ダウンタウン物語の紹介:1976年イギリス映画。ギャングの激しい抗争を描いた作品だが、キャストが全員子どもであるため、弾丸ではなくクリームやパイを投げ合う愉快なミュージカルに仕上がっている。20世紀初頭のニューヨークでは、二つの勢力がしのぎを削っていた。ダンディー・ダンが新型クリーム銃を入手し攻勢に出たため、ファット・サム一派は窮地に陥る。バグジーは恋人ブラウシーの夢のため、サムに手を貸しのし上がろうと企むのだった。
監督:アラン・パーカー 出演者:スコット・バイオ(バグジー・マローン)、ジョディ・フォスター(タルーラ)、フローリー・ダガー(ブラウシー)、ジョン・カッシーシ(ファット・サム)、マーティン・レフ(ダンディー・ダン)ほか
映画「ダウンタウン物語」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「ダウンタウン物語」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「ダウンタウン物語」解説
この解説記事には映画「ダウンタウン物語」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
ダウンタウン物語のネタバレあらすじ:暗黒街のクリーム戦争
舞台は禁酒法下のアメリカ、ニューヨーク。街ではファット・サムとダンディー・ダン一派の二大ギャングが抗争を繰り広げていました。そんな街にも、不思議と人を魅了する人気者がいます。ボクシング・プロモーターで二枚目のバグジー・マローンです。彼はサムが経営するかくれ酒場に足を運び、ショーを楽しんでいました。その頃、サムの右腕ロキシー・ロビンソンがダン一派に襲撃され、クリームまみれになって死亡してしまいます。この街ではクリームやパイはとても危険な凶器なのです。残った手下相手に激怒するサム。そこへ歌手のブラウシーがオーディションを受けにやって来ますが、サムは忙しいからと追い返してしまいました。落胆してホールに降りたブラウシーはバグジーと出会い同じテーブルに着きます。バグジーは好意を寄せますが、軽薄な彼にブラウシーは心を許しません。そこにダン一派の襲撃があり、サムは手下のナックルスに「これはマズいぞ」と呟きます。
ダウンタウン物語のネタバレあらすじ:新型クリーム銃
後日、バグジーはブラウシーを食事に誘いました。彼女はハリウッド女優になりたいという夢をバグジーに語ります。一方、サムの陣営は次々襲われクリームまみれになっていました。どうやらダン一派は新型のクリーム銃を手に入れたようです。手下が減り焦るサムは、何とか新型銃を手に入れようと躍起になります。「シンの洗濯店」と呼ばれる店に銃が隠されていると情報が入り、サムはナックルス以外の部下をすぐに向かわせました。しかしそれはダンが仕掛けた罠。待ち伏せしていたダン一派に銃撃され、手下は全滅してしまいます。一方のバグジーは、ブラウシーを雇って貰おうとサムの店を訪れていました。彼に好意を抱く歌姫タルーラは、妖艶にバグジーを誘惑します。避けようとしたバグジーでしたが額にキスされてしまい、それをちょうどブラウシーに目撃されてしまいました。ブラウシーはサムの店で働けることになりましたが、バグジーへの怒りは収まりません。一緒にハリウッドへ行こうという彼の言葉も信じられないままでいました。
ダウンタウン物語のネタバレあらすじ:会談とデート
サムはダンと決着をつけるため、町外れの森で会う約束を取り付けます。ダンとサム、そして互いの運転手のみがその場にいることを許されます。ナックルスが運転出来ないため、サムはバグジーを運転手として雇いました。約束の日、町外れの森に車で向かったバグジーとサム。サムは雇った暗殺者にパイを持たせ、車にこっそり潜ませていました。ダンがやって来て話を始めるも、お互い譲る気が無いので会談は成立しません。暗殺者に合図するサムでしたが、ダンは更に多くの手下を森に潜ませていました。クリーム銃の連射で暗殺者は倒れてしまい、サムは車に乗り込みます。バグジーは機転を利かせてダン一派を森の奥に誘導し、その隙に車で逃げ切りました。サムに働きを認められ、200ドルの報酬を渡されます。そこでバグジーはブラウシーをデートに誘い、楽しい1日を過ごしました。バグジーは明日ハリウッド行きの切符を2枚買うと約束。ブラウシーはとても喜んで彼に抱きつきます。ところがその夜、強盗に襲われたバグジーは無一文になってしまいました。
ダウンタウン物語のネタバレあらすじ:潜入
クリーム戦争は激化の一途を辿り、ダン一派はサムの酒造所や野菜倉庫を襲って潰していきます。更に試作中の銃が暴発してナックルスが倒れ、サムは手下を全員失ってしまいました。窮地に陥ったサムは400ドルでバグジーを雇います。ハリウッド行きが延期になったと知ったブラウシーは激怒し、「バカな私」と寂しげに歌いました。ダンの屋敷に探りを入れたバグジーは、クリーム銃輸入会社の存在を突き止めます。しかし会社は厳重な警備に囲まれていました。そこでバグジーは貧困層に「何事も挑戦しなきゃ分からない」と発破を掛け、彼らを新たな戦力として迎え入れます。皆の力で警備を突破し、見事新型銃の入手に成功しました。
ダウンタウン物語の結末:クリームまみれの大団円
サムの酒場には銃とパイが大量に用意されます。そこへ押し入るダン一派。サムの号令でついに最終決戦が始まりました。クリームとパイが飛び交い、敵も味方もクリームまみれ。するとピアニストがピアノを奏で始めます。陽気な歌と音楽に皆は楽しくなって笑顔になり、手を取り合って大団円となりました。皆が歌って踊るホールから抜け出したバグジーとブラウシー。2人はハリウッドを目指して車を発進させ、この物語も終幕を迎えます。
以上、映画ダウンタウン物語のあらすじと結末でした。
アラン・パーカーが描く子供達は実に魅力的である。特に子供が主役の映画は佳作がそろっている。「小さな恋のメロディー」しかり、「フェーム」しかり。そして初監督作である「ダウンタウン物語」は禁酒法時代のギャング抗争を子どもだけで演じてしまったミュージカルという怪作。ストーリーはたわいもないが大人の役柄をすべて子どもが演じるという妙味やレトロな美術が見どころ。渋くジャージーな音楽を使ったミュージカルシーンも楽しい。フレッド・アステアに憧れる黒人少年が歌い踊る”Tomorrow”は絶品。キャバレーの花形ジュディー・フォスターの”My Name Is Tallulah” の色っぽいこと。
ところで先日ツイッターで”Bad Guys”の動画を見かけて懐かしくなってyoutubeで「Bugsy Malone(現題)」を検索していたら、出演していた子役たちのその後みたいな番組がたくさんあって英米では大人気だったのかとびっくりした。主役のバグジーも渋いイケメンになっていて嬉しかったし、太っちょサムがそのまんま大人になっていて感動した。ジュディー・フォスターが実に楽しそうに饒舌に語っていて、幼い頃から子役として大人の間で仕事をしていた彼女にとって同世代でわちゃわちゃやっていたこの映画はいい思い出だったんだなあとしみじみした。