神の手 血塗られた儀式の紹介:2016年スウェーデン映画。妻子とうまくいかず、父親失格のレッテルを貼られた警察官が、謎のカルト教団かからんだ連続殺人事件の捜査に乗り出す。事件の鍵を握るのは、幼い頃に父親をカルト教団に誘拐されたという1人の女性だった…。「ミレニアム・ドラゴンタトゥーの女」(2009年)が火付け役となり、日本でも人気が定着した北欧ミステリー映画。今作は、残酷な猟奇殺人事件をテーマとしながらも、VFXを駆使することでファンタジックなエンターテインメント・ホラーに仕上がっている。
監督:ラスムス・ティルジティス 出演者:ヨ―ラン・シェーグレン(ヨ―ラン)、アレクサンドラ・ツェッテルベリ(ガブリエラ)、ヨハナ・イドハ(シリ)、クリスティアン・キネル(ノードストレム)、マルガレッタ・ストランド(イヴォンネ)、アレクサンドラ・アレグレン(レベッカ)ほか
映画「神の手 血塗られた儀式」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「神の手 血塗られた儀式」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
神の手 血塗られた儀式の予告編 動画
映画「神の手 血塗られた儀式」解説
この解説記事には映画「神の手 血塗られた儀式」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
神の手 血塗られた儀式のネタバレあらすじ:起
スウェーデンの都市、ヨーテボリ。警察官のヨ―ランは、任務に没頭するあまり家庭をおろそかにし、妻のイヴォンネから別れを告げられています。イヴォンネは息子のセバスチャンを引き取り、もう一度チャンスをくれと頼むヨ―ランに耳を貸しません。ヨ―ランの父親も警察官でしたが、病に侵され入院先の病院で死去。妻子に去られ、愛する父親も亡くして孤独に過ごすヨ―ラン。そんな中、ヨーテボリで2件の殺人が起こります。被害者はどちらも女性で、殺害方法を同じ。性的虐待はなく、手の平を釘で打たれてうつぶせに倒れていました。剥き出しにされた背中には、ナイフで掘られた花のような模様が。ヨ―ランと同僚のノードストレムが捜査に乗り出します。この連続殺人事件を追っているのは、警察だけではありません。ヨーテボリに住むガブリエラという女性もまた、事件に固執する1人でした。ガブリエラは、あるカルト教団が事件にからんでいると睨んでいました。幼い頃、ガブリエラの父親はその教団に連れ去られ、40年以上たった現在も行方不明のままなのです。
神の手 血塗られた儀式のネタバレあらすじ:承
捜査に追われ多忙な日々を過ごすヨ―ランは、イヴォンネと共にセバスチャンの担任教師シリから小学校に呼び出されます。シリは、セバスチャンが何かを悩んでいる様子だと言います。ヨ―ランとイヴォンネは困り果てます。ある晩、ヨ―ランのもとに差出人不明の手紙が届きます。そこには「6本目のろうそくが燃える時、人は闇に葬られる」とだけ書かれており、ヨ―ランは首をかしげます。一方、ガブリエラは友人のレベッカと共に、“神の手”と呼ぶカルト教団の暴挙を止めるべく計画を練っていました。“神の手”を恐れるレベッカは、ガブリエラに協力することに二の足を踏んでいます。翌日、ガブリエラは警察に出向き、ヨ―ラン達に“神の手”の情報を提供します。「教団の目的は邪悪な霊を呼び出すことよ」と語るガブリエラの話を、刑事達はうさんくさげに聞いています。しかしガブリエラは、ヨ―ランが受け取った謎の手紙と同じ内容の手紙を所持していました。さらに、その差出人だと思われるペーテルという男を調べると、すでに殺害されていたと判明。ペーテルは、ガブリエラの父親をさらった教団信者の1人でした。
神の手 血塗られた儀式のネタバレあらすじ:転
“神の手”による連続殺人は続き、ある男性が駐車場で殺害されます。ヨ―ラン達はガブリエラと共に、“神の手”に詳しいとされる男、マルクスの屋敷を訪れます。マルクスの秘書でエーリクという男が、“神の手”の秘密を語ります。16世紀に生まれた “神の手”は、「聖なる母」の存在を盲信する教団。6本のろうそくにより、母である神が蘇ると考えているのです。エーリクの話にヨ―ランは、自分に手紙を送ったのが実はガブリエラだと気づいて彼女を問い詰めます。錯乱したガブリエラは屋敷を飛び出し、1人で走っているところを車に轢かれます。怪我を負って歩く彼女がたどりついたのは、ある教会。そこで布にくるまれた何かを発見したガブリエラは、こっそりバッグに入れて教会を出ます。その後もさらなる被害者が出て、現場に居合わせたヨ―ランとノードストレムがついに殺人者を追いつめます。仮面をつけた全身黒づくめの殺人者は、単独犯ではなく2人。彼らはヨ―ラン達をかわして逃走します。一方ガブリエラは、“神の手”のリーダーの隠れ家をつきとめることに成功。しかしそこで見たのは、捕らわれたレベッカが無残に殺害される姿でした。逃げ出したガブリエラはノードストレムに助けを求め、警察が用意した避難所へと保護されます。
神の手 血塗られた儀式の結末
教団による殺害が続く一方でヨ―ランは、シリとジムで出会ったのをきっかけに一晩ともに過ごします。ところが翌朝、部屋に現れた“神の手”の仮面の男が2人に襲いかかってきます。シリを連れて逃げ出したヨ―ランは、シリをガブリエラと同じ避難所へと連れて行きます。その頃、市内では謎の停電が起き、都市機能が完全にマヒする大騒ぎとなっていました。混乱の中、エーリクとマルクスが殺害されます。その日は日食で、都市はたちまち大きな影に覆われました。避難所では突然、シリがガブリエラに襲いかかります。シリは“神の手”の信者だったのです。署内にいたヨ―ランは、フィンランドで起きた殺人事件の容疑者の似顔絵を見て驚きます。それはシリに瓜二つでした。その時、シリから電話がかかり、ヨ―ラン達はある指定場所に呼び出されます。そこでは、シリと信者達が神なる母を復活させる儀式を行っていました。信者達に捕らわれたヨ―ランは祭壇に縛りつけられ、6本のろうそくが灯されます。ヨ―ランは、手の平に釘を打ちつけられて悲鳴を上げます。シリは箱に入った死者の心臓に口をつけ、そこに大釘をつきたてます。どくどくと鼓動する心臓から流れる血はシリの体を這い回り、恐ろしい姿に豹変したシリは信者を襲い始めます。そこへノードストレムが現れ、信者達と格闘します。怪物と化したシリがガブリエラを捕えて、その生気を吸い取り始めます。ガブリエラは教会から盗んできた3本の大釘を取り出し、自分の腹に突き立てました。それと同時に、シリの姿が塵のように消えていきます。ガブリエラは絶命し、負傷したヨ―ランとノードストレムは救急隊に助けられます。2人の怪我が回復した頃、ヨ―ランの父親の葬儀が行われました。祖父の死と静かに向き合うセバスチャンの姿に、ヨ―ランは父親の眼差しを向けるのでした。
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