白い婚礼の紹介:1989年フランス映画。長年教師を務めていた監督による、中年の教師と17歳の女子生徒の禁断の純愛の物語。歌手として既に名声を得ていた17歳のヴァネッサ・パラディは初めての映画出演で純粋であると同時に破壊的な少女を演じて、セザール賞新人女優賞とロミー・シュナイダー賞を受賞。映画女優としてもキャリアを築いていく。
監督:ジャン・クロード・ブリソー 出演者:ヴァネッサ・パラディ(マチルド・テシエ)、ブリュノ・クレメール(フランソワ・エノー)、リュドミラ・ミカエル(カトリーヌ・エノー)その他
映画「白い婚礼」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「白い婚礼」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
白い婚礼の予告編 動画
映画「白い婚礼」解説
この解説記事には映画「白い婚礼」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
白い婚礼のネタバレあらすじ:孤独な少女
フランソワ・エノーは49才のリセの哲学教師。妻のカトリーヌは本屋を経営すると共に地方紙に記事を書いている。ある日フランソワは問題生徒、マチルド・テシエがバス停で倒れてしまったところに出くわし、自動車で彼女の家へ送っていく。彼女は遅刻とはいえ、その日、久々に彼の授業に現れたが、やる気は全くなさそうだった。彼はこの不思議な少女が気になりだす。放課後、彼女の様子を見に行く。精神科医の父は家族を放棄し、母は自殺未遂・入院を繰り返し、二人の兄も逮捕歴があるということで、パリを離れて地方都市に一人で住んでいる。
その晩、フランソワは外で彼女と夕食を取る。17歳にしては醒めた目で物事を見る少女に、人生は頭で考えるより豊かだと言い、学業に身を入れるようにすすめる。マチルドはフランソワについて私と同じ孤独な人だと言う。
白い婚礼のネタバレあらすじ:個人授業
翌日、マチルドはフランソワの授業にちゃんと出席。宿題だった「無意識」の定義についてのレポートを見事に発表し、生徒たちの喝采を浴びる。その日はマチルドの放校処分の可否について職員会議が開かれるが、マチルドの知性に感心したフランソワは彼女の成績を甘くつけた上で、会議でマチルドを擁護する。喧々諤々の議論の末、復活祭まで彼女に猶予期間が与えられる。
フランソワは勉強が遅れているマチルドのために彼女の家で個人授業を始める。マチルドはフランソワに特別な感情をもつようになり、フランソワもマチルドに心惹かれていく。フランソワの妻のカトリーヌは、家に頻繁に電話をかけてよこすくせに、カトリーヌが電話に出ると無言のマチルドに対して不安を募らす。
白い婚礼のネタバレあらすじ:一線を越えた二人
ある雨の日、マチルドがフランソワの授業をさぼる。フランソワは彼女の家から不良っぽい青年たちが出てくるのを見て怒るが、マチルドの誘いに負け肉体関係をもってしまう。
マチルドとフランソワの関係は深まり続け、カトリーヌはバカンス期間中の別居を提案して家を出ていく。自殺未遂をした母を見舞って戻ってきたマチルドはフランソワに、奥さんと別れて自分と二人で生きて行こうと言うが、フランソワにとって教師と生徒が一緒に暮らすことなど許されない。最後に愛し合ってお別れにしようとマチルドは言う。
白い婚礼のネタバレあらすじ:破滅
やがてカトリーヌも家に戻る。傷心のフランソワにも元通りの生活が戻るかと思われた。しかし、新学期、マチルドはフランソワにあてつけるように、同級生の男子と同居を始めたと言い、放課後の教室で別の男子とセックスを始める。カトリーヌに電話や新聞社への脅迫を通じて嫌がらせをする。
マチルドの仲間がカトリーヌの本屋に描いた「エノーの女房はアバズレ女」という落書きを見せられたフランソワは怒り、英語の授業に出ていたマチルドを引きずり出して空いている教室で殴るが、マチルドは「あなたを愛している」と繰り返す。フランソワはマチルドの服を脱がし始める。だが生徒が二人の行為を目撃して騒ぎ立てる。
翌日、重体だった母が死んで、マチルドは町を去る。フランソワとカトリーヌは離婚し、フランソワはダンケルクのリセに左遷される。
白い婚礼の結末:少女の孤独な死
一年後、フランソワは刑事に電話で呼び出される。マチルドがダンケルクで死んだ。彼女は二か月間誰とも会わず外出せず、修道尼のように生活していたという。彼女のアパートでフランソワは、彼の住所と電話番号のメモと「許してね」ということばをマチルドが記した自分の著書を見る。窓からはフランソワが授業をする教室が見えた。
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