フォービドゥン/呪縛館の紹介:2016年アメリカ映画。愛する夫と息子と共に田舎の古い屋敷に引っ越してきたデイナ。楽しく新生活を迎えるはずが、次々と不可解な出来事が起こっていく。「プリズン・ブレイク」の主演俳優ウェントワース・ミラーが脚本を執筆したホラーサスペンス。
監督:D・J・カルーソー 出演者:ケイト・ベッキンセール(デイナ)、メル・レイド(デヴィッド)、ダンカン・ジョイナー(ルーカス)、ルーカス・ティル(ベン)、ミカエラ・コンリン(ジュールス)ほか
映画「フォービドゥン/呪縛館」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「フォービドゥン/呪縛館」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
フォービドゥン/呪縛館の予告編 動画
映画「フォービドゥン/呪縛館」解説
この解説記事には映画「フォービドゥン/呪縛館」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
フォービドゥン/呪縛館のネタバレあらすじ:起・新しい生活
ある日、「ブラッカー判事の館」と呼ばれる大きな屋敷にバロウ家が引っ越してきます。美しい妻のデイナ、5歳のルーカス、妻と息子を愛する優しい夫デヴィッドと、一見この上なく幸せな家族に見えますが、生後3か月の娘を亡くした悲しみからの心機一転の引っ越しでした。屋敷はとても広くて洗練された作りでしたが、古くてひどい雨漏りがしている上に、誰が置いたのか合わせ鏡が置いてあったりと、どこか不気味な雰囲気が漂っています。次の日、デイナは獰猛そうな黒い犬が庭からジッと見つめているのを目にします。ルーカスが屋敷の中で猫を見つけ、ラスカルと名付けて飼う事にします。3人で町のアイスクリーム屋さんに入ってみると、おしゃべりな店長マーティが話しかけてきます。雨漏りのことを話すと、ハンサムで腕がいい職人ベン・フィリップス・Jrを紹介すると言われますが、デイナが「私は建築家なので家の修理は私がします」と言い、断ります。ルーカスが庭にいる犬に怯え、手を血だらけにしている悪夢を見て目覚めたデイナ。気分転換にこっそり庭で煙草を吸っていると、凧の絵が彫ってある墓を見つけます。その時、誰もいないはずの屋根裏部屋に明かりが点いたので行ってみると、屋根裏部屋の奥に隠し部屋がありました。その隠し部屋で明かりが点いたと思われるものの、鍵がかかっていて中には入れません。引っ越し前、この屋敷にまつわる写真や資料が届けられていました。デイナが改めてその写真を見てみると、屋敷の庭で凧が空高く上がっている写真と、ブラッカー判事と庭にいたあの黒い犬が一緒に写っている写真がありました。デイナはオーブンで料理を焼き、タイマーを1時間後にセットします。焼いている間に、屋根裏部屋の隠し部屋の鍵を見つけたので入ってみます。ところが、何者かによって扉を閉められて隠し部屋に閉じ込められてしまいます。隠し部屋の床にある排水溝を覗き込むと小さな人形が見え、その瞬間、ブラッカー判事と娘と思われる少女、泣き叫ぶ夫人の恐ろしいビジョンが見えました。必死にドアを叩いて助けを求めても声は届かず、疲れ切ったデイナは床に横たわって眠ってしまいます。目が覚めると、何時間も経っているのかもう日が暮れていました。少女がデイナの後ろに現れ、「”邪魔”だって」と言って消えます。ドアが開いたため、一目散に部屋から逃げ出しますが、階段を降りるとまだ昼間で、デヴィッドとルーカスが楽しそうに遊んでいます。何時間も閉じ込められていたことを泣きながら訴えますが、「ずっとここにいたけど何も聞こえなかった」と言われます。その時、オーブン料理のタイマーの音が鳴り響き、実際には数十分しか経過していないことに気付き、動揺して怯えるデイナ。デヴィッドは、デイナの心が不安定になっていると感じます。
フォービドゥン/呪縛館のネタバレあらすじ:承・失望の部屋
デイナは、屋根裏の隠し部屋で黒い犬を連れたブラッカー判事に突き飛ばされ、「この子が生まれたのは私のせいか?」と責め立てられ、隠し部屋の奥で「出してくれない」と悲しそうに呟く少女の夢を見ます。デイナは娘を失った後に自殺未遂を起こし、薬を処方されていましたが、薬をトイレに流して捨ててしまいます。デイナは庭で凧が上がっているのが見えたため、凧を追いながら歩いていると、若い男性とぶつかります。アイスクリーム屋のマーティが話していた職人のベンでした。デヴィッドがベンを気に入り、すぐに雨漏りの修理をさせようとしますが、デイナは工事工程をきっちり決めて契約書を交わしてからと主張し、後日また来るようにと言って追い返します。デイナはブラッカー判事について書かれた古い新聞を読み、ブラッカー判事の娘がデイナの娘キャサリンと同じ7月5日に亡くなっていることを知ります。デイナは悪い予感がするから市内に帰りたい、ここには亡霊がいるとデヴィッドに訴えますが、薬は飲んでる?1年は住むと決めただろう、ルーカスに普通の生活を取り戻してやろうと言われます。次の日、デヴィッドは出張に出発します。デイナは老女のジュディスの元を訪れます。デイナにブラッカー判事の館の写真と資料を送っていたのはジュディスでした。早速、隠し部屋のこと尋ねると、その部屋は「失望の部屋」と呼ばれ、障害がある子を世間から隠すために、親と使用人以外誰とも接触させずに閉じ込めるための部屋だと言われます。古い家に憑く霊を研究しているジュディスは、閉じ込められ、ひっそりと埋葬された子達が亡霊になったという説があると語ります。帰宅すると職人のベンが来ていました。二人で身の上話をしながら煙草を吸い、ベンに好感を持ったデイナは雨漏りの修理を依頼することにします。
フォービドゥン/呪縛館のネタバレあらすじ:転・キャサリンの誕生日
ルーカスが猫のラスカルを追いかけていると、少女が静かに佇んでいるのを目にします。デイナもルーカスを捜して屋根裏の隠し部屋の前まで行き、少女を見かけます。驚きながら名前を聞くと、少女は顔の半分をドアで隠しながらローラと名乗り、「”邪魔”だって」と言って消えます。隠し部屋の窓から庭を見ると、ルーカスがラスカルと遊んでいるのが見えてホッとしますが、あの黒い犬がルーカスの後を追っているのが見えたため、慌てて助けに行きます。ルーカスが犬に襲われて血だらけで叫んでいる声が聞こえましたが、それは幻覚で、ルーカスは庭で本を読んでいました。ラスカルが見えなくなったので二人で捜しますが、デイナが無残な姿で亡くなっているラスカルを発見し、ルーカスに見えないように隠します。合わせ鏡が割れてしまったため、鏡を全部取り外してみると中からブラッカー判事の肖像画が出てきます。もう一枚の鏡も割ってみると、判事の妻の肖像画がありました。デヴィッドは、時間の感覚を失って幻覚を見ている様子のデイナが心配だったため、カウンセラーに相談しに行きます。カウンセラーから、今の彼女に必要なのは友達よ、亡き娘キャサリンの誕生日である今度の日曜に、友達を招待してみたら?とアドバイスされます。デイナは、ベンに庭にある凧の絵が彫ってある墓を確認してほしいと頼み、合わせ鏡の裏にあったブラッカー判事夫妻の肖像画を燃やしてしまいます。友人達が来ることになり、デヴィッドは料理の準備に大忙し。ベンは凧の絵が彫られた墓を掘り起こします。ジュディスは、屋敷に憑いた幽霊の新聞記事を読み返して胸騒ぎを感じ、デイナの家に電話をかけますが、誰も出ません。デイナは友人達が到着したのに、一人で車で出かけてしまいます。墓を掘り起こしているベンの後ろにブラッカー判事が現れ、スコップでベンを殴って気絶させます。デヴィッドと友人達は先に食事をしながらデイナを待ちますが、なかなか帰って来ません。やっと帰ってきたデイナは泥酔状態で、「この引っ越しは私にとっては死よ」などと悪態をつき始めます。しかも、今日はキャサリンの誕生日だからとキャンドルを立てた大きなバースデーケーキをテーブルに出してきたため、デヴィッドが強くたしなめます。デイナは「これはキャサリンの誕生会でしょ?お祝いしなきゃ」と泣きながらケーキを切り、テーブルの上の皿やコップを床に叩き割って怒りをぶちまけます。「これ以上無理なの、幸せのフリなんて・・・私の娘なんかに生まれたくなかったのよ。だから息することを止めたの」と泣きながら外に出て行ってしまいます。
フォービドゥン/呪縛館の結末:悲しい過去
デイナは凧の絵が彫られた墓に行き、中からローラの遺骨を見つけます。「かわいそうに。1人ぼっちで」と泣き、立ち上がるとベンが木に吊るされて亡くなっているのを目にします。その時、屋根裏の隠し部屋の明かりが点いたのが見えたため、急いで向かいます。屋敷に入ると、燃やしたはずのブラッカー判事夫妻の肖像画が元通りの綺麗な状態で置いてあります。隠し部屋に行くと、ブラッカー判事夫妻と黒い犬、顔半分に大きな異形のこぶがあるローラがいます。ブラッカー判事は「解放してやるのだ。呪いを断ち切らねば」と呟き、妻が必死に止めるのを聞かずにローラの頭にハンマーを振り下ろします。ローラが手に持っていた小さな人形が排水溝に転がり落ち、ローラは息絶えます。ブラッカー判事は怯えているデイナに近付き、「お前は惨めな母親だ。再び不幸のどん底に落ちるがいい。娘だけでなく息子も死ぬのだ」と呟きます。黒い犬がデイナに襲い掛かり、ブラッカー判事はルーカスの部屋に行き、寝ているルーカスの顔に枕を押し付けます。デイナは無我夢中で犬を倒してからルーカスの部屋に行き、ブラッカー判事の頭にハンマーを振り下ろします。何度も何度もハンマーで殴りつけ、ブラッカー判事は血だらけになって息絶えます。隠し部屋に捕らわれていたローラの霊は庭に逃げ出し、消え去ります。その時、デヴィッドが部屋に飛び込んできて「デイナ!ハンマーを下ろすんだ」と叫びました。ブラッカー判事は幻で、デイナはずっとルーカスのベッドをハンマーで殴っていたのでした。デヴィッドは怯えてパニックになっているルーカスを抱き締め、「大丈夫、怖い夢を見たんだよ」と部屋の外に連れ出します。デイナは呆然としながら隠し部屋に行きますが、部屋には何もなく、庭の木に吊るされて死んでいたベンの死体もありません。デイナは「私、夢と現実の区別がついていないみたい」「ルーカスを殺すとこだった・・・キャサリンも」とデヴィッドに言い、ショックを受けます。キャサリンが生後3カ月だった頃、育児に疲れていたデイナはキャサリンの傍で横になりますが、いつの間にかキャサリンを下敷きにして眠ってしまい、キャサリンは亡くなってしまったのでした。デヴィッドは「それは違う。あれは事故だったんだ」とデイナを抱き締め、「家に戻ろう。もう逃げるのは終わりだ。必ず乗り越えられる」と語りかけるのでした。引っ越しの日、デヴィッドは隠し部屋の扉のネジを抜いて扉ごと取り外し、デイナは排水溝の中のローラの人形を拾います。デイナとルーカスは仲良く話しながら車に乗り込み、一家は屋敷を後にします。デイナが助手席から遠ざかっていく屋敷を振り返ると、ブラッカー判事が屋敷の中からジッと見つめています。ローラの人形に触れながら考え込むデイナ。取り外したはずの隠し部屋の扉が音を立てて閉まるのでした。
以上、映画フォービドゥン/呪縛館のあらすじと結末でした。
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