グッバイ・ゴダール!の紹介:2017年フランス映画。パリに暮らす哲学科の学生である傍ら、駆け出しの女優でもある19歳のアンヌ。世界中から注目される気鋭の監督、ジャン=リュック・ゴダールと恋に落ちたことで人生が大きく変わっていく。新しい仲間と映画を作る刺激的な毎日やゴダールからのプロポーズなどアンヌを夢中にさせる出来事ばかり。ところがパリの街ではデモ活動が日に日に激しくなり2人の運命を変えていく。原作はゴダールの2人目の妻、アンヌ・ヴィアゼムスキーの自伝的小説『それからの彼女』。ファッションや街の風景、また音楽や映画など今も色あせない全世界憧れの60年代フレンチカルチャーの詰まった作品。
監督:ミシェル・アザナヴィシウス 出演:ルイ・ガレル(ジャン=リュック・ゴダール)、ステイシー・マーティン(アンヌ・ヴィアゼムスキー)、ベレニス・ベジョ(ミシェル・ロジエ)、ミシャ・レスコー(ジャン=ピエール・バンベルジェ)、 グレゴリー・ガドゥボワ(ミシェル・クルノー)、フェリックス・キシル(ジャン=ピエール・ゴラン)ほか
映画「グッバイ・ゴダール!」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「グッバイ・ゴダール!」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
グッバイ・ゴダール!の予告編 動画
映画「グッバイ・ゴダール!」解説
この解説記事には映画「グッバイ・ゴダール!」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
グッバイ・ゴダール!のネタバレあらすじ:起
とある撮影現場。19歳のアンヌ・ヴィアゼムスキーを撮るゴダールの心の声とも取れる「彼女は僕を捨てる」とナレーションから始まります。ゴダールは『勝手にしやがれ』『気狂いピエロ』などのヒットを飛ばし、世界中から注目される気鋭の監督となっていました。アンヌはそんなゴダールと出会い恋に落ち、新作『中国女』の主演女優に抜擢。これまでに出会ったことのないような新しい人々に囲まれて映画を作る刺激的な華々しい毎日を送っていました。そんなある日の朝、アンヌはゴダールよりプロポーズをされます。ノーベル文学賞を受賞した作家を祖父に持つアンヌと、ヌーヴェル・ヴァーグを代表する監督の1人のゴダールの結婚は世間から注目され、アンヌの心は踊っていました。
グッバイ・ゴダール!のネタバレあらすじ:承
しかし、時代は1968年。街ではド・ゴール政権に反対を訴えるデモ活動が日に日に激しさを増していきます。ゴダールも学生や労働者と肩を並べてデモに参加し機動隊へ立ち向かいます。次第に娯楽映画製作の意欲を無くし、政治的活動に身を投じていくゴダール。討論会では突拍子も無い発言で学生たちを失望させては追い出され、その度にアンヌになだめられていました。そんな中、アンヌは親友のプロデューサー、ミシェル・ロジエから共通の友人である監督の作品がカンヌ国際映画祭に選ばれたため応援に行こうと誘われます。しかしゴダールはド・ゴール政権下の映画製作を批判し、映画祭を中止すべきだと主張し反対します。それでもカンヌへ行きたいアンヌは初めて夫に反抗しミシェルと共にカンヌで優雅なバカンスを楽しみます。一方ゴダールは、フランソワ・トリュフォー、アラン・レネ、クロード・ルルージュらと共にカンヌへ乗り込み映画祭を中止へと追い込んでいきました。
グッバイ・ゴダール!のネタバレあらすじ:転
パリへ戻ったゴダールは、決意します。”ゴダール”の名を捨て、友人ジャン=ピエール・ゴランと共に「ジガ・ヴェルトフ集団」を結成。アンヌに向かってこれまでにない映画を撮ると言い放ちます。ある意味で死んでしまったゴダールを前に複雑な表情を見せるアンヌ。この頃から2人の間に影が立ちこめます。ある日、ゴダールの元に電話が入りました。イタリアで注目を浴びていたベルナルド・ベルトリッチ監督からでした。映画会議に誘われたゴダールとアンヌはローマへ向かいました。しかし聴衆に巨匠扱いされることに苛立ちを見せたゴダールは席を立ってしまいます。その日の夜、ベルトリッチと激論を交わした末絶交。1人ホテルへ帰ってしまいます。周りを失望させていくゴダールに心が揺れていたアンヌのもとへ、ある日イタリアの奇才マルコ・フェレーリ監督から新作の出演依頼が届きます。妻の活躍に気がすすまないゴダールでしたが、アンヌは女優として受けることを決意します。ゴダールは撮影のためチェコへ、アンヌはイタリアへそれぞれ離れた生活を2ヶ月間も送ることとなったのです。
グッバイ・ゴダール!の結末
イタリアでの撮影は、フェレーリ監督が現場を盛り上げて常に明るく楽しいムードでした。アンヌにも笑顔が戻り、順調に仕事をこなしていましたが、そこへ突然ゴダールがやってきます。和やかな撮影現場に嫌気がさしたゴダールはホテルでアンヌと口論になります。「嫉妬する夫にさせたのはお前のせいだ」と言い放つゴダールに耐えられなくなったアンヌ。「もう愛していない。自分は孤独だと嘆くけれど、あなたが皆を拒んでいる」と言い返すとさっさとベッドに入り眠りにつきました。翌朝アンヌが目を覚ますと、ゴダールが隣で動かなくなっていました。慌てたアンヌはみんなを呼び、一命はとりとめたものの、この自殺未遂により2人の愛は一層冷え切ったものとなります。その後、ジガ・ヴェルトフ集団の撮影を再開したゴダールでしたが困難に突き当たります。午前中に全員で撮影内容を話し合い、午後から撮影を開始するという新しく手法は、意見がまとまらずうまく行きません。民主主義を優先するか独裁をしていくか、または政治をとるか映画をとるか。苦悩を見せるゴダールでした。
以上、グッバイ・ゴダール!のあらすじと結末でした。
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