに行き、盛り上がってここに泊まったと言います。ところがソグォンにジニョンと飲んだ記憶はないのです。
私を忘れないでのネタバレあらすじ:承
それ以来、ソグォンとジニョンはたびたび会うようになります。夫の殺害容疑で裁判にかけられているヨンヒは、現在のソグォンの仕事ぶりが気にいらず、昔の先生に戻ってほしいと言います。記憶のないソグォンには、過去の自分がどんな人間だったのかわかりません。しかし裁判所の廊下で1人の女性を見かけた時、どこかで会ったことがあるという不思議な感覚に襲われます。その後、ジニョンは半ば強引にソグォンの部屋に押しかけ、2人の同棲生活が始まります。ソグォンは、ジニョンの荷物の中に彼女のウェディングドレス姿の写真を見つけて驚きます。ある日、ソグォンの母親が入院したと病院から電話があります。子供の頃に母親に捨てられて以来、恨み続けていたソグォンでしたが、今の自分には憎しみすら曖昧です。母親は、ボヨンという女性の名を口にします。それが誰なのか気になって心ここにあらずのソグォンは、些細なことでジニョンと口論。傷ついたジニョンは家をとび出します。翌朝、戻らないジニョンを心配したソグォンは、ジニョンが住んでいたアパートに向かいます。そこにはジニョンの友人女性がいて、何も知らないと言います。数日後、ソグォンの母親が亡くなりました。ソグォンは、葬儀に現れたジニョンにプロポーズします。ジニョンはソグォンを自分の弟に会わせます。弟は神父で、教会の結婚式には証人が必要だと言います。ソグォンはオ・グォノにジニョンを紹介し、結婚式の証人になってほしいと頼みます。驚いたオ・グォノは何度も断りますが、結局、根負けして引き受けます。
私を忘れないでのネタバレあらすじ:転
今はカフェを経営していますが、昔は客室乗務員だったジニョン。職場復帰し、ソグォンとオランダへ移住するという夢を描きます。そんな中、キム・ヨンヒが自殺未遂で入院します。キム・ヨンヒは記憶が戻らないソグォンに憤り、昔のことを思いだしてと責めます。ジニョンもまた、自分について何ひとつ聞いてこないソグォンに怒りを見せます。ソグォンは、ジニョンの誕生日すら知らないのです。悲しむジニョンのため、ソグォンはオランダ行きに同意します。キム・ヨンヒの事件は、夫が見つかることで解決しました。借金を抱えていた夫が、愛人を連れて姿を隠したというのが真相でした。ある日、オ・グォノがジニョンを呼び出し、「ソグォンに全てを話してください」と言います。明らかにジニョンはソグォンに何かを隠しており、その秘密を知るオ・グォノは「あなたが話さないなら私が話す」と言って立ち去ります。その頃、ソグォンは保険会社に勤める友人と再会します。彼はボヨンを知っていました。ボヨンは、ソグォンがキム・ヨンヒの裁判で争った検事の秘書でした。ボヨンと再会したソグォンに昔の記憶が戻ります。そこは野球場。ボヨンは、一緒に観戦に来ていたソグォンに告白するつもりでした。しかしソグォンが心惹かれたのはボヨンの先輩の女性で、その女性こそがジニョンでした。その後、2人は結婚。ジニョンはソグォンの妻だったのです。
私を忘れないでの結末
ジニョンとソグォンには、ドングンという小さな息子がいました。しかし夫婦の気持ちは次第にすれ違い、ついにジニョンはソグォンに離婚を申し出ます。ある日、ドングンを乗せて走る車内で、ジニョンとソグォンは口論になります。2人は、信号待ちで車から出たドングンに気づきませんでした。ドングンは車に轢かれ即死。助けようとしたソグォンも轢かれて病院へ搬送されます。息子を亡くした悲しみに、ソグォンは記憶を失くします。やがて記憶は戻りますが、今度は自殺を図って再び入院。10年間の記憶を失います。息子の死を受け入れられず、全てを忘れることでしか生きる道を見いだせないソグォン。そう悟ったジニョンは、ソグォンの人生から消える決心をします。時が経ち、客席乗務員をしていたジニョンは、ソグォンが元気になったと耳にします。しかしソグォンは、ジニョンとドングンのことを忘れていました。そして現在。再び記憶をなくしたソグォンは、誰もいない部屋にキム・ジニョンと名前の書かれた薬の袋を見つけます。ジニョンが誰かわからないまま、ソグォンは「私を覚えている人へ」と手紙を書きます。そして警察へ行き、キム・ジニョンの名前で失踪届を出します。警察から電話を受けたジニョンは、自分の名前で失踪届が出ていることを知ります。大急ぎでソグォンのマンションへと向かい、留守だとわかると必死で街中を探します。とぼとぼと歩くソグォンを見つけ、静かに歩み寄るジニョン。「僕を知っていますか?」と問いかけるソグォンに優しく微笑みます。
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