華氏119の紹介:2018年アメリカ映画。2016年11月9日、ドナルド・トランプがアメリカ大統領の勝利宣言をした。アメリカはもちろん、世界中の人々が何かの間違いではないかと驚いた。支持率も得票数さえもヒラリー・クリントンが上回っていたのになぜ当選できたのか?ムーアの執念の突撃取材により真実が次々と暴かれていく。その一方で、カメラは銃乱射事件で生き残った高校生の銃規制強化への涙の訴えや汚染水問題を抱えた住民、教師によるストライキなどの勇気ある行動も映し出す。次回の大統領再選という未来を体当たりで阻止するために、監督生命をかけたムーアの闘いの実録でもある。
監督:マイケル・ムーア 出演:マイケル・ムーアほか
映画「華氏119」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「華氏119」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
華氏119の予告編 動画
映画「華氏119」解説
この解説記事には映画「華氏119」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
華氏119のネタバレあらすじ:起
2016年11月。アメリカ合衆国大統領選挙は、ほとんどの国民やメディアで「あり得ない」と言われていた共和党のドナルド・トランプが、民主党のヒラリー・クリントンを破って当選しました。ことの発端はNBC放送からのギャラが、歌手のグウェン・ルネイ・ステファニーのほうが高いことを知ったトランプが、自作自演のフェイクニュースで大統領選出馬会見を開いて自分の人気を見せつけようとしたことから始まりました。「メキシコ移民は強姦魔。ドラッグの売人」トランプのこの侮辱発言で彼はNBCをクビになりましてが、センセーショナルな彼の言動はメディアからは"ドル箱のネタ"とされ、大々的に面白おかしく扱われることとなりました。
華氏119のネタバレあらすじ:承
2010年にミシガン州知事に当選したリック・スナイダーは、市政府の権限を奪うと、自己の利益を優先。黒人の街フリントの水源を、汚染された川に切り替えたことによって、住民たちに生涯完治することのない鉛中毒などの深刻な問題をもたらせるなど、ひどいやり方で政治を行なっています。そんなスナイダーを支持していたのがトランプでした。さらにトランプは選挙制度を破錠させるために、大統領選挙の予備選挙では共和党の前衛候補者たちを攻撃して全員撤退。そして民主党予備選で旋風を巻き起こしたバーニー・サンダースさえも敗退させてしまいました。
華氏119のネタバレあらすじ:転
フリント保険局では改ざんが行われていました。レジオネラ症による死亡者が急増したことに市民は抗議しますが、知事は耳を貸しません。腹を立てたムーアはそんな知事の屋敷へフリントの水をタンク車で運び放水します。しかしその中で2018年11月の中間選挙に向け、民主党から連邦議会に立候補し選挙運動を始めた人々もいました。子供達の劣悪な環境を見かねたウェスト・ヴァージニア州の元軍人、下院議員への14年ぶりの党内対抗馬となったニューヨーク州の女性、連邦議会初のムスリムの女性候補などです。
華氏119の結末
選挙以外でも闘いは起きていました。ウェスト・ヴァージニア州の公立校教員たちは全55郡で団結し、公務員としては禁じられているストライキを決行。賃上げを勝ち取りました。殺傷能力の高いAR-15のライフル銃による銃乱射事件が起きたフロリダ州パークランドの高校生たちは銃を規制しない政治家たちを落選させることを合言葉に「命のための行進」を企画。首都ワシントンD.C.をはじめ全米700箇所以上、世界100箇所以上で行われました。出来事はさかのぼり、2016年5月。オバマ大統領がフリントに飛んできました。しかしながら市民の期待を裏切り知事の味方をしたのです。彼もまたトランプの道を開いたひとりでした。勢いにのるトランプは自らを嵐だと言います。ムーアはエール大学でナチスの歴史研究家であるティモシー・スナイダー教授へインタビューしました。スナイダー教授はナチスとトランプ政権との類似性を指摘。トランプの独裁制を示唆しました。パークランド高校の生存者エマ・ゴンザレスが壇上で犠牲となった友達を追悼するスピーチが流れ静かに終わります。
以上、華氏119のあらすじと結末でした。
日本のメディアだけ見ていたら知らずに終わるような、米国社会の驚きの映像や実態を知ることができます。
ただし、トランプ大統領と共和党政権に対する批判の激しさとはうらはらに、民主党サイドの欺瞞(当然あるはずですが)への切り込みは見られません。
そういう意味では、マイケル・ムーアの視点は客観的とはいえません。
そこを頭に入れた上で見ることが大事です。