私は殺されるの紹介:1948年アメリカ映画。ラジオドラマを元にしたサスペンスの秀作。ヒロインが電話をかけていくことでストーリーが展開し、意外な結末へとなだれ込む。バーバラ・スタンウィックが熱演を見せ、アカデミー賞にノミネートされた。
監督:アナトール・リトヴァク 出演:バーバラ・スタンウィック(レオナ・スティーヴンソン)、バート・ランカスター(ヘンリー・スティーヴンソン)、アン・リチャーズ(サリー・ロード)、エド・ベグリー(ジェームズ・コターレル)、ウィリアム・コンラッド(モラノ)
映画「私は殺される」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「私は殺される」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
映画「私は殺される」解説
この解説記事には映画「私は殺される」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
私は殺されるのネタバレあらすじ:起
レオナ・コターレルは金持ちのひとり娘。ただ由緒ある家柄の出身ではありません。父親のジェームズが徒手空拳で事業を始め、一代でドラッグストアのチェーンを築き上げたのです。母親が出産時に亡くなり、男手ひとつで育てたこともあって、ジェームズはレオナを甘やかし放題。おかげで彼女はなんでも欲しいものをほしがるワガママな娘に成長しました。女子大学で寮生活をすることになったのですが、部屋をシェアしていたサリーのボーイフレンドであるヘンリー・スティーヴンソンを好きになり、略奪婚。ヘンリーは貧しい家の生まれで、高校すら出ていません。レオナはわがままぶりを発揮して、万事につけてヘンリーを自分に服従させます。教育のないことを卑下しているヘンリーはただ黙って耐え忍ぶだけ。レオナの言う通りに義父の会社に入り、コツコツと仕事をすることになります。
私は殺されるのネタバレあらすじ:承
やがてレオナは持病である心臓病が悪化し、一日中ベッドに入ったままの生活に――。おかげでヒステリーがひどくなり、ヘンリーの献身をさらに求めるようになっています。そんなある夜、レオナが例によって会社のヘンリーに電話をかけたところ、混線が起こります。男2人が喋っていて、どうやら誰かを殺す計画を話し合っているようです。レオナは警察に電話をしますが、証拠がないというので相手にしてくれません。ヘンリーに何とかしてもらうと会社に電話しても応答なし。ヘンリーの秘書の家に電話してみると、「昼間にオフィスを訪れた女性と会っているのでは?」といわれます。
私は殺されるのネタバレあらすじ:転
名前を頼りにその女性に電話をかけると、何とそれはヘンリーの元ガールフレンドでルームメイトだったサリーでした。彼女はヘンリーをレオナに奪われた後、別の男性と結婚。夫は法律の専門家として地方検事局に勤めています。そして夫が同僚と交わしている話にヘンリーの名前が出てきたのです。ヘンリーのことを心配したサリーは、居ても立ってもいられず、オフィスに彼を訪ねたといいます。彼女はヘンリーと一緒にレストランにいって話を交わしましたが、彼は何を訊ねても周りの目を気にするだけで詳しいことは話してはくれません。
私は殺されるの結末
どういうことなのか訳が分からず、さらに不安を強めたレオナのところに新たな電話がかかってきます。それは父親の会社の調薬部門の責任者・エヴァンスでした。彼は自分とヘンリーが機密の薬をモラノという闇社会の男に横流ししていたこと、そのうち金に目がくらんでモラノを介さずに直接相手先と取引を始めたこと、それにモラノが怒って「これまでの損失分をすぐに返せ」と迫られたこと、ヘンリーが「そんな金はない」というと「保険金目当てにレオナを殺せばいい」とモラノに助言されたことを告げます。そして切羽詰まったヘンリーは殺し屋にレオナの殺害を依頼したのでした。つまり、レオナが電話の混線で偶然耳にしたのは、ヘンリーと殺し屋が交わしていた会話だったのです。エヴァンスによれば警察がモラノを逮捕したため、もはや金の心配はいらないとのことでした。
その後、ヘンリーからレオナに電話がかかってきます。泣きながら夫を詰るレオナ。モラノが逮捕されたことを知ったヘンリーは「窓のところに行って大声で助けを呼ぶんだ」とレオナに叫びます。その時には殺し屋がレオナのそばまで迫っていました。そして抵抗むなしく、レオナは殺されてしまうのです……。
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