サマー・ヴェンデッタの紹介:2016年フィンランド映画。1960年、フィンランドで実際に起こった「ボドム湖殺人事件」をもとに作られたホラー映画。湖でキャンプ中の若者が惨殺され、犯人は現在も見つかっていない。この事件の謎を解こうとボドム湖を訪れた高校生達に襲いかかる、謎の殺人鬼。果たしてそれは昔と同じ犯人なのか。二転三転するストーリーが、奇妙な余韻を残す斬新作。
監督:タネリ・ムストネン 出演者:イーダ(ネリー・ハースト=ジー)、ノーラ(ミモサ・ヴィッラモ)、エリアス(ミカエル・ガブリエル)、アッテ(サンテリ・へリンヘイモ・マンティラ)、イーダの父(イルカ・ヘイスカネン)、イーダの母(ビルヨ・モイラネン)ほか
映画「サマー・ヴェンデッタ」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「サマー・ヴェンデッタ」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
サマー・ヴェンデッタの予告編 動画
映画「サマー・ヴェンデッタ」解説
この解説記事には映画「サマー・ヴェンデッタ」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
サマー・ヴェンデッタのネタバレあらすじ:起
フィンランドの有名な未解決犯罪、「ボドム湖殺人事件」。1960年の夏、森の中にある美しいボドム湖でキャンプをしていた、十代の若者4人が惨殺死体で発見されました。犯人は未だに見つかっておらず、現在もさまざまな説が飛び交っています。冒頭、「映画はこの事件から着想を受けた」という文字が現れます。そして事件から50年以上も経た、現在のフィンランド・ヘルシンキ。「ボドム湖殺人事件」に興味を抱く高校生のアッテは、実際に殺人現場へ出掛けて事件の謎を解こうと考えていました。同行するのは友人のエリアス、そしてイーダとノーラという女の子2人です。イーダとノーラは大の仲良し。ノーラは自由奔放な性格でしたが、父親が自殺したという辛い過去があります。一方、真面目なイーダも、あるパーティーで何者かに睡眠薬を飲まされ、その時撮られた裸の写真が出回ったことから引きこもり状態にありました。イーダは以前からエリアスに想いを寄せており、エリアスもイーダの気持ちに気づいています。アッテは、イーダとノーラにボドム湖行きの本当の目的を教えません。ただ、森の山小屋へ行こうとだけ言って誘います。ノーラは、イーダが元気を取り戻す良いきっかけになると考え、4人は車でボドム湖へと出発しました。深い森の入り口に車を置き、4人は徒歩でボドム湖へ向かいます。殺人事件があった湖畔に到着し、アッテはようやくイーダとノーラに今回の目的を白状します。ボドム湖殺人事件の検証だと聞かされた彼女達は、ばかばかしいと怒り出します。
サマー・ヴェンデッタのネタバレあらすじ:承
真夜中、テントの中で眠っていた4人ですが、誰かが外にいるとイーダが言い出し、エリアスが様子を見に出ます。ノーラも用を足しに森の中へ消え、テントの中にイーダとアッテが残されます。アッテは唐突に、イーダの写真の件の犯人を知っていると言います。イーダは驚きますが、その時、テントの外にいた何者かがアッテを背後から刺しました。森から戻ったエリアスとノーラは、血まみれのアッテと悲鳴をあげるイーダを発見します。アッテは「やつらが来る前に逃げろ」と言い残して息絶え、パニックに陥った3人は森の中へ逃走します。途中、ノーラが足をくじいて転倒。イーダとエリアスはノーラを待たせ、2人で車を探しに出ます。エリアスは、イーダに奇妙なことを言います。「君の写真など存在しない。誰かが君を陥れたんだ」。その時、アッテと同様に何者かが背後からエリアスを刺し殺します。それはレインコートを着たノーラでした。今回のボドム湖行きは、全てノーラとイーダの仕組んだことでした。2人はイーダの写真を撮った犯人がエリアスだと睨んでいました。アッテに誘われ、この機会をエリアスへの復讐に利用したのです。
サマー・ヴェンデッタのネタバレあらすじ:転
ノーラとイーダは、アッテとエリアスの死体を湖に沈めて処分。車で街へ戻ろうとしますが、キーを持っているのがエリアスだと気づきます。泳ぎの得意なイーダが仕方なしに湖に潜ってキーを回収。ようやく2人は車に乗り込み、ノーラの運転で走り出します。しかし、アッテとエリアスの言葉を聞いて疑問が渦巻いていたイーダは、「実際に写真を見たの?」とノーラを問い詰めます。追い詰められたノーラは、全て嘘だと白状しました。イーダがエリアスに恋をしていると知った時から、ノーラはエリアスを憎んでいたのです。イーダの心を取り戻すため、パーティーでイーダを眠らせ、誰かが彼女の裸の写真を撮ったと嘘の噂を流したノーラ。写真など最初から存在しなかったのです。信じられない裏切りにショックを受けたイーダはノーラともみあい、脇道にそれた車は木にぶつかります。そこへ通りかかった車の男が、2人の車をけん引してくれます。顔を見られたので男を殺さなければと言うノーラでしたが、もしやこの男こそがアッテを殺した犯人ではと気づきます。なぜならイーダもノーラもアッテを殺していなかったのです。男の車はものすごい勢いで暴走を始め、イーダとノーラの車は転倒。気を失っていた2人が目覚めると、転倒した状態の車を男が引きずって走り出します。再び逃げようとする2人ですがイーダは怪我で動けず、ノーラだけを車の後部から逃がします。森の中を走るノーラに気づいた男は、自分の飼い犬を森に放ちます。それを見たイーダは恐怖に固まります。必死に走るノーラに獰猛な犬が襲いかかり、ノーラの悲鳴が響きます。
サマー・ヴェンデッタの結末
その後男は、イーダとノーラの乗っていた車を湖に沈めます。ノーラとイーダは唇を接着剤でふさがれ、頭に袋を被せられています。後ろ手に縛られているため動けません。ぶるぶる震える2人に近づく男の手には、ナイフが握られています。男はイーダとノーラを担ぐと床に転がします。そこには既にアッテの死体がありました。イーダとノーラは悲鳴にならない悲鳴をあげながら、悟ったかのように一瞬、見つめ合います。そして暗闇の中、2人の悲鳴がこだまします。その後、なぜかイーダだけが生き残って発見されます。そこに男性のナレーションが入ります。警察は森を捜索し、犯人とされる男と犬の姿を追った。しかし、実際は何ひとつ発見されなかった。少女は混乱し、自分の罪を受け入れられず心が壊れたのだろう、と。結局、イーダの訴えは全てなかったこととされました。この事件からボドム湖はさらに有名になり、新たな男女のグル―プが見物にやって来ていました。そこにはイーダらしき後ろ姿も映りますが、何も語らず、表情も見えないままです。
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