映画「ビザンチウム」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
ビザンチウムの紹介：2012年イギリス,アイルランド映画。永遠に年を取らない美しい吸血鬼のクララとエレノア。ある理由から吸血鬼の同盟に追われ各地を放浪しながら生きてきた二人でしたが、ある町でエレノアが青年のフランクと出会ったことから運命の歯車が狂いだします。「クライング・ゲーム」のニール・ジョーダン監督によるスリラー映画です。
監督：ニール・ジョーダン 出演者：シアーシャ・ローナン(エレノア)、ジェマ・アータートン(クララ)、 サム・ライリー(ダーヴェル)、ジョニー・リー・ミラー(ルヴェン)、 ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ(フランク)、ほか
この解説記事には映画「ビザンチウム」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
とある町にクララとエレノアという母娘が世間から身を潜めるように暮らしています。クララはストリッパーとして働いていましたが、店でトラブルを起こしてクビになります。エレノアは偶然知り合った孤独な老紳士から身の上話を聞いているうちに、彼が死を望んでいることを知ります。さらに老紳士はエレノアが人間ではないことを勘づいていました。エレノアは老紳士の腕に噛みつくと、みるみるうちに身体中の血を吸い上げて殺してしまいます。一方ある男から執拗に追われていたクララもアパートで簡単に男を殺害してしまいます。クララは部屋に火を放つと、エレノアを連れて別の街へと逃げていくのでした。
たどり着いたのは海辺の町。クララは金を落としてくれそうな男を探しはじめ、エレノアはひとり夜の町を彷徨います。通りかかったカフェで見事なピアノ演奏を披露したエレノアはウェイターのフランクという青年と仲良くなります。一方クララは母を亡くし、孤独を深めていたノエルという男を誘惑することに成功します。クララはエレノアを連れてノエルの自宅に居候することになりますが、住まいを娼館にして一儲けしようと考えているのでした。ある日エレノアは道で自転車に乗っていたフランクと衝突し、フランクは手に大きな怪我を負ってしまいます。病院へ見舞いに訪れたエレノアはフランクが白血病を患っていることを知ります。そして吸血鬼という秘密を打ち明けられないまま、フランクに惹かれていきます。やがて真実を知ってもらいたいと思い始めたエレノアは自身の複雑な生い立ちを綴った自伝をフランクに渡します。
それは遠い昔のこと。若きクララは見習い士官のダーヴェルに淡い恋心を抱いていたものの、彼の上官ルヴェン大佐に騙され娼婦へと身を落とした悲劇の女性でした。やがてクララは娼館でエレノアを産みますが、子供を一人で育てることはできず、生後間もないエレノアを孤児院に預けます。その後もルヴェンから弄ばれる苦痛に満ちた日々を送っていましたが、ダーヴェルが娼館を訪ねてきたことからクララの人生は一変します。死んだと思われていたダーヴェルは吸血鬼の同盟からある孤島の場所を教えられ、そこで永遠の命を手に入れ吸血鬼となっていました。肺病を患っていたクララはその話を聞き、孤島の地図を盗み出して自らも吸血鬼になる道を選びます。こうして永遠の命を手にしたクララでしたが、同盟は女の吸血鬼を仲間とは認めず、クララの孤独な闘いが始まります。やがて娘の命が危険にさらされていることを知ったクララはエレノアを孤島に連れていき、吸血鬼の仲間にしてしまいます。女の吸血鬼を増やしたことからクララは同盟から追われ、命を狙われるようになっていきます。それから長い間クララとエレノアは姉妹のふりをし、名前を変えながら各地を転々と放浪してきたのでした。
自伝を読んだフランクはエレノアの身に起こったことがあまりにも非現実的で混乱しますが、やがて孤独な彼女を受け入れ、二人は深く愛し合うようになります。そして母の庇護下の生活から抜け出すため、エレノアは家を出る決意をします。しかし娘を守りたいクララはエレノアを家に閉じ込め、秘密を知ったフランクの命をも奪おうとします。一方クララ達の行方を追っていた同盟のダ―ヴェル達が姿を現し、エレノアは拉致されてしまいます。クララは命を張って娘を守ろうとダーヴェル達と応戦を繰り広げますが、ついに捕らえられてしまいます。しかしダーヴェルは娘を守りたい一心で苦難の中を生き抜いてきたクララを殺すことはできませんでした。ダーヴェルは同盟の仲間を殺すと、クララとともに生きていく道を選びます。そしてクララは可愛さのあまり長い間手放せなかった娘を解放することを決意します。クララと別れたエレノアは瀕死のフランクを連れて孤島へとやってきます。こうしてフランクも吸血鬼の仲間となり、永遠の命を手に入れるのでした。
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