映画「A GHOST STORY／ア・ゴースト・ストーリー」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
A GHOST STORY／ア・ゴースト・ストーリーの紹介：2017年アメリカ映画。主人公はシーツ姿の幽霊C。ミュージシャンだったCは自分のいなくなった世界で、愛する妻への想いを胸に彷徨い続ける。彼の時空を超えた旅路を、Cが作った切ない音楽と共に体験。幽霊の視点から見た死後の世界。死んでしまった魂はその後どのように消化されていくのか？サンダンス映画祭では観客賞に輝き、世界各地の映画祭でも大絶賛を受けた作品。
監督：デヴィッド・ロウリー 出演：ケイシー・アフレック（C）、ルーニー・マーラ（M）ほか
この解説記事には映画「A GHOST STORY／ア・ゴースト・ストーリー」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
＂目覚めた時に、いつも扉が閉まる気配がする＂テロップで提示され、物語は始まります。田舎町の質素な一軒家。作曲家のCと妻のMは仲睦まじく生活をしていました。ある日、ベッドで寝ていた2人はピアノの音で目が覚めます。誰もいないはずのリビングで何故か鳴ったピアノ。この家を気に入っていたCは物が落ちただけだろうと流しますが、薄気味悪さにMは別の場所へ引っ越したいと思っていました。幸せな毎日を送りながらも、引っ越すか否かで2人の間に微妙な隙間を作っていきます。しぶしぶCが折れた形で引っ越しを決めた2人。少しずつ部屋を片付け始めました。しかしそんなある日、不幸が訪れます。Cは自宅前で自動車事故により突然命を落としてしまいました。
予想もしていなかった出来事に涙すら出ず、ただ呆然と立ち尽くすM。病院で夫の死体を確認すると、職員に1人にしてもらうよう頼み、動かなくなった身体だけのCの姿をじっと目に焼き付けるように見つめました。やがてMは遺体にシーツを被せると静かに立ち去ります。しかし、死んだはずのCは突如シーツを被ったまま起き上がりました。歩き出すと窓の向こうにまばゆい光が放たれていましたがCは素通りし、まるで何事もなかったかのように自宅へ向かいました。家にはすでにMが戻っていましたが、彼の存在に全く気づきません。Cは悲しみを胸の内に秘め、ゴーストとしてMを見守りながら寄り添う生活を始めます。生前Cが作った曲を聴きながら、日増しに強くなっていくMの悲しみはCの胸も締め付けます。ついにMは家を去って行きました。Cを家に残したままで。
その後、ヒスパニック系の母子が新しい住人としてやってきます。賑やかで幸せそうな家族に耐えられなくなったCは超常現象を起こし、彼女たちを家から追い出してしまいます。次の住人はパーティ好きな若者たちでした。夜通し酒を飲み騒ぐさわぐ者の中に、1人神の存在について持論をまくし立てる若者がいました。「いずれ地球は崩壊し宇宙は消える。あらゆる創造物は無意味だ」と。Cは黙ったままただ見守っているだけでした。また、新しい出会いもありました。隣の家からシーツ姿のゴーストがこちらを見ています。「ここで人を待ってる」声にならない念でCへ伝えました。しかし誰を待っているかは覚えていないとのことでした。そんなことは気にせずに、Mが去る際に壁に隠したメモを見つけるため、隙間を削り続けるCでした。
やがて家は朽ち、Cは相変わらず壁を削り続けていると突然の轟音と共にブルトーザーが家を取り壊し始めます。隣家のゴーストは家がなくなったことで待ち人が来ないことを悟り一瞬にして姿を消してしまいました。その後さらに時が経ち、ビルが建設されてもCは離れずにいました。やがてCは気付きます。何十年も何百年もこの場所に縛られ続けることを。絶望に狩られビルから飛び降りたCが目を開けると、西部開拓時代にいました。家族がその場に家を建て、時代が移り変わり、CとMがやってきました。気付いてもらいたいゴーストCはピアノを鳴らしますが、2人ともゴーストCの存在には気付きません。やがてCは事故を起こし、Mを見守るゴーストも現れます。再び家は朽ち、メモを見つけたC。書かれたMからのメッセージを読んだ瞬間、1枚のシーツを残しCは姿を消しました。
以上、A GHOST STORY／ア・ゴースト・ストーリーのあらすじと結末でした。
この映画の感想を投稿する