エンドレス・マーダーの紹介:2015年オーストラリア映画。殺し屋と“不死身の男”の奇妙な因縁を描いたオーストラリア発のクライム・スリラー映画です。最愛の妻を交通事故で失った失意の殺し屋の元に自殺願望のある画家が現れ、自分を殺してくれないかと依頼してきました。殺し屋は仕方なく彼の殺害を試みるのですが、どうしても殺すことができず…。
監督:ドルー・ブラウン 出演者:スティーヴ・マウザキス(スティーブン・ライ)、レオン・ケイン(パーシバル)、ジョス・マックウィリアム(トーマス)、マシュー・スカリー(ブラッド)、ゾーイ・デ・プレヴィッツ(アニー)、トッド・レヴィ(医師)ほか
映画「エンドレス・マーダー」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エンドレス・マーダー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
エンドレス・マーダーの予告編 動画
映画「エンドレス・マーダー」解説
この解説記事には映画「エンドレス・マーダー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エンドレス・マーダーのネタバレあらすじ:起
凄腕の殺し屋スティーブン・ライ(スティーヴ・マウザキス)は、3年前に最愛の妻アニー(ゾーイ・デ・プレヴィッツ)を轢き逃げ事故で失った過去を未だに引きずっていました。スティーブンは事故のトラウマで交差点を歩い渡ることができず、ちょっとした移動でもタクシーを呼ぶ程で、時々アニーの形見の下着を身に着けたり、愛用の口紅を塗ったりして気を紛らわしていました。
そんなある日、スティーブンの元にパーシバル(レオン・ケイン)という男が現れ、大金を提示するとスティーブンに「自分を殺してほしい」と依頼してきました。パーシバルはかねてから自殺願望を持っており、何度も自殺を試みたものの死ねなかったということです。スティーブンは仕方なくその依頼を引き受け、至近距離でパーシバルを撃ってその場を去りました。
その後、スティーブンは雇い主のトーマス(ジョス・マックウィリアム)からフランク・デュボア(ミルコ・グリリーニ)という人物の殺害依頼を受けましたが、移動中のタクシーに飛び降りた人物が衝突、過去のトラウマでパニック発作を起こしたスティーブンは気絶してしまい、フランクを殺すことができませんでした。
エンドレス・マーダーのネタバレあらすじ:承
スティーブンに撃たれたはずのパーシバルは一命を取り留めていました。体内から弾丸を摘出している際に悪性腫瘍が見つかり、その治療も済ませたというおまけつきでした。
パーシバルは再びスティーブンの元を訪れ、改めて自分の殺害を依頼しました。スティーブンは驚きながらもパーシバルの頭を撃ち、パーシバルは右目を貫通しながらも死ねませんでした。
驚いたスティーブンはなぜそこまでして死にたがるのかパーシバルに問うと、彼はその理由を語り始めました。ゲイであるパーシバルは3年前に恋人のクリスを何者かに殺されており、その日以来自暴自棄に陥っていたのです。スティーブンはその後も何度かパーシバルの殺害を試みるも果たせず、そのうちにスティーブンは妻を失った自分の境遇にパーシバルを重ね合わせるようになっていました。
エンドレス・マーダーのネタバレあらすじ:転
パーシバルは才能のある画家であり、自宅を訪れたスティーブンは亡き恋人クリスを描いている最中の絵を見せてもらいました。そんなパーシバルに感銘を受けたスティーブンは必死でトラウマを克服しようと投薬治療を受けることにしました。
それからスティーブンとパーシバルは一緒に食事に行ったり、ゲームをしたりと親交を深めていき、互いの過去を腹割って語り合った二人は自然と友情を育んでいきました。
そんなある日、スティーブンの自宅を訪れたパーシバルは、部屋の中からアニーが事故に遭った日に着ていたワンピースのボタンを見つけて顔面蒼白になり、その場から逃げるように立ち去っていきました。パーシバルの行動に不信感を抱いたスティーブンでしたが、その直後に犯罪者と対峙していた警察官を助けたスティーブンは感謝の意を伝えられ、常日頃からパーシバルが「全ては運命で決まっている」という言葉を思い出して彼に電話をかけ、金は返すから殺害依頼を返上したいと申し出ました。その後、独りでアニーの趣味だったオペラ鑑賞に出かけたスティーブンは泥酔したパーシバルと会い、アニーのボタンを受け取りました。そこで隠されていた事実が明らかになりました。
エンドレス・マーダーの結末
3年前、クリスを亡くしたパーシバルはヤケ酒を飲み、そのまま飲酒運転していたところ、誤ってアニーを轢き逃げしてしまっていたのです。そして、フランク殺害に向かったスティーブンのタクシーに飛び降りてきたのも実はパーシバルだったのです。真実を知ったスティーブンはパーシバルを殺そうとしましたが、近くに警官が通りかかったので断念して逃亡しました。
後日、スティーブンはパーシバルが飛び降り自殺を図ろうとしているところを目撃、すぐさま駆け付けました。許しを請うパーシバルをスティーブンは許すことができず、パーシバルに抱きしめられたスティーブンはその手を放して突き落としました。パーシバルはようやく望み通りに死んでいきました。
スティーブンはパーシバルの葬儀に参列、パーシバルの兄トッド(ニコラス・クーパー)から彼の遺作を展示した展覧会に招待されました。スティーブンはトーマスと会い、殺し屋稼業から足を洗うと告げたところ、トーマスは姿を消していきました。実はトーマスはスティーブンの作り出した幻であり、殺し屋稼業というのもアニーを撥ねた車のナンバープレートを頼りに関連すると思われた人物を片っ端から殺害していたのです。
展覧会を訪れたスティーブンは、パーシバルの遺作となったクリスを描いた絵を見て衝撃の事実に気付きました。3年前、スティーブンは些細なことからある人物を殴り殺しており、その人物こそがクリス本人だったのです。気が動転したスティーブンはそのまま車道に出、トラックに撥ねられましたが奇跡的に一命を取り留めました。スティーブンは病院で医師から「生きているとは幸運だ」と言われ、苦笑いを浮かべました。
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