マッドバウンド 哀しき友情の紹介:2017年アメリカ映画。アメリカの激動の時代、世界大恐慌から第二次世界大戦(1930年代-1940年代)、人種差別の激しいミシシッピー州での白人と黒人一家の葛藤、アメリカの黒人とドイツの白人の恋愛を描いた映画です。マッド(泥)だらけのミシシッピー、人種差別ゆえに歓迎されない白人と黒人の悲しい友情と素晴らしい愛情を描いた映画です。原作はヒラリー・ジョーダン『Mudbound』。
監督:ディー・リース 出演:キャリー・マリガン (ローラ・マッカラン)、ギャレット・ヘドランド -(ジェイミー・マッカラン)、ジェイソン・クラー (ヘンリー・マッカラン)、ジェイソン・ミッチェル ( ロンゼル・ジャクソン)、メアリー・J・ブライジ (フローレンス・ジャクソン)、ほか
映画「マッドバウンド 哀しき友情」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「マッドバウンド 哀しき友情」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
マッドバウンド 哀しき友情の予告編 動画
映画「マッドバウンド 哀しき友情」解説
この解説記事には映画「マッドバウンド 哀しき友情」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
マッドバウンド 哀しき友情のネタバレあらすじ:起;戦争へ行く、ジェイミーとロンゼル、ミシシッピーへの引っ越し
1939年、テネシー州メンフィス、ローラは31歳の男性経験のない白人女性、エンジニアのヘンリー(白人)からプロポーズされます。特にヘンリーが好きではないローラでしたが、現状を変えるために結婚します。ある日、ヘンリーの弟のジェイミーが来ることになり、ローラとヘンリーは駅まで迎えに行きます。食事をしながら、ジェイミーはヘンリーに遠慮なくローラとダンスをします。内心ジェイミーに好意を寄せるローラですが、ヘンリーと結婚し子供を生みます。日本の真珠湾攻撃のニュースが届き、アメリカはドイツ・日本と戦うこととなります。ハプは黒人の農夫、息子のロンゼルが戦争に行くことになり、妻のフローレンスとともに、息子との別れを惜しみます。先祖代々、農地を所有することなく働いてきたハプには、自分の土地を持つ夢があります。ある日ヘンリーはローラに、ミシシッピーに農地を買って引っ越すことを告げます。ヘンリーは父とローラを連れて引っ越しますが、新居には他の人間が住んでいました。不動産屋に騙されたのだと、ヘンリーを怒る父。仕方なく一家は農地に暮らすことを決めます。ヘンリー、父、ローラは農地に着き、そこでハプに会います。ヘンリーの買った農地をハプが借りて働いていたのでした。ハプに引越しの手伝いを頼むヘンリー、ハプをトラックに乗せます。父は露骨に黒人であるハプへの嫌悪、敵意を見せ、暴言を吐きます。
マッドバウンド 哀しき友情のネタバレあらすじ:承;ヨーロッパでのロンゼルとジェイミー、ミシシッピーの人種差別
ヨーロッパ戦線へ行ったジェイミーとロンゼル、ジェイミーは空軍のパイロットとしてドイツ軍と戦います。ドイツ軍の攻撃で死にかけるジェイミーですが、戦友に救われます。しかし、戦争と死の恐怖感から逃れるためか、ジェイミーは酒浸りになりアル中になります。ロンゼルはアメリカ陸軍で戦車を指揮する軍曹になり、激しいドイツ軍の攻撃によって戦友は死んでいきます。ロンゼルはヨーロッパではドイツからの解放軍として歓迎され、ヨーロッパの白人から差別されず楽しんでいるとの近況を家族に知らせます。そして、ドイツ人女性と恋仲になります。1945年5月ドイツ軍は降伏し戦争は終わります。ロンゼルは彼女とベッドでそのニュースを聞きます。ミシシッピーでは、ローラとヘンリーの子供が病気になります。ハプの妻、フローレンスに看病と家事の手伝いを頼むヘンリー、フローレンスはしぶしぶ同意します。そして、フローレンスの看病で子供は回復します。ローラはフローレンスに引き続き働くように頼みます。黒人に対し敵意を見せるヘンリーの父に恐怖感を感じるフローレンス、ハプも反対しますが金のために働くことにします。ヘンリーの農地の白人のミスで、ハプの馬が死にます。また、ハプは農作業中、大怪我をします。農作業のできない、ハプ、ローラは家の金を盗み、医者を雇い、ハプを回復させようとします。泥だらけのミシシッピーの生活に馴染めないローラは、シャワーを浴びることだけが生き甲斐でした。
マッドバウンド 哀しき友情のネタバレあらすじ:転;ミシシッピーでのロンゼルとジェイミーの出会い、不幸なローラ
ジェイミーはミシシッピーに帰ります。ジェイミーを歓迎するヘンリーと父、黒人を憎悪し、戦場での話を期待する父に対し、ジェイミーはしらけた思いです。ミシシッピーに帰るロンゼル、バスの中は黒人と白人で分けられています。故郷の小さな店で買い物をするロンゼル、そこにはヘンリーと父、ローラがいました。黒人用の裏口から店を出ることを要求する父に対し、ロンゼルは戦場での黒人の貢献を話し、反抗的な態度をとります。その晩、帰ってきたロンゼル、ハプ、フローレンスを家族は歓迎します。しかし、ヘンリーが現れ、店での出来事を話し、ハプとロンゼルは謝罪せざるをえません。ジェイミーは戦場の後遺症であるアル中からか、車の音にも恐怖感を感じ倒れます。ジェイミーはロンゼルを助け車にのせます。酒を飲みながら運転する白人に不信感を感じるロンゼル、ジェイミーは戦場で黒人に助けられたことを話し、ロンゼルに酒を勧めます。やがて、ロンゼルはジェイミーを信用し友達になります。ローラは相変わらず、泥だらけの生活と農村の人間関係に馴染めず、ヘンリーと父にも不満を感じます。ヘンリーとの子供を妊娠しますが、ストレスからか流産します。ヘンリーは農作業中も酔っ払うジェイミーと喧嘩をします。ハプとフローレンスは帰国後、何もしないハプを心配します。ある日、ロンゼルはドイツからの手紙で彼女が出産したことを知ります。彼女はロンゼルがドイツへ来ることを望みます。ジェイミーはロンゼルに、ミシシッピーを離れることを告げます。運転中、ヘンリーの父を乗せた車が来ます。ロンゼルはジェイミーとの関係を知られないように隠れます。ジェイミーは帰宅後、父から、黒人となぜ一緒にいたのだと暴力を振るわれます。ジェイミーが去ることにショックを受けるローラは、ジェイミーとセックスします。
マッドバウンド 哀しき友情の結末:ジェイミーとロンゼルの別れ、ロンゼルと子供の出会い
父はトラックの中で、ロンゼルが置き忘れたドイツからの手紙を見つけます。手紙をなくしたことに気がついたロンゼルは、大雨の中探しにいきます。そこでロンゼルは父とKKK(アメリカの人種差別団体)に捕まります。ジェイミーは父に起こされ、KKKがロンゼルをリンチしている場所に連れて行かれます。縄で吊るされるロンゼル、KKKと父はジェイミーを白人の裏切り者とし、ロンゼルの処理をどうするか決めろと拷問します。ジェイミーは倒れ、父により家に連れて行かれます。縄に吊るされたロンゼルは奇跡的に家族に発見され助かります。ローラが父を訪ねると、ジェイミーがいました。ジェイミーは父を殺害したと言います。帰宅したヘンリーにローラは、父は自然死したと言います。父の棺桶を埋めるジェイミーとヘンリー、そこへハプとフローレンスが通ります。ヘンリーは棺桶を埋めるのを手伝えと命令します。手伝うハプ、黒人を憎悪し暴言を吐き、息子をリンチした父の遺体にハプは聖書を読み上げ死者を弔います。ヘンリーはフローレンンスに何かを渡しますが、それはロンゼルのドイツからの手紙でした。ジェイミーは父を殺したのは、ロンゼルと家族に幸せをもたらすためだったと、告白します。ドイツを訪れたロンゼル、そこには彼女と成長した息子がいました。再会を喜ぶ2人、息子を抱きしめるロンゼル、この映画は愛とともに終わります。
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