刺さった男の紹介:2012年スペイン映画。まさかの事故により後頭部に鉄筋が突き刺さって動けなくなってしまった失業中の男。彼を取り巻く人間たちの様々な欲望や思惑をシニカルに描いたスペイン発の風刺ブラックコメディです。
監督:アレックス・デ・ラ・イグレシア 出演者:ホセ・モタ(ロベルト・ゴメス)、サルマ・ハエック(ルイサ)、カロリーナ・バング(ピラール・アルバレス)、ブランカ・ポルティージョ(メルセデス)、フェルナンド・テヘロ(ジョニー)ほか
映画「刺さった男」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「刺さった男」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
刺さった男の予告編 動画
映画「刺さった男」解説
この解説記事には映画「刺さった男」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
刺さった男のネタバレあらすじ:起
かつてはエリートの広告マンだったロベルト(ホセ・モタ)も2年前に失業してからは中々仕事が見つからず、あと数ヶ月で財産も底をつくというピンチに瀕していました。それでもロベルトは最愛の妻ルイサ(サルマ・ハエック)と子供たちのためにもと思い、親友の会社に仕事をもらいに行きますが、友人だからと言って仕事はやれないと冷たくあしらわれてしまいます。深く落ち込んだロベルトは車を飛ばし、ルイサとの思い出の地であるホテルを訪れましたが、ホテルは既に廃業しており、現在では遺跡発掘現場となっており、発掘品を展示する博物館の建設中でした。
刺さった男のネタバレあらすじ:承
建設現場ではちょうど市長がマスコミを集めて会見中でした。いつの間にか建設中の博物館の内部に入り込んでしまったロベルトは何とか外に出ようと出口を探しましたが、その際に脚を滑らせて鉄筋むき出しの階下に落下、鉄筋が後頭部に突き刺さって動けなくなってしまいました。すぐさま市長会見に集まっていたマスコミが大挙、救急車も駆け付けましたが、刺さった鉄筋は脳に達している可能性があり、抜くのは大変困難でした。ロベルトを助けるには遺跡を削る必要がありますが、市長は遺跡に傷がつくことによるイメージダウンを恐れて慎重な立場を示しました。
刺さった男のネタバレあらすじ:転
現場にはルイサも駆け付け、ロベルトの元に広告会社の男がやってきてビールの宣伝をさせようとしたり、テレビ局はこの事態を独占放送して視聴率を稼ごうと画策しました。そんな状況に苛立つルイサに対し、当のロベルトは一転して大金が手に入ると大喜びでした。ロベルトのニュースは誤って「自殺未遂」として報じられ、ロベルトを不採用にした友人も慌てて彼を採用しなかったことを後悔し出しました。現場にはテレビに映りたい野次馬が大挙し、市長はこれは良い観光収入になるのではとまで考えてしまいます。
刺さった男の結末
そんな状況でも、ロベルトはルイサと子供たちに感謝の言葉を述べ、ルイサも夫のこれまでの人生を誇りに思っていました。そしてルイサはテレビ局と交渉、撮影した映像を万が一の形見として譲ってほしいと頼みます。やがて医師団による鉄筋撤去手術が始まりました。成功する確率は低いものでしたがやるしかなく、数名がかりでロベルトから鉄筋を抜き取りましたが出血はひどく、間もなくロベルトは息を引き取りました。ロベルトの死後、あれだけ集まっていた野次馬の姿も消え、現場は静まり返っていました。それでもあるテレビ局の社長がルイサから映像を買い取ろうと大金を用意しましたが、ルイサは大金の入ったアタッシュケースを思い切り蹴り上げて拒否、その場を立ち去っていきました。
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