エンジェル、見えない恋人の紹介:2016年ベルギー映画。姿が見えない男の子エンジェルと、目が見えない女の子マドレーヌの幸せに満ちた日々。声、匂い、息遣い、そして肌が触れ合う感触など、シンプルな言葉で互いの存在と愛を語っていく。やがてマドレーヌは視力を取り戻す。自分の秘密を打ち明ける恐怖を抱えるエンジェルの葛藤とピュアな愛。物語は見えない男の子エンジェルの語り部によってほぼ全編、彼の視点を通した映像世界で描かれている。見えないはずのエンジェルの実在感は心情をより確かに演出してくれる。
監督:ハリー・クレフェン 出演:フルール・ジフリエ(マドレーヌ)、エリナ・レーヴェンソン(ルイーズ/エンジェルの母)、マヤ・ドリー(10代のマドレーヌ)、ハンナ・ブードロー(幼少期のマドレーヌ)、フランソワ・ヴァンサンテッリ(エンジェルの父)、ゴーティエ・バトゥー(成人のエンジェルの声)、レオ・ロルレアック(10代のエンジェルの声)、ジュール・マイニー(幼少期のエンジェルの声)ほか
映画「エンジェル、見えない恋人」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「エンジェル、見えない恋人」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
エンジェル、見えない恋人の予告編 動画
映画「エンジェル、見えない恋人」解説
この解説記事には映画「エンジェル、見えない恋人」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
エンジェル、見えない恋人のネタバレあらすじ:起
ベッドの上で赤ん坊を愛情いっぱいにあやすルイーズ。彼女の手の中には姿の見えない着衣だけの赤ん坊。彼女がエンジェルと呼び大切に育てている息子は、誰の目にも姿が見えないという不思議な特異体質を持っていました。ルイーズは赤ん坊に言って聞かせます。「お前が生まれる前、パパとママはマジシャンだったのよ。得意技は姿を消すイリュージョン。お互いに愛し合っていたの」と。しかしエンジェルの父が突然の失踪をしてしまい、心を病んだルイーズは施設に入居していたのでした。世間との接触を一切断ち、エンジェルの存在を誰にも知られることなく懸命に育てるルイーズ。湖の小屋の話を聞かせたり、勉強を教えたり、できる限りの愛情をかけ育てられたエンジェルは優しい男の子へと育っていきました。
エンジェル、見えない恋人のネタバレあらすじ:承
そんなある日、エンジェルがふと部屋の窓から向かいの屋敷を見ると、1人で遊ぶ女の子の姿を見つけました。初めて見る施設外の人の姿。一瞬で好きになりました。彼女のことが気になって仕方がないエンジェルはある日、母の忠告も聞かず施設を抜け出し屋敷に近づきますが、声をかける勇気などなくブランコに乗る彼女をただ見つめているだけでした。すると女の子から声をかけられます。「こんにちは、はじめまして」エンジェルは見えないはずの自分の姿がまるで見えているかのような彼女の言葉に驚き、「ぼくのことが見えるの?」と尋ねます。女の子はマドレーヌといい盲目でした。さらに声と匂いでエンジェルの気配が分かったと言うのです。目が見えないためエンジェルの秘密には気づかないマドレーヌでしたが、2人が惹かれあうことに視力は不要でした。かくれんぼをしたり草の上に寝そべって語り合ったり、ときにはキスをしたりと互いの身体や存在を確かめ合う日々が続きました。
エンジェル、見えない恋人のネタバレあらすじ:転
一方、ルイーズの容態は日に日に悪くなっていきます。たびたび施設を抜け出すエンジェルに心の支えも薄れていく様子でした。それでもエンジェルはマドレーヌのことが好きで好きでたまりません。しかし、幸せな毎日を過ごしている中、マドレーヌに目の手術を受けることを告げられます。「視力が回復すれば、あなたの姿を見ることができる」とマドレーヌ。エンジェルは彼女の視力が戻ることは嬉しいけれど、それは同時に自分の秘密を知られることになると不安に襲われます。手術のため少し留守にすると言われたマドレーヌに対し、待っていると伝えることが精一杯のエンジェルでした。少しの留守の予定が、数ヶ月、数年と歳月が流れていきました。ある日の晩、ルイーズは「私が死んだら、いつも話していた小屋に身を潜めて」と言い残し、それ以降目を覚ますことはありませんでした。エンジェルは母がマジシャンだったときに来ていた赤いドレスを遺体にかけ、深い悲しみに涙しました。
エンジェル、見えない恋人の結末
そんなある日、ついにマドレーヌが屋敷に姿を見せました。会えなかった歳月はマドレーヌを一層に美しくさせ、視力も回復した様子にエンジェルはなんとも言えない不安を感じていました。マドレーヌは辺りを探します。しかし、どこにもエンジェルの姿はありません。施設でルイーズの訃報を知ったマドレーヌは、お墓を訪れエンジェルに宛てた手紙を残していきます。“戻ったわ。どこにいるの?手紙を見たら姿を見せて”と書かれた手紙。全てを見守っていたエンジェルは、昔のように目を閉じて会いたいと返事の手紙を書きます。こうして再会したふたり。以前にも増して互いを強く求め、過去の夢心地が戻ってきたのでした。しかし、姿を見たいというマドレーヌの想いは消えません。意を決したエンジェルはついに秘密を打ち明けたのです。信じられない光景にマドレーヌは傷つき、泣き疲れたまま眠りにつきます。目を覚ますと一通の手紙を残しエンジェルは気配を消してしまいました。マドレーヌは昔のように匂いと息遣いに集中しエンジェルを探します。絶望と失望にかられ湖に身を投げたエンジェルを命からがらマドレーヌが救いました。意を決したふたりに怖いものはありません。マドレーヌは心で感じる訓練をし、エンジェルが見えるよう工夫を考えていきます。子供も授かり、2人が選んだのはマジシャンという道でした。
以上、エンジェル、見えない恋人のあらすじと結末でした。
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