デルタ・フォースの紹介:1985年アメリカ映画。チャック・ノリスが対テロ特殊部隊デルタフォースの凄腕隊員を演じるシリーズ第1弾です。テロリストにハイジャックされた旅客機を巡って、デルタフォースが死闘を繰り広げます。
監督:メナハム・ゴーラン 出演者:チャック・ノリス(スコット・マッコイ)、リー・マーヴィン(ニック・アレクサンダー)、ウイリアム・ウォーレス(ピート・ピーターソン)、スティーヴ・ジェームス(ボビー)、ロバート・ヴォーン(ウッドブリッジ将軍)ほか
映画「デルタ・フォース」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「デルタ・フォース」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「デルタ・フォース」解説
この解説記事には映画「デルタ・フォース」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
デルタフォースのネタバレあらすじ:起
カイロを飛び立ち、アテネ・ローマを経由してニューヨークに向かう予定だったアメリカン・トラベル・ウェイ(ATW)の旅客機282便が、アラブ系テロリスト集団“新世界革命機構”のメンバー、アブドル(ロバート・フォスター)とムスタファ(デイヴィッド・メナハム)によってハイジャックされました。282便は乗員乗客144人を乗せたまま、目的地をベイルートへ強制的に変更させられました。機長は隙を突いて緊急信号を密かに管制塔に送り、事態を重く見たホワイトハウスはアメリカ陸軍を通じて直ちにニック・アレクサンダー大佐(リー・マーヴィン)を隊長とする対テロ特殊部隊デルタフォースを召集、出動させるよう命じました。
デルタフォースのネタバレあらすじ:承
5年前にデルタフォースを除隊し、今ではノースカロライナ州の農場で引退生活を送っていた歴戦の戦士スコット・マッコイ少佐(チャック・ノリス)にも復帰要請がかかりました。その頃、ベイルートに着いた282便にはテロリストの仲間が乗り込み、一部の人質が別の場所に移動されて監禁されてしまいます。続いて282便はアルジェリア・アルジェへ向かわされ、デルタフォースの先行部隊が突入しようとするも作戦は失敗、一部の人質が見せしめとして処刑されてしまいます。一方、マッコイは全身をミサイルなどで武装した特殊バイクに乗り、信頼する部下ピート・ピーターソン(ウイリアム・ウォーレス)らと共にベイルート入りしました。
デルタフォースのネタバレあらすじ:転
ウッドブリッジ将軍(ロバート・ヴォーン)から人質救出の命を受けたマッコイらはテロリストらの追撃を振り切ってアレクサンダー率いる本隊と合流、テロリストの本部アジトを急襲して人質を解放しますがテロリストらには逃げられてしまいます。執拗にテロリストらの後を追うマッコイらは空港に向かうアブドルらを発見、奇襲を仕掛けてテロリストらと倒し、残った人質を救出しますがアブドルには逃げられ、ピーターソンは撃たれて瀕死の重傷を負ってしまいます。マッコイは部下全員にアレクサンダーの本隊に合流するよう命じ、自らは単身アブドルの後を追いました。
デルタフォースの結末
マッコイは執念の追跡の末に民家に隠れていたアブドルを発見、殺害しました。一方、アレクサンダー率いる本隊は282便の奪還に向かい、テロリストらを排除しながら無事に人質たちを救出、282便と共に脱出しようとしましたが残りのテロリストたちが大挙して襲い掛かろうとしていました。最大の危機にようやくマッコイが駆け付け、テロリストたちは一人残らず殲滅させられました。人質たちは解放を喜び合いましたが、その一方でピーターソンの死を知ったマッコイやデルタフォース隊員らは悲嘆に暮れていました。やがて282便はイスラエルのベン・グリオン国際空港に到着、現地に駆け付けた家族や民衆らの大歓迎を受けました。マッコイらデルタフォース隊員らは米軍の輸送機に乗り込み、民衆の歓声を受けながら帰国の途につきました。
アテネ発、アメリカ行きのジェット機がハイジャックされた。
犯人は、独自の行動をとる、超過激派のアラブ・ゲリラ。
乗客は、様々な人生を背負った人たちだ。
シェリー・ウィンタース、ジョージ・ケネディ、マーティン・バルサム、スーザン・ストラスバーグなどなど。
イスラエル系の男性だけが選び出されて、ゲリラ隊と入れ替えられる。
マーティン・バルサム、ジョーイ・ビショップたち数人。
報復のため、殺害を計画しているのか?
大統領命令で人質救出に突入する、”デルタ・フォース”と命名された特殊コマンド部隊。
リー・マービンの隊長、前線の指揮をチャック・ノリス。
リー・マービンという大物俳優、及び脇役として、個性的な演技派俳優が出演していることで、この作品の風格が一段と上がったような気がする。
「エアポート」シリーズのサスペンスと、「ランボー」シリーズのアクションを一つに合わせたようなうまい作り方だ。
イスラエル出身で1980年代のアメリカ映画界を席巻した、ヨーラン・グローバスとメナハム・ゴーランが設立した量産プロダクション、”キャノンフィルム”の総帥のメナハム・ゴーラン自らが監督した、B級アクション映画の傑作だと思う。
主人公のチャック・ノリスを群衆ドラマの一コマとして捉え、チャック・ノリスお得意の”スーパーアクション”を見せながらも、決してアーノルド・シュワルツェネッガーの「コマンドー」のような独り立ちのヒーローにしなかった点も成功の一因だと思う。
シュワちゃんほどの強烈な個性のない、チャック・ノリスを、怒涛のように展開していくドラマの中に組み込むことで、彼自身も逆に生きて来たと思う。
救出までのアクションに比べて、ゲリラ側の首領(ロバート・フォスター)を追いつめる第二弾のクライマックスは、チャック・ノリスが主演なので、当然、劇画調になって来て、ロバート・フォスターもボコボコにやられてしまう。
そんな中、自分はアイリッシュなのに「キリストを信じているのだから」と、敢えてユダヤの人々の間に入るジョージ・ケネディの牧師。
無事、救出されて喜びあう人々を背に、死んだ友を無言で運ぶ隊員たち。
グッと胸が熱くなるいいシーンだ。
それにしても、この映画は、イスラエル出身の製作者、監督でもあるため、アメリカ賛歌の大合唱、アラブ憎しのその怒りの凄さには驚かされる。