恋する輪廻 オーム・シャンティ・オームの紹介:2007年インド映画。冴えない脇役俳優・オームは大物俳優を夢見て日々を過ごしています。そんな彼が恋い焦がれるのはは人気女優・シャンティプリヤです。ある日、念願かなってシャンティと撮影を共にした日から、彼女との交流が始まりますが、彼女は世間にも秘密にしている事があったのでした。そのことがきっかけで、次々と事件が巻き起こります。
監督:ファラー・カーン 出演者:オーム・プラカーシュ/オーム・カプール(シャー・ルク・カーン)、シャンティ/サンディ(ディーピカー・パードゥーコーン)、パップー(シュレーヤス・タラプテー)、ムケーシュ(アルジュン・ラームパール)、ベラ(キラン・ケール)ほか
映画「恋する輪廻 オームシャンティオーム」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「恋する輪廻 オームシャンティオーム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「恋する輪廻 オームシャンティオーム」解説
この解説記事には映画「恋する輪廻 オームシャンティオーム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
恋する輪廻 オームシャンティオームのネタバレあらすじ:起
今から30年前。冴えない脇役俳優・オーム・プラカーシュは、いつか大物俳優になる事を夢見て、今日も少ない出演シーンを精一杯演じています。彼の友人・パップーや母親・ベラも彼の事を全力で応援し、未来のスターだと信じて疑いません。そんな彼は人気女優・シャンティプリヤに恋をしていて、街にある彼女の主演作の看板に話しかけにいくのが日課となっていました。彼女に会う事が、彼のもう一つの夢でもありました。ある晩、パップーが映画試写会のチケットをちょろまかして会場へ潜り込む事に成功します。出演者が集まった会場で、ついにシャンティプリヤと対面します。映画の上映が始まっても、上階で鑑賞している彼女ばかりを見つめてしまうオーム。帰り道ではパップーと一緒に上機嫌で酒を呑み、将来の優雅なスター生活や受賞スピーチの言葉などを練習したりして盛り上がったのでした。
恋する輪廻 オームシャンティオームのネタバレあらすじ:承
あるとき、ついにシャンティと撮影現場が一緒になります。といっても彼は相変わらずセリフが一言しかない脇役でしたが。しかし、火に囲まれてしまった彼女を助けるシーンで主演俳優が怖じ気づいて逃げてしまいます。火の勢いが凄すぎて、誰も寄り付けない状況で彼は迷わず火の中へ飛び込み、彼女を救いました。これがきっかけで、オームとシャンティはたまに会うようになりました。オームの中でどんどん大きくなるシャンティの存在は、彼の生きる力となっていました。人気俳優だと見栄を張ってみたり、素敵なディナーをセッティングしたり、一生懸命彼女の気を引こうと頑張ります。しかし、ひょんなことから、シャンティはプロデューサー・ムケーシュと秘密裏に結婚をしており、子供まで身ごもっている事を知ってしまいます。彼女は結婚を公にしたいとムケーシュに訴えていましたが、映画界での成功を狙うムケーシュは、次第に彼女を邪魔だと考えるようになり、果てには事故を装って彼女を焼き殺そうとします。偶然その場に居合わせたオームは、彼女を救おうと力の限りを尽くしましたが、一緒に命を落としてしまいます。
恋する輪廻 オームシャンティオームのネタバレあらすじ:転
痛ましい事故から30年後。ボンペイでは若手俳優・オーム・カプールが絶大な人気を得ていました。彼の日常はかつてオーム・プラカーシュが夢見ていた生活そのものでした。そして、彼と瓜二つの顔をしていました。オーム・プラカーシュの母親は、カプールが息子の生まれ変わりだと信じていました。事実、彼はプラカーシュの生まれ変わりだったのです。ある日、偶然にもロケ地となったあの事故現場で、彼も前世の記憶をほのかに思い出します。そして、ある映画祭での受賞スピーチが、彼を決定的にオーム・カプールたらしめます。いつかの夜、パップーと酔っぱらって練習したあのセリフが、すらすらと出てきたのです。家でこの中継を見ていたパップーも、驚きでひとり言葉を失います。そしてこの授賞式で、既に大物プロデューサーとなったムケーシュとも挨拶をかわし、彼は過去に自分の身に何が起きて、この男が何をしたのか完全に思い出したのです。
恋する輪廻 オームシャンティオームの結末
オームは本当の母親の待つ家に帰りました。パップーとも再会し、喜びを噛み締めます。彼は上手く逃げおおせたと思っているムケーシュに天罰を下すべく、行動し始めます。事件の元凶となった脚本をもう一度撮ろうとムケーシュに持ちかけ、シャンティ役を募ります。これも神の思し召しなのか、なんとシャンティに瓜二つな女性・サンディが現れます。なんとか短期間のうちに、舞台をセッティングし、あの手この手でムケーシュにシャンティの霊や怨念を感じさせる演出をしかけます。ムケーシュはだんだんと追いつめられていきますが、あることをきっかけにすべてが作り物だと気づいてしまいます。計画がバレたとは思いもしないオームは、ムケーシュに白状させるべく畳み掛けますが、ムケーシュは余裕の笑みを浮かべます。ようやくオームも計画失敗に気づきますが、すでにサンディはムケーシュを脅す演技を始めてしまいます。彼女の身の危険を案じたオームは止めに入りましたが、彼女は当初のセリフにはない、本人しか知り得ない情報を語りだしたのです。ムケーシュは動転し、シャンティに襲いかかろうとしますが、なにか大きな力が働き、巨大なシャンデリアが落下してきて、絶命したのでした。
とにかくヒロインのデイーピカーが可愛いです。彼女のデビュー作品なんですが、ボリーウッドのメガスター、シャー・ルク・カーンのお相手として不足なし。優雅で上品な人気女優シャンティと、おてんばな現代っ子サンディの二役を上手に演じていました。今やボリーウッドの代表女優の一人となりましたが、この映画でのデイーピカーが大好きです。デイーピカー同様オーム・プラカーシュとオーム・カプールの二役を演じたシャー・ルク・カーンは流石の演技。最近はクールでダンディーな役柄やアクションヒーロー、シリウスな映画への出演が多いですが、彼の魅力はやっぱり、この映画の役柄のように、かっこいいんだけれど、ちょっとお間抜けで、ヒーローなんだけど失敗も多いという二枚目半にあるような気がします。ストーリーは非現実ですが、輪廻転生を信じているヒンドゥー教徒が多数を占めるインドならでは。単なるラブコメディーではなく、ミステリー映画の要素もあり、ハラハラしながらも、最後には必ず悪が滅び、善が勝つという期待を裏切らないインド映画お決まりのエンディングにも、オーム・プラカーシュとシャンティも時を超えて、オーム・カプールとサンディとしてめでたく結ばれるというハッピーエンディングにも大満足です。