少年と犬の紹介:1975年アメリカ映画。荒廃した世界に生きる少年が、究極の選択を迫られるSFアドベンチャー。核戦争の後地上は荒野となり、女はほとんど生まれなくなっていた。ヴィックはテレパシーで会話出来る犬ブラッドを相棒に、女と食料を求めてさまよい歩く日々を送っている。ある日、謎の女クイラと出会ったヴィックはブラッドの忠告も聞かず地下へ行ってしまう。地下は男を欲しており、ヴィックは罠にかけられたのだった。原作はハーラン・エリスンの同名小説。
監督:L.Q.ジョーンズ 出演者:ドン・ジョンソン(ヴィック)、ティム・マッキンタイア(ブラッドの声)、スザンヌ・ベントン(クイラ)、ジェーソン・ロバーズ(ルウ)、ヘレン・ウィンストン(メズ)ほか
映画「少年と犬」ネタバレあらすじ結末と感想
映画「少年と犬」のあらすじをネタバレ解説。予告動画、キャスト紹介、感想、レビューを掲載。ストーリーのラストまで簡単に解説します。
少年と犬の予告編 動画
映画「少年と犬」解説
この解説記事には映画「少年と犬」のネタバレが含まれます。あらすじを結末まで解説していますので映画鑑賞前の方は閲覧をご遠慮ください。
少年と犬のネタバレあらすじ:荒廃した世界
舞台は2024年のアメリカ、アリゾナ州フェニックス。核ミサイルを撃ち尽くした第4次世界大戦は5日間で終結し、地上は荒廃した世界と化していました。核は人類にも大きな影響を与え、女がほとんど生まれなくなります。身を守るため女達は男装し、地下などで息を潜めて暮らしていました。18歳のヴィックは、犬のブラッドを相棒に荒野をさまよい歩く浮浪者です。ヴィックは女を抱くことばかり、ブラッドは食べることばかりを考えていました。ブラッドの声はテレパシーで繋がっているヴィックだけが聞き取れます。犬は女を見つける能力を持っているので、ヴィックは食料を調達することでブラッドに女を捜して貰っていました。老犬ブラッドはヴィックにとって教師のような存在でもあります。口うるさいブラッドに苛立ちと、それ以上の友情を寄せるヴィック。1人と1匹は悪態をつきながらも、息の合ったコンビとして荒野を旅します。
少年と犬のネタバレあらすじ:クイラとの出会い
ブラッドは以前から、山向こうにある村を目指そうと提案していました。村では畑を耕しているため、食料が安定的に手に入るらしいのです。しかしヴィックは半信半疑で、何より女を見つけることを最優先に考えていました。食料がなければ女を捜せないと言うブラッド。ヴィックが苛立っていると、穴を掘っている集団を見かけます。暴力的なボスに支配されているらしい集団は、食料をたくさん持っていました。ヴィックはブラッドの制止も聞かず、集団に突っ込み食料を盗み出します。発砲されながらも全速力で逃げ去ったヴィックとブラッド。その様子を謎の男達が観察しています。荒野に似合わぬ小奇麗な格好をした彼らは、「あの少年だな 罠を仕掛けろ」と話しました。食事を済ませたヴィックとブラッドは町へ入り、映画を楽しむことにしました。するとブラッドが突然「女がいるぞ」と言い出します。ブラッドの嗅覚を頼りに町を出たヴィックは、地下への入口を見て「ウソだろ 怪物の住処なのに」と呻きました。今怪物はいないとブラッドに言われ、恐る恐る降りていきます。中は廃棄された倉庫のような場所で、女はそこに隠れていました。ヴィックは銃を女に向け、服を脱げと脅します。クイラと名乗ったその女は、泣くでも叫ぶでもなくじっとヴィックを見ていました。そこへブラッドが現れ、外に浮浪者の集団がいると警告します。クイラを差し出して逃げるべきだと言うブラッドに、ヴィックは断固拒否して迎え撃つことにしました。そこでブラッドは怪物の鳴き真似をして、侵入してきた浮浪者達を動揺させます。その隙にヴィックやクイラが発砲し、次々倒していきました。しかし浮浪者側の犬と戦ったブラッドが大怪我をしてしまい、更に本物の怪物が現れます。奥の狭い部屋に逃げ込んだヴィックとクイラは、ブラッドが呆れるほど体を重ねました。
少年と犬のネタバレあらすじ:地下へ
翌朝。ブラッドが外の様子を見に行っている間、クイラはヴィックと暮らす夢を語り始めます。ブラッドに地下暮らしは無理なので2人で暮らそうと言うクイラに、ヴィックは地下へ行くつもりはないと断りました。戻って来たブラッドは、クイラは足でまといなので置いていけと話します。ヴィックは激怒してブラッドと別れようとしますが、直後にクイラから懐中電灯で殴られ気絶してしまいました。目覚めたヴィックは、クイラが落としていったカードを見つけます。ブラッドは「地下への扉の鍵だろ」と言いました。荒野には鉄製の扉があり、地下世界へ繋がっているのです。地上より豊かな暮らしをしているらしく、侵略しようとしてもその度に返り討ちにあっていました。ヴィックはクイラを追いかける決意をします。ブラッドは罠だと警告しますが、ヴィックは鍵を挿して扉を開いてしまいました。「別れたくない」と呟くブラッドに、ヴィックは「戻ってくるよ」と約束して地下へ降りていきます。
少年と犬のネタバレあらすじ:地下世界トーピカ
地下世界は、地上より遥かに進んだ文明を築いていました。そこかしこにスピーカーが設置され、委員会と呼ばれる権力者達の声が流れています。人の姿が無いことを不思議に思っていたヴィックは、看守のマイケルに捕まり無理やり入浴させられました。その様子を、顔を白く塗った地下の人々が笑いながら見ています。一方のクイラは、委員会の長ルウに会うため教会を訪れていました。そこでは委員会の賞罰会議が行われており、上層部に批判的な人間が「農場送り」という刑を宣告されています。クイラはヴィックを罠にかけた褒美として、自分を委員会に入れるよう要求しました。しかしルウは受け入れず、委員会に所属する女メズも冷笑します。クイラが渋々去った後、ルウは彼女を結婚させ野心を削ぐよう指示を出しました。そこにマイケルに引きずられてヴィックがやって来ます。ルウはこの地下世界トーピカにおびき出された理由を説明されました。トーピカの人間は長過ぎる地下生活のため、なかなか妊娠出来なくなってしまったらしいのです。外部の新しい血が必要になったトーピカは、地上の男を引き入れ女達を妊娠させることにしました。女を抱くためにおびき出されたと思ったヴィックは大喜びします。しかし彼を待っていたのは、ベッドに拘束され機械で精子を搾り取られる生活でした。受精者に選ばれた女達が次々ヴィックと結婚式を挙げていきます。その中にクイラもいました。権力を欲する彼女は委員会に対抗するためヴィックを救出します。怒るヴィックでしたが、35人妊娠させれば用済みとして殺されると知り彼女の逃亡案に乗ることにしました。
少年と犬の結末:究極の選択
逃走して銃を手に入れたヴィックはすぐに地上に戻ろうとします。しかし新しい委員会を作ろうと目論むクイラは取り縋って反対しました。「信じて 愛してるわ」と言いながら協力を求めるクイラ。そこに委員会が現れ、クイラと仲間達に農場送りを宣告しました。仲間が次々マイケルに殺害されるのを見たクイラは、一緒に地上へ行くと言い出します。ヴィックは迫るマイケルに発砲しますが、被弾しても彼はニヤニヤと笑いながら追いかけてきます。彼の正体はロボットだったのです。ヴィックが発砲を続けるとマイケルは火花を散らしながらやっと倒れました。何とか地上へ脱出すると、周囲は夜の闇に包まれています。すると扉の近くにすっかり衰弱したブラッドが倒れていました。彼はずっとこの場所でヴィックの帰りを待っていたのです。死を悟ったブラッドは、ヴィックだけでも安全な場所へ行くよう言います。ヴィックは何とかして食料を手に入れようとしますが、クイラは「置いて行きなさいよ」と言いました。友情と愛、どちらを選択するか迷うヴィック。「愛してるわ」と囁くクイラと見つめ合います。――しばらくして、ヴィックとブラッドは移動の準備を始めます。クイラの姿はなく、焚き火の跡が残されていました。クイラのことを考えるヴィックに、ブラッドは「そんなに味気のある娘ではなかったぞ」と言って笑います。釣られてヴィックも笑い出し、この映画は終わりを迎えます。
以上、映画「少年と犬」のあらすじと結末でした。
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